串300円から! 安くて旨い”うなぎ”を食べるなら、自由が丘「ほさかや」:今夜はコの字で

公開: 更新: テレ東プラス

カウンターが"コの字"の店は、左右、斜め、人の顔が並び、お客もお店の人も、みんなフラットに話せて、いろんな出会いがある。そんな"コの字酒場"を舞台にしたドラマ「今夜はコの字で」(毎週月曜深夜0時放送)が、BSテレ東にて放送中。

今回は、第4話で、吉岡としのり(浅香航大)が後輩の尻拭いで訪れた自由が丘で見つけたコの字酒場「ほさかや」を訪問。コの字上級者の恵子先輩(中村ゆり)も「よく見つけたわね」という通な店です。

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東京の住みたい街ランキングで常に上位にランクイン、セレブ感漂うイメージの自由が丘に大衆的な"コの字酒場"があるのか、って? あるんです! 自由が丘駅の北口から徒歩1分弱、路地を一本入ると、タレの香ばしく甘~い匂いが。その正体が、開店から約70年、地元の人々に愛されてきたうなぎ専門店「ほさかや」です。

うなぎを串で気軽に食べられる人気店だけあって、午後4時30分、夕方の開店と同時にお店を訪れると、すでに8割の席が埋まる盛況ぶり。うなぎの寝床のように奥行のある店内には18名ほどが座れるコの字のカウンターのみとシンプル。

「ほさかや」は、終戦後間もない昭和25年、酒屋の丁稚奉公をしていた初代の大将が、「高級食材のうなぎを、庶民でも食べられるように」と、この地・自由が丘に、リーズナブルな価格でうなぎを提供する店をオープン。昭和45年、2代目の大将の時に、現在の駅北口の商店街に移転したそう。

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こちらが昭和51年に店を継いだ3代目の大将・松尾勇司さん。初代・2代目と血縁関係はなく、店にうなぎの卸業者として出入りし、忙しい時に手伝っているうちに、3代目を継ぐことになったそう。

新潟出身の大将は、学校卒業後、うなぎ卸業者に就職するため上京。当時、新潟ではあまりうなぎを食べなかったため、初めてうなぎを見た時は「にょろにょろしている、これはなんだ?とビックリしましたよ(笑)」と、楽しそうに話してくれました。現在もうなぎの卸業を兼ねているため、美味しいうなぎを安く仕入れることができるんです。

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近年、うなぎが高騰する中、このお値段で食べられるのはうれしい!
夜は、うなぎの串焼き「蒲焼」「からくり」「きも」「ひれ」「かしら」「塩焼」の6種類、ランチ(午前11時30分~午後2時ごろ/無くなり次第終了)は、「うな丼」「うな重」と、串焼きの一部対応可能。定員20名弱の店内ながら、ランチ時には約60~70人、夜は約80人が訪れ、1日に出る串焼きは400本超とのこと。

大将にオススメをうかがうと、「初めてなら『ひととおり』がいいね。頭からしっぽまで"うなぎのフルコース"」とのことで、こちらを注文。

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「ひととおり」は、写真左より「ひれ」「きも」「からくり」「かしら」の4本セット(1300円)。

「かしら」は、圧力鍋で1時間ほど蒸してから焼くそうで、骨まで柔らか。山椒をたっぷり振って食べるのオススメ。「ひれ」はねっとりと、とろけるような食感。臭みのない「きも」は、苦みがクセなる。

そして、劇中で恵子も「ここの店にきたら絶対食べないと!」と言っていた「からくり」。恵子に倣って七味をかけていただくと......脂がのっていて、これはお酒が進む!

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「からくり」とは、うなぎをさばいて出た切れ端を串に巻きつけて焼いたもの。元々は倶利伽羅不動明王が右手に持っている龍が巻きついた倶利伽羅剣に形が似ていることから「くりから焼」、そこから転じて「からくり」と呼ばれるようになったと言われています。

この店では、昭和25年の創業当時からの人気メニュー。大将によると、今では切れ端を使用していますが、当時は「蒲焼にできないくらいの小さいうなぎ『みぞっこ』を食べるため、串に刺して焼いていた」とのこと。

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そしてもうひとつ、恵子もオススメしていた「塩焼き」(1串400円)も注文。身がほくほく。タレとは違ったあっさり塩味、ワサビをつけていただきます。

うなぎのフルコースを堪能したところで、向かいの席の常連さんから「うなぎみそ焼きは食べた?」との声が。せっかくなので、こちらも注文!

