パワーの源は楽屋しゃぶしゃぶ！？ 高畑充希が多忙な撮影中の秘話を：忘却のサチコ 新春スペシャル

"鉄の女"サチコが"最難関のミッション"に挑む！　阿部潤の同名漫画を実写化し、これまでにドラマスペシャルと連ドラが放送された人気シリーズの新作「忘却のサチコ新春スペシャル」が、本日1月2日(木)午後11時30分より放送。

食べるだけで全てを忘れてしまうほどの"忘却グルメ"を求めひた走る女性編集者・佐々木幸子（サチコ）が、今回は多彩な美食が集まる異国情緒溢れる港町「神戸」へ。逃げた婚約者・俊吾を"忘却"したサチコに新たな恋の予感！？　サチコを演じる高畑充希に、撮影中のエピソードから絶品グルメ、さらには高畑家のお正月料理などについて聞いた。

モテ期到来！？　しかし、サチコのデートは......

――2018 年１月2日放送のドラマスペシャル、2018 年 10 月クールの連ドラに続き、新春スペシャルとして復活！　1年ぶりのサチコですが、撮影現場ではすぐサチコに戻れましたか？

「クランクインしてしばらくは『サチコは、こんな感じだったかな？』と思い出しつつ、ドキドキしながら撮影に臨んでいました」

――幸子らしさを思い出すきっかけになるような言動はありましたか？

「サチコはとにかく表情の変化が激しいんです。直前まで撮っていたドラマが表情があまり変わらない役だったので、表情筋がサチコっぽく動くようになるまでに時間がかかりました。サチコは、いつもちょっと前のめりで、相手を見つめている動きが特徴的で。あと、やっぱりご飯を食べるシーンはサチコらしさが一番出るところなので、一気に感覚が戻って来たような気がしました」

――今回は、編集部の後輩・小林(葉山奨之)と作家の美酒乱(村上淳)が幸子を巡って恋の火花を散らすなど、恋愛模様も見どころのひとつですね。

「今回、サチコはモテモテで、神戸ロケでデートシーンも撮影しました。サチコにとってデートはアブノーマルなことですが、そこはやっぱりサチコはサチコ。小林くんと美酒乱先生の好意には全く気付いていないんです(笑)。ラブの方向の色気が出てしまうとサチコさんではなくなってしまいそうなので、彼女のペースを乱さないようにしたいなと。どんな時も我が道を行くサチコでいようと演じました。だから今回も誰とも会話が噛み合っていません(笑)」

――高畑さんは、サチコに合う恋の相手は誰だと思いますか？

「誰だろう？(笑)　難しいですね......。とりあえず俊吾(早乙女太一)さんはやめた方がいいと思います(笑)。編集長の白井さん(吹越満)も若干ストーカー気質なところがあるから気を付けた方がいいですよね。美酒乱先生も結構遊びそうだしなぁ。う～ん、結局小林くんですかね(笑)」

――最初は新人編集者だった小林ですが、サチコから見て成長したと思いますか？

「連ドラの時から比べたら、ものすごく成長しています。最初の頃は"妖怪悪気なし"と呼ばれていて、とにかく屁理屈で相手をねじ伏せるような人だったんです。でも、今回はサチコに振り向いてほしいがために、素直な可愛い人になっていて。もうちょっと悪気はないけど感じが悪いところも見たかったかも（笑）、と思うぐらい変わっていました」

――サチコの俊吾への思いも気になりますが、彼との関係はもう過去にできている感じなんですか？

「多少の未練はあると思います。でも、演じながらちょっと過去のものにできているのかなと感じたところはありました。いつものことですが、俊吾さんの登場の仕方はかなりえげつない(笑)。もはやスタンダードがどこにあるのか分からなくなっています」

舞台は神戸！　神戸牛に舌鼓、チャイナドレスも披露

――物語の舞台になった神戸での撮影はいかがでしたか？

「約4日間、ずっと撮影をしていました。神戸は初めてでしたが、周りをよく見る余裕もないくらいあわただしくて。私も放送を見て"神戸に来ていたんだな"と思うんじゃないでしょうか（笑）。うれしかったのは、撮影でお借りした温泉宿に宿泊させていただいた時に、温泉付きの部屋を用意してくださって。おかげで、ちょっと旅行気分を味わうことができました」

――高畑さんがオススメする見どころは？

「サチコがデートをしている場面が結構出てきます。あまり詳しくは言えませんが、小林くんが大胆な行動に出るシーンが個人的に好きです。サチコがチャイナドレスを着ているところも１カットだけあります。ほんの一瞬で終わると思うのでぜひ見逃さないでください」

