「周りから”すごい人”と言われる方たちに共通しているのは...」栗山千明にとっての恩師は?:サイレント・ヴォイス

公開: 更新: テレ東プラス

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"泣く子も黙る閻魔さま"こと楯岡絵麻が帰ってくる! BSテレ東で、2018年の10月クールに連ドラとして放送された人気ミステリー「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻」の続編が登場。3月7日(土)夜9時からは特別篇「悪魔の学問」、そして4月11日(土)からは土曜ドラマ9「Season2」(毎週土曜夜9時放送)がスタート。行動心理捜査官・絵麻(栗山千明)が、嘘をつく瞬間に0.2秒間だけ現れるその人固有の"マイクロジェスチャー"を読み取りながら手強い被疑者の"嘘"を暴き、事件を解決していきます。

新シリーズに先駆けてお届けする「特別篇」では、絵麻と、彼女の大学時代の恩師である行動心理学の第一人者・占部亮寛(石黒賢)の激しい心理戦が展開。ある殺人事件の関係者と思われる占部を相手に、絵麻がどんな取り調べを行うのか。行動心理学者同士の"師弟対決"が見ものです。

今回は、主人公・絵麻を演じる栗山千明さんにインタビュー。栗山さんご自身の"恩師"にまつわるエピソードなども語ってもらいました。

絵麻の過去を演じたことで少し意識が変わった

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──久しぶりに絵麻を演じた感想は?

「前作で、クランクイン前からプロデューサーや監督と話し合って"絵麻像"をある程度共有できていたので、撮影中もブレることがなく、むしろどんどん固まっていきました。だから、今回もスッと絵麻になれたような気がします」

──「特別篇」では、絵麻の過去が描かれていますね。

「絵麻のルーツが掘り下げられていくので、劇中では学生時代の彼女が出てくるんです。個人的に、刑事ではない絵麻を演じることができたことはよかったと思います。絵麻の過去を体験したことで、『特別篇』の後に撮影が始まった『Season2』では、私の中で絵麻に対する意識が少し変わったような気がします」

──過去の絵麻を演じことで何か新たな発見はありましたか?

「刑事になった現在の絵麻から逆算して過去の絵麻を演じたわけではないですが、結果的に自分の中でしっかりとつながりました。こういう過去があったから、今の絵麻はこんな感じなのかと腑に落ちましたし、役への理解が深まったと思います」

──今回は、絵麻の恩師である行動心理学者が被疑者として登場します。取り調べのシーンは、これまでとは違ったものになりそうですね。

「これまでは絵麻が"マイクロジェスチャー"を読み取りながら被疑者を追い詰めていきましたが、今回は逆のパターン。恩師は行動心理学者の第一人者ですから、絵麻が読まれる側になってしまう場面があるんです。演じながら、今までのゲストの方はこんな気持ちで撮影していたんだ、と思いました(笑)。不思議な感覚でしたね。行動心理学者同士の対決はお互いに行動を読めてしまうから、なかなかすごい展開になっています」

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──恩師を取り調べる絵麻の心境はいかがでしたか?

「恩師が罪を犯してしまったことに対しては、もしかしたら自分が食い止められたのかもしれないという後悔があるのではないでしょうか。自分を後押ししてくれた人だからこそ、切ないし辛い気持ちになる。これまでの事件とは重みが違う気がしました」

──恩師・占部を演じるのは石黒賢さん、お2人の激しいバトルも楽しみです。

「いつもの容疑者は、絵麻の取り調べに対して反発したり、露骨な敵対感を抱くから何としてでも嘘を暴いてみせるって思えるんです。でも、占部教授の場合はわざと偽のマイクロジェスチャーを出して真実を隠しているんです。嘘はついているけど、絵麻に食ってかかったりはしない。
絵麻にとっては自分を後押ししてくれたかけがえのない存在。刑事として詰め寄りたいけど詰め寄れないもどかしさもあったし、恩人とそんな風に向き合わなければいけないということが切なかったです。占部教授は悪いことをしていますが、どこか悪人になりきれないキャラクター。石黒さんのお芝居と相まって、演じていてとても辛かったです」

──緊迫したシーンを共に演じた、石黒さんの印象は?

