「自分は自分。ただ、そこにある」エゴサも怖くない、間宮祥太朗の生き方:僕はどこから

公開: 更新: テレ東プラス

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ドラマホリック!「僕はどこから」(毎週水曜深夜0時12分放送)が、1月8日(水)スタート。ヤングマガジンに掲載されていた人気漫画を、映画「凶悪」などを手掛けた髙橋泉の脚本でドラマ化。特殊能力を持つ青年とエリートヤクザの青春異能クライムサスペンスだ。

文書を書き写すことで他人の思考をコピーできる特殊能力を持つ小説家志望の青年・竹内薫を中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、元同級生で暴力団の最年少組長・藤原智美を間宮祥太朗が演じる。

今回は、薫を"自分さがし"へと導いていくヤクザの組長・智美を演じる間宮さんに、ドラマの見どころから、共演の中島さんとの意外な関係まで、たっぷり話してもらった。

自分が自分であることは、机が机みたいなものなんです

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──今回演じる、20歳にしてヤクザの組長にまで上り詰めた藤原智美は、どんな人物ですか?

「自分の意志と行動が伴っている人。普通は『なんかこうしたい......』と思うところから始まって、次は『自分はこうなんだ』と確認し、意志として『こうしたい!』と考えてから行動に移していく。行動するべきか否かに対し、フィルターが何枚もかかると思うんです。でも、智美にはそのフィルターがない。意志と行動がほぼ同時に出来ている。かつ、思慮深い一面もあるので、安易に行動に移すのとは違う。自分が意志として持ったことを行動として結びつけられる人ですね」

──ご自身と被る部分はありますか?

「智美ほど理屈があって行動できているわけではないかもしれないけど、思い立ったらやるという一面では似ているかな。でも、思い立たたないとやらない(笑)」

──最近、思い立ったことはありますか?

「ずっとドラマの撮影だったので、思い立つ暇もなかったですね」

──それは、撮影中は役にのめり込んでしまうからなのでしょうか?

「『のめり込んでいる』と聞けばカッコいいですけど(笑)。役にのめり込んで他のことが手につかないということはほぼなくて、物理的に時間がないだけです。

この作品に限らず、演じている役を引きずることはないでね。ただ、今回の撮影が終わった後に友人に会ったら、『終わった?』と言われました。役を引きずっているというのではなく、僕自身の雰囲気がリラックスしているように見えたそうです。『まとっているものが違う』と言われて、撮影中と後では雰囲気が違うことに初めて気がつきました」

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──「僕はどこから来るんだろう」と自分の存在意義を失った主人公・薫が自分探しを決意するところから物語は始まりますが、間宮さんも自分について考えることはありますか?

「"僕ってなんだろう"とは考えないですね。生まれて、これまで育ってきた歴史や環境が僕を作っていると思っているから、自分自身に対して否定も肯定もない。自分は自分。ただ、そこにある。自分が自分であることは、机が机みたいなものなんです。
元々そういうタイプでしたが、この仕事をするようになってプラスなりマイナスなり他人から評価されることが多くなってから、より強く思うようになりました」

──達観されていますね! ちなみに他人からの評価ということで、エゴサーチはしますか?

「します!(笑) SNSの僕のアカウントにコメントしてくれている人は、好きか嫌いかどっちにしても、そもそも僕に興味を持っている人。そういう色眼鏡がかかってない意見を知りたければ、エゴサーチのほうがいいと思います」

──エゴサーチ、怖くないですか?

「それは悪口がってことですよね? 僕は知らないところで悪口を言われていても気にならないですね」

──それがさっきおっしゃっていた「自分は自分」ですね。

「そうですね。ただ、切ないというか悔しいというか、そういう思いをすることもありますよ」

──どんな時ですか?

「舞台挨拶でかゆくて目をこすったのに、感極まって泣いたみたいに勘違いされたり(笑)。ご想像はご自由にという感じですが、意図してないことで......と思うことはあります」

5年ぶりの共演「裕翔がすごくカッコよく見えました」

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──中島さんとは5年ぶり、4度目の共演。バディ役としてガッツリからむのは初めてとのことですが、改めて中島さんとの共演はいかがでしたか?

「裕翔と共演すると聞いてとてもうれしかったですね。付き合いも長いので、台本を読みながらお互いが演じるイメージがどんどん湧いてきました」

──中島さんは「5年前の共演の時は、主演のプレッシャーを抱えながら弱さを見せないようにしていたけど、今回はバディ役の間宮さんや共演者に頼るよこともできるようになった」とおっしゃっていました。撮影中に中島さんの変化を感じることはありましたか?

「5年前は"頼らないようにしているな"というのは感じていました(笑)。裕翔からその話を聞いて、今回の現場は、彼の中でこの5年間積んできたもの、見てきたものの現れだったのかと思うと、裕翔がすごくカッコよく見えました」

──真面目な薫とヤクザの智美、高校時代には全く接点のなかった2人の"出会いの妙"も見どころの1つです。間宮さんご自身には、人生を変えるような印象的な出会いはありましたか?

