コンビニおでんにタピオカ過剰在庫...食品ロスと闘う企業の新たな挑戦:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。1月14日(火)の放送では、食品廃棄ゼロを目指す企業を特集。食品ロス削減の先頭を走る人々の姿を追う。

消費者庁の調べによると、日本で「まだ食べられるのに棄てられる食品」の量は年間600万トン以上。居酒屋チェーン「和民」大鳥居店(東京・大田区)は、大田区が飲食店に呼びかけた「3010運動(宴会の最初の30分と終わりの10分は食事を楽しむことを奨励する)」を取り入れ、食品ロス削減に一役買っている。

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また、大手コンビニチェーン「ファミリーマート」では、一部の店舗でおでんの新しい売り方を開始。鍋いっぱいに具材を敷きつめるこれまでの販売方法から、注文を受けてから、パック入りの具材を容器に移して、レンジで加熱して提供するシステムへと変更し、廃棄食材を減らす試みを始めた。

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3000袋! 重さ9トンのタピオカの行方

"訳あり商品"をマッチングする企業もある。総合卸売事業を営む「アイムライズ」(東京・北区)は、「賞味期限が残り短い」「パッケージの破損」など、訳あり品を食品メーカーや食品輸入業者から買い取り、スーパーや総菜店に卸している。

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主な業務は食品や化粧品の卸。5年前から訳あり商品も扱うようになった。「在庫が余って破棄しなくてはならないという話を聞きメーカーが困っていたので、なんとかうちの販路を活用して販売できないかと始めた」。佐藤亮一社長(57)は話す。

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去年12月下旬、佐藤社長たちが向かったのは、取引先である通信販売会社「ティー・エム・シー」(東京・荒川区)。実は、社員の中国人女性・王尼(ワン・ニー)さんが仕入れたタピオカを売ってほしいとの相談を受ける。知り合いに「儲かる」と誘われ、王さんが個人で輸入した数は3000袋、重さにして約9トンもある。

「ティー・エム・シー」でも売り先を探したが、市場では商品がダブつき、なかなか売り先が見つからない。投資額は知り合いと合わせて約700万円。少しでも損を減らしたい...。涙を流して訴える王さんに、佐藤さんは全力で販売先を探すことを約束する。

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年明け1月6日。「アイムライズ」新年の初仕事は、社員総出でタピオカの営業。王さんの仕入れ値2300円に送料・手数料を合わせ、1袋あたり2943円と設定。だが、総額約900万円の交渉は「在庫がある」「すでに仕入先がある」などの理由から難航する。約9トンのタピオカの行方は──。

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廃棄野菜を使ったジェラートの開発に挑戦

シェフや料理研究家が結成し、食の啓発活動などをする一般社団法人「シェフード」も、食品ロス対策に力を入れている。自身の店「美虎」(東京・渋谷区)で腕を振るう中国料理シェフ・五十嵐美幸さんもそのひとり。芯や茎が固い部分などを無駄にせず、食材を余すことなく使った新メニューの開発に余念がない。

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そんな五十嵐シェフに相談が持ちかけられる。JR大宮駅の駅ナカにある「ハスキージェラート」(さいたま市)が、ある野菜の有効活用法を模索しているというのだ。去年12月下旬、「ハスキージェラート魚沼製造所」(新潟・魚沼市)を訪れた五十嵐シェフに製造部長が渡したのは、甘みが強くクリーミーな舌触りで知られるサツマイモの品種「紅はるか」。問題なさそうに見えるが、色や形が少し悪いため出荷できなかったという。

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このように、形や色が規格に合わないなどの理由で、生産地や市場で廃棄されてしまう未利用野菜は少なくない。「棄てられてしまう紅はるかを使ってジェラートを作れないか...」その依頼を実現するため、五十嵐シェフは魚沼市で盛んに作られるある人気食品と紅はるかを合わせたジェラートを開発する。

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去年10月に「食品ロス削減推進法」が施行され、国を挙げて食品廃棄の削減に取り組む日本。さまざまな立場で奮闘する人々の姿を今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。どうぞお見逃しなく!

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