“ととのう”快感を得るには? プロサウナー松尾大さんに聞く「サウナ道」

公開: 更新: テレ東プラス

sauna_20191223_00.jpg
近年、じわじわと熱狂が広がりつつあるサウナ。2019年はサウナを舞台に描かれたドラマ『サ道』が放送されたほか、今行くべきサウナをランキングにした「SAUNACHELIN(サウナシュラン)2019」が注目されるなど、ブームが盛り上がっているようです。

そこで今回は、『人生を変えるサウナ術 なぜ、一流の経営者はサウナに行くのか?』(KADOKAWA)の著者であり、"ととのえ親方"の愛称で活動するプロサウナーの松尾大さんに、"ととのう"ためのサウナの入り方を教えていただきました! これを読めば、あなたもきっとサウナデビューしたくなるはず!?

"ととのう"ためのお作法は【サウナ→水風呂→休憩】のサイクル

sauna_20191223_01.jpg▲"ととのえ親方"こと松尾大さん

──松尾さんのようなサウナー(サウナ好きの人々)は、"ととのう快感"を求めてサウナへ通うそうですね。そもそも"ととのう"とは、どのような感覚を指すのでしょうか?

「サウナの理想の入り方は、【サウナ室→水風呂→休憩】のサイクルを3回繰り返すことだと言われています。この3回目の休憩の際に、"ととのう"感覚が訪れることがあります。肌の感覚が研ぎ澄まされて、産毛一本一本がピンピン立っていることがわかり、そこ風が吹くとまさに地球の愛撫を感じる。究極にリラックスしている状態なんだと思います。僕らサウナーのバイブルとも言える漫画『サ道』では、"多幸感""トランス状態"とも表現されていますね」(松尾さん)

──それは、ぜひ体験してみたいですね! 一言でサウナと言っても40~60度のスチームサウナや、80~100度のドライサウナなど温度や湿度の違いがあります。どんなサウナでも"ととのう"ことはできるのでしょうか?

「どんなサウナでもOKですが、自分の身体にフィットするかどうかが大事なポイントです。例えば、暑さが苦手な人は高温のサウナに苦しさを感じることがあるので、まずは低温のサウナやスチームサウナから始めるといいかもしれません。また、サウナは座る場所によっても温度が変わり、上段にいくほど温度が高くなります。いろいろと試しながら、自分にとって心地良いサウナを探してみてください」(松尾さん)

sauna_20191223_02.jpg
──自分の感覚でベストを見極めるワケですね! 松尾さんは、普段「○度のサウナに○分入る」など、ルールを決めていますか?

「いえ、僕はその日の体調に合わせて温度や入る時間を変えています。サウナに入る際は『時計を見ないこと』がマイルールで、身体が温まって水風呂に入りたくなったら、すぐにサウナ室を出るようにしています。サウナでは暑さをガマンするのは禁物。出たくなったら出るようにしてください」(松尾さん)

"おじさんの趣味"から変わりつつあるサウナのイメージ

──サウナはここ数年で大ブレークした印象がありますが、そもそものブームの発端になった出来事があったのでしょうか?

タナカカツキさんが描かれたマンガ『サ道』の影響が大きかったと思います。2011年11月に単行本が発売され、当時はまだ言語化されていなかった『温度の羽衣』や『ととのう』といったサウナ用語が、カツキさんによって初めて言語化されたんです。これをキッカケに『サウナー』や『サウニスト』と名乗る人が多く現れました」(松尾さん)

──「温度の羽衣」とは、何でしょうか?

「サウナに入って温まったあと水風呂に入ると、最初は冷たく感じますが、そのうち身体が慣れて冷たさを感じなくなります。このとき、自分の身体と水風呂の間に生まれる薄い膜のようなものが『温度の羽衣』です」

sauna_20191223_03.jpg
──なるほど...! 松尾さんが個人的にサウナにハマったキッカケはなんでしたか?

「元々、20年前から飲みに行く前にサウナに入る習慣はあったのですが、当時はハマっていたというほどではなくて、僕が本格的にサウナーとして活動を始めたのは4年ほど前です。当時、サウナ仲間だった秋山大輔と一緒にフィンランドへサウナを巡る旅に行って、そのときに『俺たちサウナにもらってばかりだから、なにか恩返しできることやろうか?』と話して、一緒にサウナーブランド『TTNE』を立ち上げました」(松尾さん)

──それはまた......随分と飛躍しているというか、斬新な発想ですね(笑)

「当時はサウナって『おじさんのカルチャー』みたいな風潮があったわけです。そこで、ストリートファッションと組み合わせてオシャレなサウナーTシャツを作ったり、モデルさんを呼んでサウナイベントを開いたり、新たな文化を醸成するような取り組みをいくつも仕掛けた結果、サウナのイメージ転換が少しずつ図れてきたように思います」(松尾さん)

最近ではサウナでくつろぐ女性グループ、さらにはカップルなども目にするようになりました。「ととのう」などという形で、その快感が言語化されたこともあり、急速に変わりつつあるサウナの世界。その魅力を今こそ体験してみてはいかがでしょうか?

【取材協力】
ととのえ親方 松尾大(まつお だい)
プロサウナー /サウナーブランド「TTNE PRO SAUNNER」。サウナ同好会主宰 / プロととのえ師サウナビルダー

PICK UP