――サチコといえば、やはり食べるシーンも楽しみです。神戸では、どんな料理を食べましたか？

「これまでは気軽に行けるようなところでご飯を食べていましたが、今回、神戸牛を食べるのは、シェフが目の前で焼いてくれるちょっと格式が高いお店です。ものすごく美味しかったので、映像で味わっていただけたらと思います」

――美味しい物を食べたサチコのリアクションにも、毎回、楽しませてもらっています。今回は？

「ステーキとハンバーグをシェアする場面が、ものすごくくだらなくて好きです(笑)。一緒に食べている美酒乱先生がいないかのような感じになっていて、サチコらしさが全開です(笑)」

――原作でもかなりインパクトがある美酒乱先生。演じられる村上淳さんとは初共演ですね？

「村上さんは全く壁がない方。撮影の合間にいろんな話をしてくださって楽しかったです。美酒乱先生はサチコに対して"ツッコミ"の役のはずなんですが、村上さんもサチコと同じくらいボケるので、ツッコミが不在のシーンになりました(笑)」

高畑家のお正月はお重のおせちと白味噌のお雑煮

――高畑さんご自身の食へのこだわりは？

「結構こだわる方だと思います。最近はずっとドラマを撮影していたので、なかなか外食する時間がなくて。楽屋に一人用の小さい電気グリル鍋を持って来て、しゃぶしゃぶを食べたりしていました（笑）。お弁当ばかりでは栄養のバランスが偏ってしまいますし、寒い時期は温かいものが食べたくなりますから、ヘルシーなしゃぶしゃぶはいいですね」

――ポン酢とごまだれだったらどっちが好きですか？

「お肉はロースが好きで、レタスと一緒にあっさり食べたいからポン酢ですかね。衣装さんにいただいた北海道のタレもすき焼きっぽい甘辛系で美味しかったです」

――お正月の放送ですが、高畑さんの欠かせないお正月料理は？

「家は毎年、何段ものお重に入ったおせち料理を作るんです。お雑煮は関西なので白味噌で、お餅は丸餅。うちのお餅は小さいので、子どもの頃はたくさん食べていました。今は2個ぐらいかな。私はサバが好きなので、いつも"〆サバを食べすぎるお正月"になっています(笑)」

――サチコは食べることで忘却しますが、高畑さんが"忘却"したい時は何をしますか？

「私は覚えていることが苦手で。月並みですが、寝たら忘れますね(笑)。ただ、悪いことだけではなく、いいことやうれしいこと、やる気にみなぎっていたことなどポジティブなことも忘れてしまうから、ちょっと考えものですね」

――サチコは、なかなか俊吾のことを忘れられませんが......

「そこがサチコのいいところなのかなと思ったりもします。さすがに私も失恋のような大きな出来事は、そんなに簡単に忘れたりはしないですけど(笑)、サチコみたいに何年も引きずるようなことはないですね」

――昨年は映画、ドラマと出演作が続きましたが、どんな１年でしたか？

「お仕事の合間に3ヵ月ぐらい休みを取ることができて。ずっと行きたかった旅行もできたし、久しぶりにのんびりとした時間を過ごすことができました」

――どこに旅行されたんですか？

「4ヵ国ぐらい行きました。特にイギリスはずっと行きたかった国だったので楽しかったです。公園を散歩したり、古着やアンティークが売っているマーケットに行ったり。赤い2階建てのバスに乗って遠出もしました。やっぱり休むことって大事。それを改めて実感しましたし、いざ休みができたとき、自分にはやりたいことがたくさんあって、こんなに楽しめるんだと気付くこともできました」

――2020年の抱負は？

「１年の半分ぐらいはミュージカル中心になると思います。ミュージカルの歌唱法をちゃんと学んでいないので、今必死に練習中。いろいろなことを勉強してひと回り大きく成長できたらいいなと思っています」

【プロフィール】
高畑充希（たかはた・みつき）
1991年12月14日生まれ。大阪府出身｡最近の主な出演作に、ドラマ「とと姉ちゃん｣(NHK総合)、「過保護のカホコ｣｢同期のサクラ｣(共に日本テレビ系)、｢メゾン・ド・ポリス｣(TBS系)、映画｢こんな夜更けにバナナかよ｣｢引っ越し大名！」など。山﨑賢人とＷ主演を務める映画「ヲタクに恋は難しい」が２月７日(金)公開。また、ヒロイン・キム役で出演するミュージカル「ミス・サイゴン」が5月19日(火)より東京・帝国劇場で上演される。

（撮影／uufoy　取材・文／月山武桜）