「ゴッドタン」(毎週土曜深夜1時45分より放送)発のライブイベント「ゴッドタン マジ歌ライブ2020~さいたまスーパーアリーナに行きつきました~」が、2月13日(木)、埼玉県・さいたまスーパーアリーナ(SSA)にて開催された。
お笑い芸人がギャグ抜きで真剣に作った"マジ歌"を発表し、笑わすことなく最後まで歌い切るかを競う人気企画「マジ歌選手権」から発展したこのライブ。2009年、日本青年館での初開催から年々スケールアップを続け、今回はついに過去最大規模となるSSAへ。前売り券1万7000席は即完という人気ぶりだ。
番組レギュラー陣であるおぎやはぎ(矢作兼、小木博明)、劇団ひとり、松丸友紀(テレビ東京アナウンサー)らに加え、日村勇紀(バナナマン)、角田晃広(東京03)、秋山竜次(ロバート)、バカリズム、後藤輝基(フットボールアワー)といったマジ歌シンガー、DJ KOO、ラッパーの呂布カルマ、鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)、眉村ちあきといったマジシンガーもサプライズ登場し、約2時間半の一大エンタテインメントを繰り広げた。
開演前の前前説は番組プロデューサーの佐久間宣行が自身のラジオ番組風に、続く前説をジョイマンが務め会場を温める。
出演者がマジ歌にかけるアツイ思いを語るオープニングVTRに続き、大歓声に迎えながら、おぎやはぎ、設楽統(バナナマン)、アルファルファ名義の飯塚悟志&豊本明長(東京03)らがMC席にスタンバイ。いよいよ宴が開演!
トップバッターは、日村扮するヒム子。バックダンサーを従えたアップテンポなアイドルソング「了解です」を披露し、かわいさ炸裂! レーザー光線による演出などにより華々しく幕を開ける。
続いては、角田率いる角田バンド。「手に入らないもの」を魂込めて熱唱する角田だったが、ダンスで盛り上げる大竹マネージャーに注目が集まり、会場中から「大竹コール!」が巻き起こる。
ライブ後半では、嫁(ポンチョ)役の声優・佐倉綾音も登場し「角田の子」を披露するも、やはりおいしいところは佐倉&大竹マネージャーに持っていかれた角田だった。
ここで山本博(ロバート)が主演の、見知らぬ町で勘を頼りに店を探すミニドラマ「孤独のエステ」のVTRが流れる。山本が行き着いた店の名は......シルクロード。見事な導入を受け、秋山率いるバンドL.A.Childrenが某大ヒットソング風「シルクロード」を熱唱した。
ライブ後半では、激安店の店頭に飾られた水槽に棲む魚の気持ちを歌った、某ミリオンヒット風「UTSUBO」を披露。スペシャルゲストとして鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)が登場し、芸能界で生き抜く苦悩を歌詞に乗せ歌った。
「腐り芸人」として存在感を示している岩井勇気(ハライチ)は、「やめちまえよ」でディスリまくる。うしろシティら芸人仲間や芸能人に毒づく岩井だったが、相方・澤部佑の制止を振り払って自身のジャスティス(正義)に目覚め、本来なりたい自分に変身!
......その姿とは、サンシャイン岩井!? ご本人さん"サンシャイン池崎"も登場し、コラボによるステージで会場を沸かせた。
後半では、「逃がさねぇからな」を披露。岩井が"学生ノリ"と揶揄する金田哲(はんにゃ)と「ズクダンズンブングンゲーム」で対決も。
AMEMIYAは、自身の性癖の変化を告白する「ニューハーフヘルス行きつきました」の続編を披露。客席に「スマホのライトを光らせてくれ!」と呼びかけ、SSAが無数の光で照らされると、高佐一慈(ザ・ギース)のハープ演奏も相まって、歌詞は下ネタながらも幻想的な空間を構築した。
続いては、さいたまスーパーアリーナのステージに立ちたいと切望していた小木。しかし、好感度への憧れを募らせる持ち歌「愛されたい」はベッキーとのデュエット曲。産休中のベッキーに代わる新パートナーは見つかったのか!?