「頼りがいがあって、とても腰が低い方という印象。かっこいい先輩です」

栗山千明にとっての人生の"恩師"とは

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──「特別篇」は恩師がキーパーソン。学生時代でもお仕事に関することでも、栗山さんご自身にとって"恩師"だと思う方はいらっしゃいますか?

「う~ん、難しいですねぇ。もちろん、いろんな方たちにお世話になっていますが、学生時代の記憶がほぼないんですよ。しかも、クエンティン・タランティーノ監督や深作欣二監督などお世話になった方々も、すごい人だということを知らないままお会いしているパターンが多くて(笑)。
ただ、周りから"すごい人"と言われる方たちに共通しているのは皆さん優しいということ。気配りというか、『そんなところまで?』と思うぐらい目が行き届いているんです。それがいかにもやってますという感じではなく、自然にできるところがすごい。私もそういう人になれるよう日々努力しています」

──今の栗山さんを形成する上で、自分の"芯"になるものや大切なことを教えてくれた人は?

「母ですかね。勉強のことで口うるさく言われた記憶はなく、それよりも人として大切なことを教わったような気がします。例えば"ちゃんと感謝をする""挨拶をする"といった当たり前のこと。これは、今でも心掛けています。
それから人間関係についても。私は友達が少ないですが、母は多いんです。私と同じぐらいの年齢の人から『あんなお母さんがいたらいいな』と、よく言われるんです。自分よりも若い世代からそんな風に好かれるってすごいですよね。私は人付き合いが下手なので、素直に母を尊敬しています」

──では、特別篇「悪魔の学問」を楽しみにされている視聴者にメッセージを。

「前作をご覧になっていない方も入りやすいドラマになっています。絵麻がどんなキャラクターなのか分かりやすく描かれていますし、ミステリーとしても面白い。絵麻と被疑者の心理戦も見ごたえがあります。この『特別篇』を見て、もし気に入っていただけたら『Season1』を、そして4月から始まる『Season2』も楽しんでもらえたらうれしいです」

(撮影/uufoy 取材・文/月山武桜)

【プロフィール】
栗山千明(くりやま・ちあき)
1984年10月10日生まれ。ティーン向け雑誌のモデルを経て、1999年から女優としても活動。映画「バトルロワイヤル」(2000年)出演をきっかけに、映画「キル・ビル vol.1」(2003年)でハリウッド進出。「ATARU」(TBS系)、「熱海の捜査官」「不機嫌な果実」「遺留捜査」シリーズ(テレビ朝日系)、「FINAL CUT」(フジテレビ系)、映画「無限の住人」(2017年)、「チワワちゃん」(2019年)、舞台「十二番目の天使」など、ドラマ、映画、舞台など幅広く活躍。映画「種まく旅人~華蓮(ハス)のかがやき~」が2020年初夏公開予定。

BSテレ東 開局20周年特別企画「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻 特別篇 悪魔の学問」は、3月7日(土)夜9時から放送。

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マルチ商法で荒稼ぎする男が殺された。事件の目撃者は皆、同じようにある男を犯人だと証言する。皆が同じように話す証言に疑問を持った楯岡絵麻(栗山千明)は、事件を洗い直し、関係者に大学時代の恩師・占部亮寛(石黒 賢)の名前を見つける。占部は、行動心理学の第一人者で、絵麻に行動心理学を教え理論と技術を叩き込んだ天才研究者。絵麻は、占部が目撃者の記憶を書き換え、でっち上げの証言をさせたと睨み、取り調べを行う。行動心理学を駆使し占部の心の中を読もうとする絵麻だが、行動心理学の全てを知り尽くした占部はマイクロジェスチャーや"なだめ行動"を読ませないよう策を講じ、絵麻と対峙。行動心理学という人間の心のひだや闇までを見抜く科学と技術がぶつかり合う!

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前シリーズ「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻」を、BSテレ東YouTubeにて3月7日(土)まで配信中! 特別篇放送前にチェック!

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