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近年、日本酒を温めて飲む「熱燗」を提供する店が増えている。これはきっと、日本酒には温度を上げることで生まれる様々な魅力とメリットがあるからだろう。そこで「熱燗の魔術師」の異名で知られる、池尻大橋『えんじゃく、』の髙木晋吾さんに、熱燗ならではのおすすめポイントを聞いてみた。

冷めていく過程にも燗酒の醍醐味がある

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日本酒の原料は米である。そのため、米が炊かれることでふっくら美味しくなるように、日本酒もまた、温度を上げることでふくよかな味わいが生まれる。これこそが熱燗の醍醐味だ。

しかし、ただ加熱してぐいぐい飲めばいいわけではない。『えんじゃく、』店主の髙木晋吾さんは、いい燗酒の条件を次のように語る。

「いい燗酒の条件の1つは、温めた状態から温度が下がってもなお美味しい、"燗冷まし"の状態でも楽しめるものだと思います。そのためうちでは、燗したお酒を平盃(ひらはい)でご提供することが多いです。一般的なお猪口よりも量が多く注げるので、冷めていくプロセスが味わいやすいですから」

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髙木さんは常日頃から、「日本酒は温度まで合わせて楽しめる世界で唯一のお酒」と語り、優れたお燗番(熱燗をつける人)として各種イベントに引っ張りだこの存在。

髙木さんによれば、空気にふれる面が大きい平盃では温度の低下が早く、2分でおよそ10度下がるという。つまりはそれだけ温度による味の違いを発見しやすく、熱燗ならではの楽しみ方が堪能できるわけだ。

「ただし、お酒はあくまで嗜好品ですから、好きな味や好きな温度は人それぞれでいいと思います。平盃の中で少しずつ変わっていく味を楽しみながら、自分にとって一番美味しい温度帯を見つけるのも、燗酒の醍醐味といえるでしょう」

お酒を燗することで生まれるメリットとは?

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また、日本酒は燗することで、冷酒にはない様々なメリットが生まれると髙木さんは語る。

「単純に、香りがよく引き立つようになったり、加熱することでアルコールの角が取れて飲みやすくなったり、といったメリットがまずあります。しかしそれ以上に、人間の舌は温かいものほど甘く感じる性質があるため、米が持つ本来の甘みをより感じやすいことが大きな魅力だと思います」

ぬるくなったコーラが甘ったるく感じるのも、こうした人間の舌の特性によるもの。キリッと冷えたお酒のシャープな口当たりもいいが、原料由来の甘みを最大限に楽しむには、やはり熱燗がおすすめなのだ。

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「また、冷たいものは体内で温まるまで吸収が始まらないため、そのぶん抜けるのに時間がかかります。その点、燗酒は飲んだ瞬間から吸収が始まりますから、抜けるのが早くて翌日に残りにくい。悪酔いせずに済むというのは、お酒好きな人にとって最高のメリットではないでしょうか」

冷たいお酒の場合、速いピッチで飲んでしまうと、吸収が始まる頃に一気に酔いがまわることがある。これが「親の小言と冷酒はあとから効く」と言われる所以だ。

「そもそもアルコールは体を冷やす作用があるものです。とくに冷え性に悩んでいる方には燗酒がおすすめですよ」

米の甘みを存分に体感できて、二日酔いしにくい熱燗は、まさにいいことずくめのスタイル。また、飲み慣れた銘柄を燗して味わってみることで、いつもと違った魅力を見つけることもあるだろう。寒さが堪える冬の時期こそ、ぜひ試してみてほしい。

【取材協力】
「えんじゃく、」
住所:東京都世田谷区池尻3-19-3 ベルエア2F
TEL:050-3469-7802
営業時間:月~土18:00~24:00、日・祝日16:00~24:00
定休日:不定休

※この記事内の店舗情報は、2020年1月時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。

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