<コロナに思う>伊藤隆敏コロンビア大学教授 経済の回復速度を上げるために「テクノロジーを生かした新たな社会を築くことが重要」

公開: 更新: テレ東プラス

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新型コロナウイルスの感染拡大、外出自粛による経済へのダメージ...。未曾有の事態に日本国内だけでなく世界中が不安に包まれる中、『ワールドビジネスサテライト』では、現在「コロナに思う」と題し、各界の著名人によるリレーメッセージをお伝えしています。

今回は国際金融の専門家、コロンビア大学の伊藤隆敏教授からのメッセージです。伊藤教授は死者の数が1万人を超えたアメリカ・ニューヨークに住んでいます。コロナ収束後にはこれまでとは違った世界が来ると考える伊藤教授は、経済の回復速度を上げるためにもテクノロジーを生かした新たな社会を築く必要があると語ります。


ニューヨークで籠城生活「おこもりさん」を始めて、3週間がたちました。まだまだ続くと思います。

長い長いトンネルになるわけですけれども、トンネルを抜けた世界が元の世界なのか、新しい世界なのか考えるようになってきました。おそらく新しい世界なんじゃないか。元には戻らないと感じるようになってきています。

そうすると新しい世界が元の世界よりもより良いものにしたいわけですよね。より生産性が高い、より生活の質が高い、そういう世界にするためにはどうしたらいいのか。

トンネルの中にいるときは(経済が)ものすごく下がると思うんです。問題はその落ち込んだ後にV字回復できるか、あるいは低迷が長く続くかというところで、それは工夫しなければいけない。

V字は無理かもしれないが、少しでも回復のスピードを上げていくためには、テクノロジーを生かした社会を作っていくことが重要になっていると思うんですね。

ニューヨークでも小中高、全部休校になったわけですけども1人1台タブレット、あるいはPCを配って遠隔授業を導入しています。同じようなことはもちろん東京でもできるはずなんですね。やる気とお金さえ注ぎ込めばできるわけですから、これはぜひやっていただきたいと思ってます。

トンネルを抜けた新しい世界でも、おそらく在宅勤務が日常的になっている、みんな慣れてくるということがあるとすると、これは非常に大きなチャンスでありまして。

例えば子育てをしている共働きの世帯でも、在宅で十分に企業活動への参加が実現する。

ただ休むのではなく、新しい世界で何ができるのか考えてイノベーションにつなげていく。それができれば回復は早いと思います。



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