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「みそ焼き」(1串400円)は、塩のさっぱりとも、タレのこってりとも一味違う、味噌の風味香る上品な味。こちらは半年前から登場した新メニューだそう。

美味しさに感動し、さらなるオススメをうかがうと、「たんざく!」と即答しつつ「あっ、これメニューに載っていないやつだ」と慌て顔の常連さん。「たんざく」とは、こちらは塩焼きにタレをつけて焼いた裏メニューだそう。この店には20年間通い続けているそうで、「焼酎は『半分』と言えば、半分の量にしてくれるよ。飲みすぎないよう気遣ってくれる」と、こっそり教えてくれました。

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焼酎(400円)は、コの字酒場には欠かせないキンミヤ。お湯割り、水割り、各種割りモノあり。氷の入ったジョッキ+焼酎の入ったグラス+割りモノ(ウーロン茶、緑茶、レモン:各150円)のセットで出てきて、自分で濃さを調整できるのもうれしい。

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ホワイトボードには、串焼き以外のメニューも。「鰻レバー酒蒸し」(300円)は、クセがなくまったりとした食感のレバーを、モミジおろしで。うなぎとキュウリの酢の物「うざく」(400円)には、小さなう巻きも入ってお得。シメには「ミニうな丼」が人気とのこと。

ますますお酒が進む中、隣の席に一人でふらっと訪れた男性の常連さんが。「いつもの」の声で、肝焼き2本と生ビールを注文。「別の店での新年会の前に、ちょっとだけ顔を出した」という男性は、新たにやってきた顔見知りの常連さんと軽く乾杯して店をあとに。滞在時間わずか15分。ふらっと寄って、ちらっと飲んで、さらっと帰れる。これもこのお店の魅力です。

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入れ替わりでやってきた隣の席の常連さんたち。店で顔を合わせるうちに飲み友達になったそう。お2人のオススメを聞いたところ、「大将、言ってもいい?」と許可を得て教えてくれたのが、こちらもメニューにない「うす塩」。白焼きに塩をパラパラっと振ったもので、「うなぎの甘味が増して美味しいよ」と。

この店の魅力についてうかがうと、「飲んでいる人をボヤっと見られて、ひとりで来ても楽しい。カウンターの中で働いている店員さんとか他のお客さんとか、"人"を見ながら飲めるんだよね」と。なんとも含蓄のあるお言葉。

美味しいうなぎとお酒に、大将や常連さんとの話もはずみ、ついつい長居。その間、お客さんは入れ代わり立ち代わり常に満席状態でした。月曜日は比較的空いているとのことなので、狙い目。逆に、土用の丑の日は1日中行列ができているそう。

「高級食材のうなぎを安く提供したい」
そんな初代の想いを受け継いだ3代目がいる「ほさかや」。財布の中身を気にせず、旨いうなぎと旨い酒で、ちょっと一杯。心も満たされる店です。

【取材協力】
「ほさかや」
住所: 東京都自由が丘1-11-5
営業時間:平日11:30~14:00(ランチ)、
16:30~21:00
土・祝日16:00~20:00
定休日:日曜日、第二月曜日
※店舗情報は2020年1月のものです。

(取材・文/船桂子)

隣のただならぬ雰囲気を漂わせたカップルの会話に......

2月3日 (月)深夜0時から放送の「今夜はコの字で」第5話は!?

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コの五
町田「酒蔵初孫」
ホテルの宣伝提案のコンペを企画中の吉岡(浅香航大)と山田(小園凌央)は、社長の角倉(堀部圭亮)からタクシーのアドケースの宣伝展開を盛り込むよう言われ、タクシー会社に直取引の交渉に行くが玉砕する。飲みながら打合せしようと言う吉岡に山田は「それって仕事っすか?」といつもの台詞を言って帰ってしまう。
コの字にすがりたい吉岡だったが、恵子(中村ゆり)に連絡するのがはばかられ、逡巡していると、同じようにリセットしたい気分の恵子から着信があって町田のコの字で待ち合わせることに。先に着いた吉岡はビールにきぬかつぎを合わせて至福のひと時に浸る。ところが隣のただならぬ雰囲気を漂わせたカップルの会話が漏れ聞こえてきて......。

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