コロナショックで外食産業がピンチ...危機を救う熟成肉の”不思議なシート”:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。3月24日(火)の放送では、新型コロナウイルスの影響で外食産業に降りかかった食品ロスの問題を取り上げる。未だ"コロナショック"の終息が見えない中、行き場を失った食材を救うべく動き出した企業を追う。

美味しく長持ちを実現 "不思議なシート"が食品に革命を起こす

新型コロナウイルスの影響が様々な企業に降りかかる中、特に大打撃を受けている業界の一つが外食産業だ。飲食店では、相次ぐキャンセルの影響で使用できなくなった食材が発生。こうした食品ロスは、店の経営を直撃している。そんな中、革新的な技術やアイデアを持つ企業が動き始めていた。

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番組では、新型コロナウイルスの脅威が表面化していなかった去年12月から、"熟成肉"を手掛ける「フードイズム」社長・跡部美樹雄さん(44歳)の取材を始めていた。熟成肉にはいくつかの製法があるが、専用の冷蔵庫で自然に菌を付着させるのが一般的。熟成には40日から50日かかり、品質も不安定で半分は腐ってしまうため使えない部分も多い。

そこで跡部さんは明治大学との共同研究で、牛肉を短期間で熟成させる「エイジングシート」を開発した。

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肉を熟成させる菌を付着させた布を巻くことで、熟成期間は20日程度に短縮され、従来の半分に。布が雑菌をブロックするため捨てる部分も少なく、8割以上が使用可能になった。

跡部さんは「エイジングシート」を肉以外の食材にも応用しようと試行錯誤していた。冷凍せずに魚の鮮度を維持させることで、美味しく食べられる期間を伸ばそうというのだ。肉より劣化が早い魚の熟成で新たな可能性が見えれば、「廃棄ロスが大幅に減り、魚の物流にも革命が起きる」と跡部さんは期待を込める。

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余った食材が高級缶詰に生まれ変わる!

サバ缶が品薄になるなど、健康目的や酒のつまみとして今や食卓には欠かせない人気の「缶詰」。この缶詰を使って食品ロスを解決しようとするベンチャー企業がある。「カンブライト」は、社長の井上和馬さん(41歳)が食品ロス削減のため約5年前に脱サラして起業。「ホヤのアクアパッツァ」「アマゴの酒香漬」など、流通にのらない独自の缶詰を商品化してきた。

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井上さんのもとには、流通が難しい食品に悩む全国の生産者や加工会社から相談が寄せられる。井上さんが目下取り組んでいるのは、加工や精肉の過程で大量に残ってしまう豚肉と鹿肉のすじの活用。試作品「鹿肉のワイン煮込み」を依頼主に食べてもらうと、「もう少しインパクトが出る形」と要望が。商品開発を続ける井上さんは、いったいどんな缶詰を生み出すのか。

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井上さんは、元IT企業のエンジニア。缶詰で世界の飢餓を救う企業の取り組みに憧れ、「カンブライト」を立ち上げた。農家や漁師の一次産業や小規模な食品加工業者など、「日本の食を支える人たちを後押ししたい」と考えたのだ。しかし、缶詰に関してはずぶの素人。社会人講習でゼロから学び、これまで作った缶詰の試作は500以上。それでも現在の収入は会社員時代の半分以下。試行錯誤は続く。

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3月中旬、食品産業を取り巻く状況は一変。井上さんが新型コロナウイルスの影響で「廃業しなきゃいけなくなる会社が出るのでないか」と危機感を募らせる中、取引先からの相談が舞い込む。そこには飲食店からの注文が減り大量に余ったマグロが...。缶詰で救うことができるのか。

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未曽有の事態が続く中、日本の"食"を守るために果敢に立ち向かう人々を追った「ガイアの夜明け」は今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!

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