新パートナーに期待し見守る中、ステージに登場したのはフジモンこと藤本敏史(FUJIWARA)。「チョリース!」と小木が連呼すれば、藤本も「タピオカミルクティー!」と咆哮するなど、悪ノリが止まらない。
バックステージに登場したのはバカリズム。10mの高さのリフターから観客を見下ろしながら、ありふれた自己顕示欲を持つ若者へ向けた毒っ気たっぷりの応援ソング「ありのままで」を。AVへの思い入れを歌詞に込めた「恋のパステルカラー」では、黄色い歓声を浴びながらトロッコで客席の中を移動。一方、ステージにはラッパーの呂布カルマが姿を現し、エロい歌詞をゴリゴリのラップで熱唱。ウソがつけないアイドルTruth(石原由希、永井すみれ、 TOMOKA)もダンスで会場を盛り上げた。
5年ぶりの「マジ歌ライブ」参戦となる大地洋輔(ダイノジ)は、炎の特効とポップアップでド派手に登場したEXIT(りんたろー。、兼近大樹)に歓声を持っていかれながらも、ラップで見事な掛け合いを。もちろん、大地には欠かせないマリエ、ヒロコという女性陣2人も駆け付け、美声と圧倒的な歌唱力で魅了した。
ライブに欠かせないマジ歌シンガーの一人、後藤輝基(フットボールアワー)は、期待以上のダサすぎるステージを! 「宇宙ドライバー」では、月面に星条旗を掲揚する演出で登場し、さっそくMC席から「ダサい」とツッコミが。「神をも恐れぬ最新科学」では、レインボーカラーに輝くギター"ルーシー"を掻き鳴らし「テクノロジーザス!」と熱唱し、「Wi-fi ファファイファーイ」「USBビービー」とダサいコール&レスポンスを要求。さらに、後藤のダサさを決定づけた名曲「ジェッタシー」のイントロが流れると、会場は歓喜の声。オールスタンディングの大盛りあがりとなった。
そして劇団ひとりは、まずは寅さんで登場。「そんな男になりたくて」で、"努力せずに尊敬されたい"という芸人としての(都合のいい)志を歌う。さらに終盤では、片岡鶴太郎に扮し「ヨガよ永遠に」、続けて松丸アナとのコラボによる新曲も披露。
なんと、松丸アナは山田邦子に扮し、多数のダンサーとともにインドのミュージカル映画風パフォーマンスで爆笑と喝采を浴びた。
アンコールでは、アシスタントを務めていた朝日奈央にサプライズが。バックステージに眉村ちあきが登場し、"小さな鬼"ことバカリズムと朝日との美しき師弟関係を歌った「朝日のように輝きたい」を熱唱。魂のこもった眉村の歌声と歌詞に、スポットライトの中で涙を両手で拭う朝日。......と、途中で日村が歌い始める。若手時代は同居していたほど仲のいい日村が、昨年末に結婚したバカリズムを祝う曲で、歌唱後には「ヒデ(バカリズム)、結婚おめでとう!」と改めて祝福。まさかのサプライズ重ねに驚いたバカリズムだが、笑みはこぼすも、涙はこぼれないという爆笑の結末を迎えた。
大役を終えた日村は、「震えが止まらなかった(笑)」とトップバッターとして登場した瞬間を振り返り、ラストナンバーとして全員で「さくら2020」を合唱。
「僕らが一番大事にしてきたのは、悪ふざけです。そんな僕らが今、さいたまスーパーアリーナで全力の悪ふざけをやっています。それはみんなここに来てくれたみなさんのおかげです!」という日村の感謝の言葉とともに、大盛りあがりのままフィナーレを迎えた。
他にも、物販ブースからの中継で歌う野呂佳代、DJ KOOによるDJプレイなど、見どころ、笑いどころが満載。
この様子は、3月14日(土)、3月21日(土)の2週に渡り「ゴッドタン」内でオンエア。またBlu-ray、DVDとして7月29日(水)に発売されることも決定。ただ今、予約受付中。詳しくは番組ホームページへ!
(取材・文/佐藤ろまん)