がんで亡くなった伝説のバンドマン「ごめんね、まだ生きてます」パートナーが壮絶な闘病を語る:家、ついて行ってイイですか?(明け方)

公開: 更新: テレ東プラス

4月6日(月)に放送した「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」(毎週月曜深夜)では、東京・下北沢駅で出会ったヒロさん(34歳)の家について行きました。

終電間際の下北沢駅で出会った4人組。「今日こちらで何をされていたんですか?」と聞くと、「私のパートナーががんで亡くなって、今日葬儀が終わって」と語るヒロさん(34歳)。取材日が2019年12月23日、命日は12月19日で、ヒロさんのパートナーが亡くなったのは4日前のこと。「故人(享年53歳)もこの番組が好きだった」ということで、ヒロさんのお家について行くことになります。

ヒロさんのお家は駅から歩いて帰れる距離なので、お礼として、タクシー代ではなくコンビニ代をお支払いすることに。ヒロさんが購入したのは、故人が好きだった焼酎やポテトチップス、柿の種。

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故人が20年以上住んでいたお宅に到着。六畳一間のワンルームにはモノがぎっしりと置かれており、点滴ポールが闘病生活を伺わせます。

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スタッフは部屋のあちこちにある「TENGA」を発見。実はヒロさんの内縁の夫は、イノマーといって、インディーズ界では有名なバンド「オナニーマシーン(通称オナマシ)」のボーカル。訃報はYahoo!ニュースにもなり、日本のTwitterトレンド2位にもランクインしました。

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イノマーさんは音楽雑誌の編集者として、氣志團銀杏BOYZサンボマスターなどを見出した後、自分でもバンド活動をするように。

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ヒロさんは全裸でライブをするイノマーさんに一目惚れし、公開されていた彼のアドレスにメールを送り、念願の恋人関係に。

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2018年7月にがんが発覚し、「分かった時点でステージ4、余命は3年くらいと言われた。宣告は2人で聞きました」とヒロさん。同年9月に舌を3分の2以上切除する手術をし、食事を食べるリハビリからスタートします。抗がん剤や放射線を使った通院治療をしていましたが、2019年10月頃から、副作用などで体調不良が続いたそう。

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「彼は最後まで『俺は死ねないんだよ。まだまだやるべきことがあるから、治療をやめることができない』と。最後まで生きることへの意地みたいな...」とヒロさん。イノマーさんの言葉を思い出しながら、こみあげる涙を必死に堪えます。

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苦しい体調の中、2019年10月22日、オナマシ20周年記念のライブのステージにイノマーさんの姿がありました。これが、彼がやるべきことのひとつ。「ごめんね、まだ生きてます」と観客を煽るイノマーさんは、やせ細った身体で過激な曲を歌い続けます。

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ステージには、氣志團や銀杏BOYZも参加。3000人の観客の前で、人生最後のステージをやり遂げました。

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「(2019年)11月の後半に危篤状態になってそこから目覚めて...。あんまり愛情表現をするタイプじゃなくて、照れ屋でシャイな部分があった。私の名前をたくさん呼んでくれて...彼の最後の愛情表現だったのかな」とヒロさん。ついに声がでなくなり、亡くなる前日、イノマーさんが最後に伝えた言葉はヒロさんの名前でした。

ヒロさんは、2人が初めて出会ったライブのチケットを今も大事にしまっています。「出会えて...出会えて私は幸せでした。たくさん楽しませもらったな」。

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病魔に侵され、大好きだった柿の種やポテトチップスが食べられなくなったイノマーさん。ヒロさんは先ほど買ったお菓子を遺影に供え、「思う存分、食べてね」と優しい声で囁きます。イノマーさんのご冥福を、お祈りいたします。

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