北大路魯山人は言いました。「納豆は、かき混ぜればかき混ぜるほど旨い」と。その回数を調べてみると、「納豆は424回かき混ぜるといいと言った」という説もあるようです。......本当にそこまで混ぜるべきなのでしょうか?

今回は、『魯山人味道』という魯山人についての文献を参考にしながら、納豆をかき混ぜまくって実験してみたいと思います!

北大路魯山人が言う「納豆の食べ方」とは?

北大路魯山人は納豆が好きだったようで、『魯山人味道』にも納豆に関する話が登場しています。

その中には、

「...納豆を器に出して、それに何も加えないで、そのまま、二本の箸でよくねりまぜる。そうすると、納豆の糸が多くなる。蓮から出る糸のようなものがふえて来て、かたくて練りにくくなって来る。この糸を出せば出すほど納豆は美味くなるのであるから、不精をしないで、また手間を惜しまず、極力ねりかえすべきである。」(魯山人味道「納豆の拵え方」より)

と、記されていました。

とにかく手間をかけ、たくさん納豆をかき混ぜる(練る)べきだという魯山人。では、424回かき混ぜたとき、納豆に何が起こるのか。実際にやってみたいと思います!

424回かき混ぜたら...○○だった!

さて、納豆のかき混ぜ、スタート!! 今回は練る前との比較を分かりやすくするため、パックに入ったままの状態で練ってみました。

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ねりねり...ねりねり...。

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納豆がすぐに糸を引き始めました。スピードには若干のムラがあるものの、毎秒だいたい2回かき混ぜているので、400回かき混ぜるのには、だいたい3分半弱くらいかかります。

さて、まず400回かき混ぜ終わりました!

natto_20200110_03.jpg▲左が練る前、右が練った後

見た目からして全く違うのが分かります。かき混ぜるとその分だけ糸を引いたからか、大豆一粒一粒に白い泡みたいなものがまとわりついていますね。

ここでまた「魯山人味道」を読み返してみましょう。

「かたく練り上げたら、醤油を数滴落としてまた練るのである。また醤油数滴を落として練る。要するにほんの少しずつ醤油をかけては、ねることを繰り返し、糸のすがたがなくなってどろどろになった納豆に、辛子を入れてよく攪拌する。子の時、好みによって薬味(ねぎのみじん切り)を少量混和すると、一段と味が強くなって美味い。...」(魯山人味道「納豆の拵え方」より)

かたく練り上げた後に、醤油を数滴落としてさらに練る!

......ということなので、400回練った時点で一度止め、醤油をたらしてみることにしました。ちなみに今回は家にあったかき醤油を使用しましたが、常備している醤油ならなんでもいいと思われます。

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そしてまた練り、醤油を入れ、再度練る......。これを繰り返すこと、先ほどと合わせて計424回。さて、実食です!

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魯山人先生の言う通りに、添付の辛子とねぎも混ぜて食べてみました。

ひとくち食べてびっくり......。今まで食べていた納豆は一体何だったの!? 大豆一粒一粒がとても柔らかく、口に入れるとそのなめらかさに驚かされます!

10回程度しかかき混ぜていないものと食べ比べてみましたが、424回かき混ぜたものが柔らかいのに対し、10回程度かき混ぜたものは大豆の粒が硬く感じられます。

納豆を1時間近く混ぜようとしてみたけど...

さて、「424回」という説に従ってはみたものの、『魯山人味道』ははっきりと回数を示しておらず、「...蓮から出る糸のようなものがふえて来て、かたくて練りにくくなって来る。この糸を出せば出すほど納豆は美味くなるのである...」と書いています。

つまり、糸を出せば出すほど、納豆をさらに混ぜることで、より美味しくなるのでしょうか?......ここからは回数ではなく1時間を目安に納豆をかき混ぜてみたいと思います。

では、ねりねりスタート!

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10分経過......。

このあたりはまた余裕があります。かき混ぜるスピードは毎秒1.5~2回くらいのペース。見た目だけでいえば、400回程度混ぜた時とそんなに差を感じません。

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20分経過......。

だんだんと納豆が硬くなってきて、かき混ぜにくくなってきました。かき混ぜるスピードも、納豆が硬い分だけ毎秒0.7~1回くらいと遅くなってきます。そして、納豆の粒がだんだんと崩れてきました。

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30分経過......。

納豆の粒がほぼ完全になくなり、つぶれていない粒を探す方が難しくなりました。糸を引きすぎて、すっかり硬くなり、かき混ぜるスピードもかなり遅く、1回かき混ぜるのに2~3秒は最低でもかかるように......。

「1時間かき混ぜるのは不可能」と判断し、実験を中止せざるをえなくなりました。

醤油を合わせて実食してみるも、粒がひきわり納豆よりもつぶれているし、糸を引きすぎていて、決して美味しいとは言えませんでした。もちろん個人差はありますので、「30分混ぜたものが美味しい!」という方もいらっしゃるかもしれませんが......。正直あまりおすすめしません。

結論:納豆はあまりにかき混ぜすぎると、豆の組織を破壊してしまい、美味しいタイミングを失ってしまう。

まとめ

北大路魯山人になりきって納豆を練ってみましたが、一番おいしいのは400回程度練って、大豆の粒が柔らかくなってきたころ合いだということがよく分かりました。

毎回400回程度かき混ぜるのは難しいかもしれませんが、時間がある時だけでも、納豆をしっかりとかき混ぜてから食べてみてはいかがでしょうか?

【参考文献】
『魯山人味道』(中央公論社)

テレ東プラス

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