日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎えてアポなしインタビュー! そのまま密着取材をk敢行する「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時55分~)。今回は「祝!成人の日!YOU の人生最大の挑戦2020 SP」ということで、夢に向かって挑戦する成人YOUを求め、空港で突撃取材を敢行。果たして今回はどんな面白YOUに出会えるのか?
成田国際空港で面白YOUを探していたところ、囲み取材を受ける集団を発見。「いったい彼らは誰?」正体が気になって声をかけたところ、南スーダンから来た「東京2020オリンピック・パラリンピック」(以下、「東京オリンピック」)の陸上代表団というではないか! YOUたちは、陸上競技での出場が長年の夢だったんだって。
それにしても、この取材は昨年の11月。どうしてこんなに早く日本入りするのかと聞くと、南スーダンには整備された競技場がないと知った群馬県前橋市のご好意で、本番までの長期合宿を支援していただけることになったんだそう。そんなYOUたちのトレーニングや出場の様子を見届けたいと密着をお願いしてみたところ、快諾してもらえた。ということで、さっそく密着スタート!
まずは前橋市に向かうバスに一緒に乗せてもらい、代表選手らに改めてごあいさつ。みなさん、これから閉会までよろしくお願いします!
途中でパーキングエリアに寄って、腹ペコアスリートが日本で食べる記念すべき初メシをチェックすると、全員が同じ「竜田揚げ定食」を注文。 感想を聞こうとしたが、実は南スーダンでは食事中は語をしない習慣があるそうなので、だまって見守ることに。
ちなみに、YOUたちの住む・南スーダン共和国とは、長い内戦を経て2011年に独立したばかりの、世界でいちばん新しい国。とはいえ独立後も紛争が続き、生活物資も足りず「世界でもっとも貧しい国」ともいわれている。こうした苦しい情勢のなか、国としてどうにか「東京オリンピック」へ出場すべく支援を申し込んだところ、前橋市が受諾し全面的に支援してくれることになったのだ。
翌日向かったのは、「食の駅ぐんま」という地元スーパー。人生初のスーパーマーケットに入ると、見たこともない豊富な食材にYOUたちは大喜び。甘いもの大好き女子高生のルシアも、お菓子コーナーで無邪気に目を輝かせていた。
続いて、これから「東京オリンピック」終了まで暮らすアパートへ。ベッドなど、必需品が揃った清潔な部屋に入ったアブラハムは、故郷では見たこともないガスコンロに興味津々。さっそく得意料理のアイリッシュポテトを作って食べ、「おいしいです」と覚えたての日本語でコメントしてくれた。
食後、オリンピック出場への思いを聞いてみると、かつては母親が陸上を辞めてほしがっていたことを明かした。というのも、8人きょうだいの長男だったアブラハムには、早く仕事をして生活費を稼いでほしかったから。後ろに見える屋根なしの実家も、建てていた父は8年前に他界し、そのままだ。
陸上で家族を支えるためにも、良い成績を収めたい。そうすれば良いスポンサーがついてお金を援助してくれるかもしれない。「東京オリンピック」出場を喜んでくれた母のためにも、今いちばんの夢は金メダルを獲って、家族の家を完成させることだと明かしてくれた。
そんなアブラハムの自己ベスト(1500m)は、「リオ・オリンピック」〈2016年〉金メダルのタイムより7秒近く速いという。これは期待大!
翌日はいよいよ日本での初練習。到着した練習場でまずYOUたちが驚いたのは、舗装された青いトラックの走路だ。石混じりの土でできた南スーダンのグラウンドとは全然違うという。恵まれた施設で練習を積める喜びに、みんなワクワクしていた。
指導にあたる前橋市陸上競技協会のコーチ陣が紹介されると、昨年の日本選手権2位に輝き、「東京オリンピック」代表を目指す現役の選手・小渕さん(400m)も参加!
さっそくアブラハムのランをチェックしてもらったところ、持って生まれた脚の長さを活かした軽やかな走りにおのずと注目が集まる。小渕さんも、ポテンシャルの高さを評価し、あとは走りの無駄な動きを直していければと目標を立ててくれた。
天性の才能だけで代表になったYOUたちだけに、ここにきて筋トレや体幹トレーニングの経験がまったくなかったことが明らかに。そこで、これからは筋肉をつけながらの走行トレーニングに変え、さらなる実力を開花させて金メダルを狙っていくということだ!
今回はここまで。本番までの長期密着はまだまだ続くのでお楽しみに!