地方創生ビジネス最前線! ドラム缶で五右衛門風呂、巨大コーンがブランコに...工具や資材がビジネスにつながる!

公開: 更新: テレ東プラス

企業のトップなど、今、会いたい人をフィーチャー。MCの田村淳が鋭く斬りこみ、トークセッションから新たなビジネスの創造を目指す「田村淳のBUSINESS BASIC」(BSテレ東 毎週日曜よる11時)。東京オリンピック・パラリンピックの開催により盛り上がりを見せる一方で、少子高齢化や人口減少などの目的に直面している地方。都会と地方の格差は広がるばかりだ。しかし、「ピンチはチャンス」と変革を起こそうとする人たちもいる。今回の登壇企業は、「あすびと福島」「オイシックス・ラ・大地」「トラスコ中山」「SAP」の4社。2月16日(日)の放送では、「SAP」の活動を深掘りし、独自の物流システムで"日本の工具箱"を目指す「トラスコ中山」の巨大倉庫も見学。新しいビジネスのアイデアを考案した。

【SAP:宮田伸一さん】

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企業向けソフトウェアの開発を通して様々な企業とタッグを組み、地方が抱える課題解決を支援する「SAP」。

宮田「テクノロジーは本当に進んでいるので、今やどんなことでも出来てしまうわけですが、そこに目的がなければ意味がない。目的というのは、人の思いだったり、"これは絶対に解決したい"というパッションだったり...。その思いの熱さに徹底的に付き合っていくことが出来る人材が揃っているのが、『SAP』の強みです」

実際に「SAP」は、今回登場した2社をバックアップしている。「あすびと福島」には、ロボットプログラミングやデザインシンキングなど最新のビジネスアイデアを伝授。「トラスコ中山」においては、資材の提供や補充など、供給システム作りを支援している。その一方で「SAP」は、社会問題の解決にも目を向ける。

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日本各地で頻発する災害対策のため、大分大学とタッグを組んだ「SAP」。大分大学は、災害を避ける方法を構築するための機関「減災・復興デザイン教育研究センター」を設立。降雨・台風・地震などによる被災データを集め、そのデータの管理システムを「SAP」が開発。また、自治体や企業がバラバラに持っている過去の被災データを一元化して共有。自治体が正確な情報を出すことで、住民の被災回避行動を促すのだ。

宮田「それぞれに自分事で向き合っていただく。そうすることによって思いが形成され、共有される。そして解決に取り組む際の大事なパーツとして、テクノロジーが出てくる」
「SAP」は人々の思いを捉え、テクノロジーで解決。地方創生を始め社会問題の解決にも貢献している。

それぞれが地方に活力を生み出している4社。果たして、新ビジネスについてはどんなアイデアが飛び出すのか?

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「オイシックス・ラ・大地」の高橋が気になったのは、「トラスコ中山」が在庫を持つ2mの巨大なカラーコーン。

高橋大就「東北の漁師や農家を、トラスコの倉庫に連れて行きたいなと。実物を見ることで、これはアレに使えるとか、こういうのはないの?とか...」

「今まで見たことがない工具を見ることで、新しいアイデアが生まれるということですね」

「あすびと福島」の沖沢真理子も、「トラスコ中山」の工具に可能性を感じていた。

沖沢「地方は空き家が増えています。トラスコの工具を使ってリフォーム・リノベーションをすることにより、空き家問題の解決に結びつくかも」

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「空き家が100戸あればリノベーション大会が出来ますよね。トラスコの工具を使って、誰が一番頑張ったかという大会。1位に賞金を提示すれば、皆こぞって参加するかも。材料だけトラスコさんに提供してもらって(笑)」

改修できた空き家は移住者の受け皿となり、地方の人口減少の歯止めに繋がる。このアイデアに「SAP」も乗っかる。

宮田「トラスコが資材を納めている日本中の工場には、働いてお腹を空かせた人がいますよね。だったらMROストッカーに、『あすびと福島』のお弁当を置いてもらえないかなと思って...」

一同「あー!」

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「MROストッカー」とは、地方の工場や製造現場に置かれる保管棚を指す。データによってはじき出された工具・資材を常備薬のように準備しておき、使用した分だけ「トラスコ中山」に料金を支払うという画期的なシステム。宮田のアイデアは、この「MROストッカー」に、「あすびと福島」が作った福島の野菜おかず付きのお弁当を置いておくというもの。

「可能ですか?」

数見篤「MROストッカーは一つのプラットフォームだと思っています。ですから、その工場で必要なものを置けば、すごく喜ばれるのではないでしょうか」

収録では「トラスコ中山」の工具や資材を使うアイデアが続出。そして、「トラスコ中山」の工具を使って地方創生を考えるコラボプロジェクトが動き出した。

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今回のコラボに参加する、鶴友紀子さん。フリーランスで企業の広報をしている鶴さんは、地方企業からの依頼もあるため、地方活性化の意識が高い。トラスコの資材で、地方に人を呼ぶ仕掛けを作りたいと考えている。

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「オイシックス・ラ・大地」の契約農家・佐藤忠保さん。福島県の米農家の13代目で、「トラスコ中山」の工具を使い、農業の活性化を狙う。その他、地方活性のスペシャリストである「SAP」宮田、「オイシックス・ラ・大地」高橋、「トラスコ中山」数見が2人のサポートにあたる。

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一同は、ラグビー場6面分の面積を誇り、37万アイテムが揃う「トラスコ中山」の倉庫へ。まず鶴さんが気になったのは、2mの巨大コーンと様々な素材のロープ、そして動力を機械に伝えるファンベルト。さらに大きなドラム缶も発見! 通常、油や液体薬品を入れるドラム缶だが、鶴さんはドラム缶を使って五右衛門風呂を作りたいそう。

イノシシに農作物を荒らされて困っているという農家の佐藤さんは、工具を使って害獣防御が出来ないか考えていた。倉庫内を探した末、夜間に車の異常などを光で知らせるLEDの警告灯を発見。イノシシが嫌がる青い光を放つため、農作物を守ることが出来るかもしれない。

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日本一の工具箱「トラスコ中山」の倉庫を見学した一行は、工具・資材を利用し、地方活性に繋げるアイデア出しをすることに。

佐藤さんの考えは、害獣別に分けた対策商品のマッピング。

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佐藤「害獣は平場でなく、皆が農業をやりたがらない山の方に広まっている。害獣が入って来る場所では誰も農業が出来ない。そこを対策することで、耕作放棄地の解消・新規就農した人達でも使える土地を広げていける」

害獣駆除は、農地を増やすことによって農業者を増やし、地域の活性化にも結び付く。

鶴さんは、地方に創造型フィールドアスレチックを作るというアイデアを考案。

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「地方を活性化するには、人に来てもらわなければいけないと思っています。人が遊びに来てくれる場所をつくり、道具を使ってクリエイティブに遊ぶ楽しさを知ってもらいたい」

2mの巨大カラーコーンにロープを渡し、ブランコに。また、木を繋いだロープウェイは、ぶら下がりに頑丈なファンベルトを使用。「トラスコ中山」の工具を使って自由に遊びをクリエイト出来るスペースや、海の絶景を楽しむことが出来るドラム缶五右衛門風呂を設置するというアイデアも。盛り沢山のアクティビティが、地方に客を呼ぶという構想だ。

宮田「地方じゃないと出来ないことがある。東京以外にも面白いことがあるんだねと、都会の人が気付くきっかけが出来たら...」

工具や資材は、使い方1つでビジネスになる。全国の地方においても、活性化のヒントにつながるかも知れない。

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