ワイングラスで熟成日本酒を! デートで使えるコの字酒場 錦糸町「井のなか」:今夜はコの字で

公開: 更新: テレ東プラス

カウンターが"コの字"の店は、左右、斜め、人の顔が並び、お客もお店の人も、みんなフラットに話せて、いろんな出会いがある。そんな"コの字酒場"を舞台にしたドラマ「今夜はコの字で」(毎週月曜深夜0時放送)が、ついに最終回を迎えました。

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最終話で、吉岡としのり(浅香航大)がイタリアに行く恵子(中村ゆり)に自分の気持ちを伝えようと誘った錦糸町「井のなか」。コの字酒場上級者の恵子も唸る日本酒の名店です。

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錦糸町駅の北口から徒歩5分、スカイツリーが間近に見える場所に「井のなか」はあります。老舗の居酒屋なども多く、コアなお客さんが集う錦糸町の中では新しい方ですが、14周年を迎える人気店です。

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カエルが見守る木製の扉を開けると、ステキな笑顔の店主・工藤卓也さんが出迎えてくれます。

ホテルマンから転身、茅場町の飲食店での店長経験を経て独立した工藤さんが作った「井のなか」は、バーのような雰囲気もありながらストンと非常に落ち着くコの字酒場。

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「デートで使えるコの字」をコンセプトに、女性もうれしい、日本酒に合う本格的なフレンチ、イタリアン、和食、中華のメニューが並びます。

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くつろげるよう特別に誂えた木製コの字カウンターとイス。足がブラブラしないようイスに足置きを作り、高さは最も疲れないといわれる27センチ。工藤さんのお眼鏡にかなうものを探しまくりようやく見つけたという一枚板のコの字カウンターは、木目をウレタン加工にして、研磨剤なし。車のワックスで週一回磨くこと、それがこのお店のスタイルです。

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ここに来たからには、やはり日本酒を! ラインナップは豊富で、「日本酒は北陸のものを置いている店が多いけど、うちは西のものを取り揃えています」と工藤さん。中でもオススメは、工藤さんと知人でもある蔵元から仕入れている福岡「扶桑鶴」、広島「竹鶴」、福岡「独楽蔵」。「一合」だけでなく「ちょこっと」飲みもあるので、いろんなお酒を楽しみたい方にもうれしい!

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まずは、「独楽蔵」の「円熟 純米吟醸 玄」を「ちょこっと」(430円)で。日本酒初心者にもオススメの、さらっと飲みやすいお味です。

さて、何を食べましょうか? メニューには、それぞれのお酒に合う料理も記載されているので参考にしつつ......

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この日は、島根から入荷した松葉ガニがあるというので、「松葉ガニとシメサバの盛り合わせ」を贅沢にオーダー。カニは新鮮で美味しい。お酒も進む! 分厚いシメサバも食べ応えあり。

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「カニ味噌甲羅焼き」は、濃厚なコクと独特の旨味があり、これがあればお酒がいくらでも飲める!

カニのスペシャルメニューはそれなりのお値段ですが、それでもリーズナブル。その理由は、お酒も食材も市場などを通さず直接産地のものが届くこと。松葉ガニを送ってくれた海女さんからは暖かくなったらアワビやサザエを取り寄せるそう。日本酒は蔵元から、豚肉、豆腐、野菜などの食材もこだわりのお店から直接仕入れています。店主である工藤さんの人脈の広さがあるから出来ることなんです。

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2杯目は、NHKの朝ドラ「マッサン」でもおなじみ「ニッカウヰスキー」創始者・竹鶴政孝氏の生家である酒蔵「竹鶴酒造」の「竹鶴」の「純米」をワイングラス(800円)で。

ちょいのみグラスと飲み比べさせていただくと、味の違いが歴然。ワイングラスの方が、香りが引き立ち、口当たりはまろやかに。

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「ポテトサラダ」(620円)は、和風で、隠し味はしょう油と酒粕。味に深みがあります。

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人気メニュー「牛タン」も食べたいと、「牛タンのグリル」「牛タンのやわらか煮」(1900円)をハーフ&ハーフで注文。グリルには、ブロッコリーのピューレとカシスマスタードを添えて。牛タンの端は捨て、真ん中のみを48時間煮込んでいるそうで、ほろほろ柔らかい。

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しっかりしたお肉に合わせてもう1杯。「にごり酒をワイングラスで飲むと美味しいんだよ」との工藤さんのアドバイスを受け、「扶桑鶴」の「純米吟醸 にごり」をワイングラス(一合 820円)で。やや辛口、米の旨みがしっかりとしながらも、後味はすっきり。

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メニューには「おはぎ」も。コの字酒場ながら、「お子さんも大歓迎!」と工藤さん。以前、お客さんが子連れで来店した際、お子さんの「僕の食べるものがない」との言葉から、場所柄子供も多いので「高級なファミレスを目指そう」と決意。下町らしいものを作りたいと作ったのが、こちらの「寝かせ玄米おはぎ」(500円)。

酒蔵を訪れた際にお米を蒸しているのを見て、「玄米も炊くよりも蒸してみたらどうだろう」との思い付きから生まれたものだそう。蒸すと時間が経っても硬くならないそうで、確かに今まで食べたことのない噛み心地で、あんこも美味しい!

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隣の席の常連さんは、元同僚だという3人組。久々飲むために集まり、さっきまで浅草で飲み、この店で3軒目だそう。

「竹鶴がある店も珍しいんだけど、これをぬる燗で飲ませてくれるのがうれしいんだよね」と、この店の魅力を。気に入った銘柄のお酒を、冷酒・冷や・ぬる燗と飲み比べることが出来るのが、好きなのだそう。

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店の片サイドは家族や仲間とワイワイ楽しむスペース。そしてもう片方はデートでしっぽりと......。この店で告白やプロポーズをするお客さんも多いそうで、工藤さんはここで生まれたカップルがいつかお子さんと一緒にいらっしゃるのを楽しみにしているそうです。

(取材・文/谷亜ヒロコ)

【取材協力】
井のなか
東京都墨田区錦糸2-5-2
営業時間:17:00〜23:00
定休日:日曜日
※この情報は2020年3月時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。

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