赤羽の福山雅治に会える店! 串揚げにはカレーの”アタマ”をたっぷりかけて:今夜はコの字で

公開: 更新: テレ東プラス

カウンターが"コの字"の店は、左右、斜め、人の顔が並び、上座も下座もないフラットな場。人と人が触れ合う"コの字酒場"を舞台にしたドラマ「今夜はコの字で」(毎週月曜深夜0時放送)が、BSテレ東にて放送中。

今回は、第8話に登場した、"飲んべえの聖地"赤羽の老舗酒場「まるよし」へ。休日出勤を昼過ぎに終えた吉岡としのり(浅香航大)が、コの字上級者の恵子先輩(中村ゆり)に薦められ、昼酒デビューを果たした赤羽屈指の名店だ。

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赤羽駅の東口を出るとすぐ黄色い看板が見える。
店舗の老朽化に伴い、2017年にリニューアルしたという店内は、老舗ながら清潔感ある佇まい。店には23席ある縦長のコの字カウンターと、テーブル席が4つ。

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こちらが三代目であり、自らも厨房に立つご主人・大場巳紀夫さん。

三代目の奥様の祖父である初代が、おでん屋、乾物屋などを経て、もつ焼き屋「まるよし」として創業したのは昭和28年のこと。古くから赤羽は印刷所など24時間体制で稼働している工場が多く、夜勤明けの人たちがふらっと立ち寄る場として、居酒屋は大盛況。もつ焼きが自慢で、少し前まではホウデン(豚の睾丸)刺しなどの希少部位もあったそう。

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朝から飲み始めた人たちが、店をハシゴし、ちょうど3~4軒目に寄るのが昼過ぎに開店する「まるよし」というのが定番の流れで、夜勤のある消防士や医療関係者の姿も多い。また、「ここ10年くらいで赤羽の客層が変わった」とのことで、若者や女性客、カップルが増えた、とご主人。

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14時のオープンとともに、あっという間にコの字カウンターは満席。昔なじみの常連さん、昼からひとり酒を楽しむ若い女性、赤羽の酒場めぐりに挑戦している男性連れなど、老若男女さまざまな顔ぶれが並ぶ。

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壁一面に貼られたメニューにテンションも上昇。200、300円前後のメニューが並ぶ。お通しはなし! というわかりやすさも、長きにわたり愛され続ける酒場の条件のひとつだ。

メニューには、ご主人の出身地である埼玉県・秩父のB級グルメ「味噌ポテト」や、秩父の銘酒「秩父錦」も。同郷の落語家・林家たい平さんはご主人の同級生で、たまにお店に顔を出すこともあるのだとか。

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まずは、吉岡も最初の一杯に選んだお店のオリジナル「まるよしサワー」(380円)を。さっぱりビターな味わいで、コクのある濃い目の「煮込み・小」(230円)との相性も最高。飲みやすくてあっという間にグラスは空に。

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こちらは「キャベ玉・小」(230円)。 "「まるよし」といえば「キャベ玉」""「キャベ玉」といえば「まるよし」"というほど、ほとんどのお客さんが注文するお店の看板メニュー。一人飲みにもうれしい小サイズがあるのもいい。ザグ切りされた生のキャベツと炒った玉子を塩コショウで味付け、隠し味に日本酒。キャベツのしんなり具合と薄めの味付けが優しく、こりゃお酒も進む!

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常連のご婦人3人組は、ご主人の奥様のフラダンス仲間。「ここのご主人は"赤羽の福山雅治"だから(笑)」と、練習後にはよく食後の"デザート気分"で立ち寄るそう。

「何を頼んでも美味しいのはもちろん、14時から開いてるから、明るいうちにサクッと一杯飲んで、お夕飯前に帰れるのは最高!」と、奥様方ならではの答えが。「まるよしに来る前にランチをしたのに、つい寄っちゃった(笑)」と、カフェや喫茶店代わりに「まるよし」に立ち寄るこの感じ、さすが赤羽のご婦人方!

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オススメを聞くと「キャベ玉は食べた?」「煮込みは食べた?」と、次から次へと声をかけてくださる。みなさんに薦められた「バイスサワー」(380円)と、やはり「まるよし」に来たからには「もつ焼き」(ハラミ・かしら/各90円)ト、ウインナー(70円)を注文。

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〆は、串カツなどのフライに「カレールー」(330円)をかける、まるよし流の楽しみ方に挑戦。

「昔はカレーライスもやってたんだけど、常連さんからの"ルーのみ"のリクエストが多くて、そしたらいつのまにかライスはなくなり、ルーのみが残った」とご主人。常連さんは「カレーのアタマ」と注文するそう。

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サクサクに揚がった「串カツ」(230円)、「玉ねぎフライ」(180円)などに、たっぷりのカレールーをかけていただく。分厚くホクホクな玉ねぎがさらにジューシーに。これは美味しい!

昭和に誕生し、平成、令和と3つの時代にわたり、赤羽の地で多くの人たちに愛される老舗酒場。「騒がしい日もあるし、静けさに包まれる日もある。お客さんたちがお店の雰囲気を作ってくれて、毎日、違ったドラマのような風景が繰り広げられている」と語るご主人の笑顔が印象的だった。

「お! ココがテレビに出るの!?」と、放送日を確認するお客さんたちの温かい声にも囲まれつつ、90分交代制という潔いお店のルールをしっかりと守り、活気あるお店を後にする。一期一会の触れ合いを楽しみ、「これぞコの字酒場の醍醐味だね」など語りながら、次なる酒場を目指すのであった。

(取材・文/水野春奈)

【取材協力】
まるよし
住所:東京都北区赤羽1-2-4
営業時間:月~土 14:00~22:00
定休日:日・祝
※店舗情報は2020年2月のものです。

結婚の祝いの席に、ワケありの男が現れ...

3月2日 (月)深夜0時から放送の「今夜はコの字で」第9話は!?

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コの九
松戸「酒処ひよし」
コの字での飲みニケーションのお陰か、すっかり山田(小園凌央)との関係がよくなり、プレゼン前に、山田オススメのパンケーキを食べながら打合せ中の吉岡(浅香航大)は、お店に恵子先輩(中村ゆり)の料理教室のチラシを見つけて写メを送る。うまくいかなかったプレゼンの帰りに恵子から電話をもらった吉岡は山田をほっぽり出して松戸のコの字に馳せ参じる。今ではコの字のない人生は考えられない吉岡だったが、果たして人生に不可欠なのはコの字だけなのか...? 恵子のことが気になる吉岡。

先に着いていた恵子は馴染みの大将(太田靖則)と和気あいあいとやっている。店の奥の座敷では、この店で出会い、結婚することになったカップルのお祝いが開かれていた。お祝い気分も味わえ、お酒も進む。そこへ訳ありな感じの若い男性が現れ......。

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