バレンタインデー直前! “自己破産”から再起をかける父と娘の”チョコレート戦記”:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。2月11日(火)の放送では、バレンタインデーを間近に控え、活況を呈するチョコレート商戦をリポート。人生の再起をかける人々を追う。

親子で挑む"ビーン・トゥー・バー"

gaia_20200211_1.jpgもうすぐバレンタインデー。今年で18回目を迎えたチョコレートの祭典 「サロン・デュ ・ショコラ」の会場を訪れると、普段日本では買えないチョコレートを求める女性客で黒山の人だかり。カカオに含まれるポリフェノールなどの健康効果が注目され、中高年の間でも人気が高まるなど、今まさに空前の高級チョコレートブーム。そんな中、チョコレートで再起を狙う親子がいた。

3 (1).jpg福岡県飯塚市に店を構える「カカオ研究所」は、カカオ豆から板チョコレートになるまで一貫して製造を行う「ビーン・トゥー・バー」の店で、県外からも客が訪れる人気店。わずか2坪の小さな店を切り盛りするのは、母・中野富美子さんと娘・由香理さんの親子。店内は試食用のチョコレートを振舞う富美子さんの笑い声があふれ、悲壮感は微塵も感じられない。しかし笑顔の裏には壮絶な過去があった。

gaia_20200211_3.jpg「ここは、以前私が経営していた"さかえ屋"の本店です」。ご主人の中野利美さんが案内してくれた「さかえ屋」は、福岡を中心に 約30店舗を展開する地元では有名な菓子店。利美さんは創業者の長男で、2012年まで社長を務めていた。会社は福岡土産の定番「なんばん往来」のヒットにより、地元有数の菓子メーカーへと成長し、売り上げは90億円に上った。しかしその一方で、借金が40億円まで膨らみ、債務超過に。メインバンクから社長を退くよう迫られた利美さんは、社員を守るため、会社の株を無償で手放し自己破産を決断。自宅も競売にかけられてしまう。

gaia_20200211_4.jpg不運は続き、会社を追われた翌年に脳出血で倒れた利美さんは、リハビリに1年を費やす。どん底の家族に立ち直るきっかけをくれたのが、偶然東京で食べたチョコレートだった。「あの時変わったんですよ、気持ちが」。チョコレートの味に魅せられた利美さんは一念発起。約1年後には小さなトレーラーハウスでチョコレートの店をオープンさせる。

「カカオ研究所」の一押しはベトナム産のカカオを使ったチョコレート。ほのかな酸味と花のような香りが特長だという。ベトナムでこだわりのカカオを調達するため、利美さんは1年の大半をベトナムで過ごす。世界的に見ればまだ知名度の低いベトナム産にこだわるのにはある理由があった。実は、利美さんが東京で食べてその味に魅せられた運命のチョコレートが、ベトナムのカカオだった。3年前にベトナム南部のビンフォック省に「カカオ研究所」の実験農園を作り、現地のカカオ農家と一緒に豆の研究を続けているほか、友人から募った資金でベトナムにチョコレート工場を作り、豆からチョコレートにしている。

gaia_20200211_7.jpgだが、そこには厳しい現実が待ち受けていた。ベトナムでの費用や投資が影響し、福岡の「カカオ研究所」は赤字状態が続いていたのだ。父を支える決意をした娘の由香理さんは単身メキシコへ。そこには赤字を解消する一発逆転の秘策があった。

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チョコレートが老舗和菓子店を救う

江戸時代から城下町として栄えた兵庫県たつの市。醤油の産地としても知られるこの地で、創業約360年の和菓子店「大三萬年堂」を営むのは、12代目の安原和夫さん。看板商品の「醤油まんじゅう」にも使用する、こだわりのあんこの味を守り続けてきたが、近年は売り上げが激減。6人いた従業員も今はパート1人だけに。安原さんは「僕の代で終わりかな」と店の行く末を考えていた。

gaia_20200211_9.jpg一方、次女の伶香さんは「大三萬年堂」の危機を感じ、若い顧客をターゲットにする必要性を感じていた。伶香さんは去年6月、東京に大三萬年堂の新ブランドとなるカフェをオープン。大学卒業後に入社した「ソフトバンク」を4年で退社し、自らスポンサーを探して店を開いたのだ。

gaia_20200211_8.jpgカフェで使用するのは、父・和夫さんが作った自慢のあんこ。発酵バターをのせ、米粉のパンで挟んだ「どらぱん」や、抹茶パウダーをかけた豆乳クリームの中に、あんこがたっぷり入った「大三ぱふぇ」など、伝統のあんこを現代風にアレンジして評判を呼び、店の売り上げは本店の5倍に。しかし、伶香さんの狙いはあくまで「大三萬年堂」の再生と存続。本店に昔のような活気を呼び戻すため、さらなる仕掛けを考えていた。

gaia_20200211_10.jpg伶香さんが目を付けたのはベルギー産のチョコレート。父のあんことチョコレートを組みわせて、新しい商品を作ろうと考えたのだ。360年の歴史の中で、チョコレートを使った和菓子はもちろん初。深夜の作業場で試行錯誤を続ける伶香さんは、店を救う看板商品を作ることができるのか。

gaia_202200211_15.jpg煌びやかなチョコレートの世界に飛び込み、人生のどん底から這い上がろうと奮闘する人々...その姿を追った「ガイアの夜明け」は今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!

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