倍率は1200倍! 宇宙飛行士を目指す努力家YOUが、憧れの人との出会いに涙:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎えてアポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回は「好きだから!時を越え国境を越えてやって来た 一途なYOUに乾杯SP」ということで、好きが抑えられないYOUを求め、空港で突撃取材を敢行。しかも今回から放送時間を拡大して毎週95分でお届け!果たしてどんな面白YOUに出会えるのか?

you_20200420_01.jpg
声をかけたのは、インド出身で、宇宙飛行士を目指しながら九州大学の大学院に留学中のリキト(24)さん。人生でいちばん憧れている宇宙飛行士・若田光一さんと同じ大学に通いたくて、この九州大学を選んだという。ちなみに若田さんといえば、4回の宇宙飛行ミッションに参加した日本を代表する宇宙飛行士で、2014年に国際宇宙ステーション(ISS)の船長(コマンダー)に就任したスゴい人物だ。

さらに宇宙飛行士になれるのは、1万2000人程度の応募の中からたった10人ほどという、倍率1200倍の超狭き門。この難関を目指す人の生活を知りたい、と密着をお願いしたところ、快諾してもらえたので密着決定!

後日、登校したリキトさんと一緒に、いよいよ国立九州大学に潜入!

リキトさんが通う講座では、おもに工学部を卒業した院生が研究に没頭しており、リキトさんも今、新しい不凍液の研究(難しい研究!)の真っ最中。研究発表のため、1週間も研究室に泊まりこむこともあるんだって。

ただ、こうした勉強をしても宇宙飛行士になれる保証はないし、宇宙飛行士は第2の職業だとリキトさんは言う。これまでも宇宙飛行士だけを生業とする人はおらず、本職は研究職でも医療関係でも、何か功績を残した人が選ばれているそう。「まず自分の専門分野で成果を出して、その後に申し込めば可能性があるかもしれない...」と冷静だ。

you_20200420_02.jpg
大学が終わると、住んでいるシェアハウスへ帰宅。ここは、地域の人が空き家を修繕して作った学生向きの物件で、家賃はなんと1万円! ベトナムから来た同級生のトゥンさんと2人暮らしだ。

この日リキトさんが手作りした2人分の夕食は、インドのガラムマサラを使った本格カレーだが、辛いのが苦手なトゥンさんは悶絶...(笑)。

南インドに生まれたリキトさんは、小さい頃は勉強ができなかった。ある日学校から帰宅中、空に浮かぶUFOのようなものを発見し、それが突然消えて驚愕したことが宇宙への興味の始まりだったという。

毎日空を見上げてばかりいた13歳のころ、若田さんが3回目の宇宙へ。その映像を見て彼のようになりたいと思った。そこから一転して苦手だった勉強を始め、若田さんが卒業したこの九州大学に合格し、今に至る。

you_20200420_03.jpg
けれど、ここまで決して順風満帆だったわけではない。リキトさんが留学する直前、父親の建設会社が倒産してしまったのだ。取引で大金をだまし取られ、今はつらい時期だという。けれど父親はそんな苦労は顔に出さず、「子どもは気にするな」と応援してくれているそう。

you_20200420_04.jpg
翌朝、朝8時半に家を出たリキトさん。到着したのは、海の幸が食べられる「かき小屋」。じつは週末はここで1日8時間のアルバイトをしていた。18時に仕事が終わると、息つく間もなく今度は掛け持ちで近くの水産加工場のバイトへ。家族に負担をかけまいと、バイトで稼いだお金と奨学金で、すべて学費も生活費も払っているのだ。

you_20200420_05.jpg
多忙なリキトさんだが、時間があれば立ち寄るお気に入りの場所が。それは、大学図書館に飾られた、若田さんの記念品コーナーだ。入学当初から、落ち込んだときはここに来て眺めたという。

じつはリキトさん、入学後に突然、椎間板ヘルニアを患ってしまった。腰に爆弾を抱えた人が宇宙飛行士に選ばれるはずはない...と、入学後1年くらいは落ち込んだけれど、若田さんが生まれたころは宇宙に行く方法すらなかった。

でも未来は変わって、若田さんが宇宙に行ったという事実がYOUに勇気をくれて、逆境から立ち直ることができた。そんな勇気をくれた若田さんに会って話すことも、また夢。

you_20200420_06.jpg
1カ月後、長かった髪をすっきり丸めたリキトさんは、この日スタッフと一緒に車である場所へ。到着したのは、お金がなくて6年間来られなかった、憧れの筑波宇宙センター(JAXA)! がんばっているリキトさんのために、番組がJAXAまでの交通費を御礼にプレゼントしたのだ。

you_20200420_07.jpg
さっそくJAXAに入ると、星のサンプルを採取する「はやぶさ」や月周回衛星「かぐや」、実際の管制室を見学して「やっぱJAXAスゲー!」と大興奮。

感想を聞いているところに、誰かがリキトさんの肩をポンと叩いた。驚いて、振り返ってみるとそこにいたのは...。

you_20200420_08.jpg
なんと、憧れの若田さんが目の前に!! 一瞬頭が「?」となったYOUだが、話しかけてくれたのが若田さんだとわかると、目を潤ませて大感激。ただ、つねに見ていた写真の姿と少々違い、すぐに若田さんだと気付けなかったことを平謝りした。

これは番組からリキトさんへのサプライズだったが、仕掛け人を快諾してくれた若田さんのおかげで見事大成功!

you_20200420_09.jpg
宇宙飛行士を目指すにあたって、リキトさんは自身の抱える疾患の心配を若田さんに打ち明けた。すると若田さんは「問題があっても、それを克服して宇宙に行ってる人はたくさんいます。これからも努力を続けてほしい。きっと君はその1人になれるから!」と励ましてくれた。

勇気をもらったリキトさんは努力を誓って、最後に若田さんと力強い握手を交わした。YOUの夢、まずひとつ叶ったね!

若田さんに何度もお礼を伝えたところで、密着は終了! 「世界の色が変わりました。いつか宇宙にいる自分に出会えればいいな」と目を輝かせるリキトさん。宇宙に旅立つときも密着させてもらう約束をした。約束だよ~!

PICK UP