2020年は連休続き! どこがお出かけ日和か、気象予報士に聞いてみた

公開: 更新: テレ東プラス

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2020年はオリンピック開会式が行われる7月24日(金)が、「スポーツの日」という祝日に。これによって、4日以上の連休が全部で5回やってきます!

・5月2日~6日(5日間)
・7月23日~26日(4日間)
・8月13日~16日(4日間)
・9月19日~22日(4日間)
・12月26日~1月4日(10日間)

いつどこに遊びに行くか、早くも楽しみですが、2019年は週末になると、決まって雨が降っていた印象が......。5つある連休のうち、どこがお出かけ日和になりそうか、今回は日本気象協会 気象予報士の真木伸之さんに話を伺いました。

tenki_20200127_01.jpg▲日本気象協会 気象予報士の真木伸之さん

5つある連休のうち、一番晴れが続くのは......

──まだ先のことなので統計的な話になるかと思いますが、5つある連休のうち一番晴れが続きそうなのはどこでしょうか?

「5月のゴールデンウィークですね。過去30年の統計を見ても、全国的に晴天率が高い傾向にあります。それも、どちらかというと西日本が晴れになる傾向にあるようです。ただ、沖縄は平年で5月9日に梅雨入りするので、その前に梅雨のはしりとなる雨が降る場合があります」(真木さん)

──冬から春への季節の変わり目もひと段落して、天候が落ち着くのですね。

「比較的に穏やかな天気が続く時期かなと思います。北海道なども晴れ間が多いようですが、まだまだ朝晩が冷え込むので、お出かけするなら南の方がいいかもしれません」(真木さん)

──2020年は7月にも連休があります。オリンピックの開催期間にも重なりますが、天候はどうでしょうか?

「お出かけするなら、北海道がオススメです。『札幌ジューン』という言葉があるように、気候的に北海道旅行は6月がベストシーズンなのですが、7月も比較的に穏やかな天気が続く傾向にあります。ただ、太平洋側には湿った空気が入ってくるので、日本海側の方が良いかもしれません」(真木さん)

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──釧路湿原や摩周湖、トマムなど、北海道には霧や雲海が有名な行楽地もありますが、その点でもオススメの時期といえそうでしょうか。

「そうですね、初夏は霧が出やすいので、それを観に行くにはいい季節かもしれません」(真木さん)

──8月の夏休みはどうでしょうか?

「やはり猛暑が続きますので、お出かけをするなら避暑地ということになるのではないでしょうか。7月から8月は全国的に見て、地域ごとの天気の出現率に大きな差はありません」(真木さん)

──夏というと台風が発生しはじめる時期でもありますが。

「台風のピークは、むしろ9月ですね。特に、沖縄は台風の通り道になっているので、飛行機が飛ばなくなる恐れがあります。全国的に見ても、台風の発生を考えれば、あまりお出かけに向いているとは言えないかもしれません」(真木さん)

──ハイシーズンをずらして、沖縄に行きたいところですが、天候的には最悪だと。沖縄はゴールデンウィークも雨の恐れがあるとのことでしたが、いつ行くのがベストなのでしょうか?

「マリンレジャーを楽しむなら7月でも良いかもしれませんが、ハイシーズンなので飛行機代などは高くなりますよね。島を巡るには、暑さが最も厳しい時期です」(真木さん)

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──冬の寒さを逃れて、沖縄旅行というのはどうでしょうか?

「冬型の気圧配置のときには、東シナ海に大陸から寒気が下りてきて、日本海側と同じように筋雲ができます。この筋雲が雪や雨を降らすのですが、これが沖縄にも流れてくるんですよね。なので、冬の沖縄は雨や曇りの日が多いんです」(真木さん)

──全国的に見て、年末年始の天気はどうなのでしょうか?

「西高東低の気圧配置になるので、太平洋側の晴天率が70~80%と高くなります。ただ、寒いので、どこにお出かけするかが悩ましいですね。お金があるなら、南半球で過ごされるのもアリではないでしょうか」(真木さん)

ゲリラ豪雨を避けるために、気を付けるべきキーワードは......

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──近年では異常気象という言葉が、たびたび使われるようになりました。夏のお出かけではゲリラ豪雨が気になるところです。

「ゲリラ豪雨は正式な気象用語ではないのですが、一言でいうと正確な予測が困難な大雨のことです。では、なぜ、ゲリラ豪雨が増えるかというと、これは地球の温暖化と関係があるとも言われています。一般に気温が上がるほど、空気中に存在できる水蒸気の量は増えます。これを飽和水蒸気量といい、10度だと9.39g、20度だと17.2gと、ほぼ倍々で増えていくんです。水蒸気の主な供給源は海なのですが、ここで注目したいのは、大気中に含まれる水蒸気量と降水量には一定のバランスがあることです」(真木さん)

──つまり気温が上がるほど、雨の量は増えると。どのようなときにゲリラ豪雨になるのでしょうか?

「地上の気温が上がり、上空との温度差が生まれると、大気の状況が不安定になります。このとき上空でゲリラ豪雨の素になる雷雲が発生するわけです。よくテレビなどでキャスターが『大気の状況が不安定になっています』と話していますが、これが一つのキーワードになるかと思います」(真木さん)

──晴天下で地上の気温が上がるのが原因となると、時期的にはやはり真夏が多いのでしょうか?

「夏もそうですが、梅雨前線や秋雨前線が本州付近に停滞している気圧配置の時にも注意が必要です。『前線に向かって湿った空気が流れ込む』などと、キャスターの方が説明していますが、雨雲が発生しやすくなりますので」(真木さん)

──山の天気は崩れやすいと言いますが、このような場合には、やはり山の雨は増えるのでしょうか?

「山の斜面では、強制的に上昇気流が起こることで、雨雲ができやすくなります。空気がより多くの水蒸気を含んでいれば、降る雨の量も多くなります」(真木さん)

明治時代は猛暑日が存在しなかった?

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「東京都心の気象観測記録は、明治の初期から約140年分残されています。以前に調べたことがあるのですが、明治時代には猛暑日がおよそ20年間ない時期もあったようですよ」(真木さん)

──それは、やはり温暖化によって、近年では猛暑日が増えているということでしょうか。

「温暖化もそうですが、ヒートアイランド現象も大きな原因といえるでしょう。車やエアコンの排熱によって、都市部は気温が高くなりやすくなっています。猛暑日が増えているのはそのためですね」(真木さん)

どうやら、真木さんの話によると、人混みが予想されるとはいえ、お出かけに向いているのは5月のゴールデンウィークといえそうです。また、猛暑ではあるものの7月から8月は、冬日ではあるものの年末年始の太平洋側は、晴れになる傾向にあります。

ただ、夏場はゲリラ豪雨や台風の警戒が必要です。予約の変更ができないLCCの利用は避けて、柔軟に予定を変更できるドライブ旅行などを計画した方が良いかもしれませんね。

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