「くぁwせdrftgyふじこlp」も完璧! ドラマ「ゆるキャン△」Pが語る驚異の原作再現度

公開: 更新: テレ東プラス

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1月9日からテレビ東京で放送がスタートしたドラマ「ゆるキャン△」(毎週木曜深夜1:00~)。キャストの演技から細かい小道具まで原作コミックを見事に実写化し「再現度が高すぎる」「神ドラマ始まったな」と称賛の声が相次いでいる。

原作ファンもうならせた驚異の原作再現はいかにして生まれたのか。テレ東プラスはテレビ東京の藤野慎也プロデューサーに話を聞いた。

驚異の原作再現度はスタッフ一人ひとりの頑張り

――ドラマ「ゆるキャン△」ですが、コミック、アニメファンの間で原作の再現度がおそろしく高いと話題になっています。

もともと大人気コミックでアニメもヒットしている作品。クランクイン前からスタッフ全員すごいプレッシャーではあったんですけど、実写化なりのオリジナル表現にも挑戦しつつ、可能な限り原作コミックを忠実に再現したいなと思っていました。

このドラマの制作にあたって、まず行ったことが原作でモデルとなったキャンプ場での撮影許可を取ることです。モデルになっている場所を抑えないと話が始まらないし、違うキャンプ場はあり得ないなと思ってました。「富士の国やまなしフィルム・コミッション」の武川清志朗さんにご尽力いただいて、原作のモデルとなったキャンプ場7か所すべてから撮影許可をいただくことができました。

20200130_yurucan_03.jpg▲第2話の撮影に使われたキャンプ場「ふもとっぱら」。美しい富士山を見ながらキャンプができる。

――劇中に登場する本やツナ缶など小道具の一つひとつが原作に忠実なことも話題です。

それぞれのスタッフが丁寧に仕事をしてくれた結果だと思います。特に2話で登場した野クルの部室を見たときは感動しました。

"うなぎの寝床"というくらい狭い場所で、女の子2人が並ぶと手がぶつかる距離はどのくらいか、スタッフがちゃんと測った上で制作していました。セット自体も旧下部中学(原作の本栖高校のモデル)の一室に組んでいます。

20200130_yurucan_02.jpg▲原作コミックにも登場する超古代文明Xの謎』を読むリン(福原遥

――「このこだわり、すごいな」と思ったのは1話に登場するなでしこの姉・桜の乗った車のナンバーが原作と同じことです。SNS上でも「そこまでこだわるのか」と驚きの声が上がっていました。

実はあの車は「ゆるキャン△」のファンの方が所有している車をお借りしたんです。だからナンバーも一緒だし、色もカスタマイズも全部原作コミックと一緒なんです。劇中に使用する車を探している中で、ファンの方が所有していることを知り、ご相談しお借りすることができました。本当に感謝しております。

「くぁwせdrftgyふじこlp」は福原さんのオリジナル発音

20200130_yurucan_01.jpg▲ファンならおなじみの「くぁwせdrftgyふじこlp」。もともとはネットスラング

――2話でリン役の福原遥さんが「くぁwせdrftgyふじこlp」と声をだしたときにはTwitterトレンド入りもするなど話題となりました。アニメ版の東山奈央さんともまた違う発音でしたが、指導などは行ったのでしょうか?

福原遥さんオリジナルで、監督の指示もなかったと思います。初めの本読みの時に福原さんがさらっと発音してくれた時は、おお!と感動しました。簡単に発音されたようにその時は思いましたが、裏では、福原さんは事前にアニメ版を見てすごく研究されていたと聞き、地道な役作りの結果生まれた発音なんだなと、それ以来感慨深く聞いておりました。

――役者さんで言えば、田辺桃子さんが演じる大垣千明の再現度が高いと話題になっています。

僕も最初に顔合わせした時とは別人じゃないかなと思ったくらいの変身でした。見た目だけでなく、田辺さんはご自身のインスタにも書いてますが、初めに原作コミックを読んだイメージを崩したくないとアニメ版はあえて見なかった。コミックだけを読んで自分の中でイメージを膨らませて演じた大垣が、すごくアニメのキャラクターと似ていると、一緒だと反響があって驚かれたそうです。

20200130_yurucan_05.jpg▲ファンから再現度が高いと絶賛されている田辺桃子が演じる大垣千明

――各務原なでしこ役の大原優乃さんは、声のかわいさもあり、アニメ版のファンからの評価も高いですね。

大原さんはオーディションで決めました。僕の中で圧倒的になでしこだったんです。なかなかあの天真爛漫なキャラを演じるのって、いろんな女優さんを見ましたが、そこをブレイクスルーしてあそこまで演じきれる子はなかなかいない。

福原さんと大原さんがプライベートでも仲が良いことは全然知らなくて。結果として仲良くてよかったなと思っています。

20200130_yurucan_06.jpg▲なでしこ役がぴったりはまっている大原優乃

――再現度の話をこれまでしましたが、ドラマ版ならではの魅力と言えば、登場する美しい景色です。アニメファンから「すごい作画だ」と冗談も飛びました(笑)。

僕もこの作品で初めて山梨に行きましたが、本栖湖など、本当にこんなに素晴らしい自然ってあるんだなと感動しました。日本の宝だなと思っています。

天候に大きく左右される撮影になると覚悟していたんですが、結果的に天候にはすごく恵まれました。今後の話で登場しますが、高ボッチ山の山頂から見える諏訪湖と富士山がすごく綺麗に撮れているので注目して欲しいですし、長野のこまくさの湯にリンが入りながら見ている雪化粧の南アルプスもバッチリ撮れています。映像美にもぜひ注目してください。

ファミレスで見た第1話の感想に安堵

――現在は原作ファンにも受け入れられているドラマ「ゆるキャン△」ですが、昨年11月にドラマ化が発表された際には反発もかなりありました。

正直「うわー、ここまで言われるんだ」と、へこみました...。ただ、こういったファンの皆さんの声があったからこそ、皆さんの大切な作品に泥を塗るようなことがあってはならないと、改めて心に誓い制作することができました。

20200130_yurucan_07.jpg▲作品への評価は第1話放送後にがらっと変わった

――事前の評価が、第1話の放送後にガラッと変わりましたね。初回放送のときはどんな思いだったんですか。

第1話放送当日はLINELIVEで柏におりまして、放送の時間までに帰宅できなかったので、オンエアを見れていないんです。ただ、視聴者の皆さんの反応がすごく気になったので、家に帰る途中でファミレスによって、Twitterで反応を追っていました。再現度が高いと喜んでもらっている意見が比較的多かったので、正直ホッとしました。

――今後ドラマで「ここに注目してほしい」というポイントはありますか。

景色はもちろんご飯にも注目してほしいですね。1話では予想以上にカレー麺に反応してもらいました。今後もアウトドア飯がたくさん登場するので注目してください。あとはドラマのオリジナルの部分ですね。今後はアドリブなども多少入れているので、実写ならではの役者たちの会話劇にもぜひ注目してほしいです。

原作ファン、アニメファンの皆さんには引き続きドラマを是非ご覧いただき、忌憚のないご意見をいただければありがたいです。僕も可能な限りみなさんのご意見を見て、今後の映像制作に生かしていきたいと思っております。

そして、許しいただけるようなら、実写のゆるキャン△の世界を描き続けたいと思っております。なぜなら、僕自身が5人の姿をもっと見ていたいからです(笑)。よろしくお願いいたします!

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