「学生時代、同じ野球部で同じポジションだった同級生です。本人は努力しているという意識があるのかどうかは分かりませんが、すごい努力家で、野球との向き合い方や、日々の過ごし方が真面目でした。彼を見て、"実力云々より、こういう人が仕事として野球をやってく人、プロになるような人なのか"と思って、野球を辞めました。挫折という感覚ではなく方向転換にはなったかな」

──俳優になられてからは?

「印象的な方が2人います。1人は、初舞台『ハーパー・リーガン』の演出家でもある長塚圭史さん。長塚さんの舞台に出させていただき、"役者は追求していく価値のあるものだ"という思いを実感として持つようになりました。

もう1人は、劇団『柿喰う客』の玉置玲央さん。それまでは、オーディションで勝つとか、演技で"(役を)食う"とか、自分がどう見えるかが中心でしたが、玲央さんと一緒にお芝居をする中で、言葉で教えられたわけではないですが、なんとなく受け取るものがあって。芝居に対して価値観の変換になりました」

帰りにコンビニに寄って買うものは!?

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──ドラマのタイトル「僕はどこから」にちなんで質問します。僕はどこからリラックスできる?

「ドラマの現場だと、最後の出演シーンが終わって『はいOK!本日以上です』と言われた瞬間からです。この取材でも、『以上です。ありがとうございました』の言葉で、気を緩めると思います(笑)」

──僕はどこから仕事モードのスイッチが入る?

「撮影現場に入ると、スタッフさんたちが役者が立つ位置を円で囲むように立ってくださっているのですが、その円陣が神聖な空間に見えて。その円に入っていく瞬間に、仕事モードのスイッチが入ります。

舞台だと、楽屋から舞台への導線を歩いている時。サッカー選手が試合の時にピッチに行くような感じが、舞台にはあります」

──僕はどこから「何に」夢中になる?

「最近、急激にカニカマにハマりました。撮影中は家で飲むことが増えて、カニカマばかり食べています。普段はつまみを作ったりしますけど、撮影中は夕飯は現場で食べているから、つまみを作るほどでもない。そんな時に、帰りにコンビニに寄って、カニカマを買う。

でもこの間ついにカニの缶詰を買って食べたんです。そしたら『俺、カニ食いたかったんだ』と気が付きました! カニの季節になってきたので早く本物のカニが食べたいです!」

──最後の質問「僕はここから、どこへ?」

「僕は、明日へ......」

──カッコいい! これもドラマのタイトルみたいです。

「カッコよく聞こえますが、ようは『今日のことしか考えられない』ってことです(笑)」

──"今"が充実しているから出てくる言葉だと思います。

「満たされているのと、満たされなさが同時に体感できているから、この仕事を長く続けているのかな。満たされないと辞めたくなるし、かといって満たされ過ぎると、もういいかなと思ってしまうし。今の僕にとって"満たされつつ満たされない"が大事なのだと思います」

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【プロフィール】
間宮祥太朗(まみや・しょうたろう)
1993年6月11日生まれ。神奈川県出身。2008年、ドラマ「スクラップ・ティーチャー~教師再生」(日本テレビ)で俳優デビュー。 ドラマ「水球ヤンキース」(フジテレビ)、「ニーチェ先生」(読売テレビ/日本テレビ)、「お前はまだグンマを知らない」(日本テレビ)、「べしゃり暮らし」(テレビ朝日)、映画「全員死刑」('17年)、「殺さない彼と死なない彼女」('19年)、舞台「銀河英雄伝説」シリーズなど、多数の話題作に出演。

衣装協力/EEL Products、Paraboot
スタイリスト/津野真吾(impiger)

(撮影/uufoy 取材・文/船圭子)

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ドラマホリック!「僕はどこから」(毎週深夜深夜0時12分)は、1月8日(水)スタート! 小説家志望の青年・薫と、若くしてヤクザの組長となった男・智美が運命の再会!?大金が必要になった薫の前に元同級生の智美が現れ......。命を賭けた自分探しが始まる!

第1話
今から半年前。竹内薫(中島裕翔)は、認知症を患う母・陽子(仙道敦子)の介護をしながら小説家を目指していた。薄暗い部屋で原稿用紙に一心不乱に文字を書きなぐる薫。だが薫が持つある特殊能力により、小説は参考にした作家の作風にことごとく酷似してしまう。出版社に持ち込むたび酷評され、挙句「キミってもんがないのかい?」と一蹴される。

その頃、22歳の若さで講談会系東宮寺組聖狗会の組長となった藤原智美(間宮祥太朗)は、会長の東宮寺正胤(若林豪)から、誰もやりたがらない"デカいシノギ"の依頼が。依頼主が「先生」だと聞いた部下の権堂真司(音尾琢真)は不安がるが、智美は冷静に「藤原千佳(上白石萌歌)に連絡を取れ」と指示をする。このシノギになぜか薫が巻き込まれることとなる――。

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