江口洋介が語る10年の軌跡「ガイアのぶっつけ感、乗り込んでいく感じが面白かった」

公開: 更新: テレ東プラス

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「あの現場が今どうなっているのか...スタッフの皆さんが、もう何ヵ月も前から準備してまとめてくれたんだと思うと感慨深かった...」2010年1月から丸10年、約500回に渡り、「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)の案内人を務めてきた江口洋介。スタジオではテーマに沿った芝居を披露し、自らの提案で積極的にロケ取材に出るなど、「ガイア」の中の江口は、俳優として決して見せることがなかった様々な側面を見せてくれた。2020年1月7日(火)放送からは、3代目案内人として松下奈緒が登場。江口からバトンタッチする。

12月24日(火)夜10時放送の「ガイアの夜明け」では、そんな江口の10年間の軌跡を振り返る。彼が取材をしたあの現場は今どうなっているのか...VTRを紹介すると共に、江口が凄まじいスピードで変化を遂げた渋谷の街で最後の取材を敢行した。

そこで「テレ東プラス」では、最後の収録を控えた江口を直撃。インタビューをあますことなく届ける。
※インタビュー全編を見たい方はテレビ東京ビジネスオンデマンドへ

僕にいきなりインタビューされるなんて、"話しづらいだろうな~"と思いました(笑)

──江口さんには、10年間に渡って「ガイアの夜明け」の案内人を担当していただきました。最初に「ガイアをやりませんか」と言われたとき、どんな思いだったのでしょうか。

「正直"なんで俺に話がきたのかな"と思いました(笑)。こういうことをやったことがなかったので。映画『闇の子供たち』('08年)を観た当時の『ガイア』のプロデューサーが、『ぜひお願いしたい』と言ってくださったんです。社会派の映画でしたが、それまでドラマが多く、こういう映画に出演すること自体、僕の中では新しい試みでもあった。そして、それを観てくださったプロデューサーからガイアのオファーがあったという事がすごく嬉しくて...。『ぜひやらせてください』ということでお引き受けしました。

最初の打ち合わせで『江口さんはどういうことができますか』と聞かれたので、『スタジオでというより、ロケに出て人物のインタビューをしてみるというのはどうでしょう』と提案したら、『いいですね!』という具合にトントン拍子に話が進み、今の形を作っていったという感じです」

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──江口さんが取材ロケに出る上で、大事にしてきたことやこだわっていた点はありますか?

「震災後、俳優という仕事の上ではあまり接触する機会がない、沢山の闘うビジネスマンにお会いしましたが。毎回段取りを決めずにロケをやらせていただいていたので、うまく引き出せたときもあるし、なかなか引き出せなかったこともありました。でも、ぶっつけ感というのかな? それが面白くて...。現場にこっちが乗り込んでいく感じが面白かったので、ここまで続けてこられたという感じですね」

──カメラが回るまで、インタビューの対象者とはお会いにならなかったそうですね。いわゆるファーストインプレッション、その場の雰囲気を大事にしていたということでしょうか。

「そうですね。でも、(リハーサルもなく)僕にいきなりインタビューされるなんて、"話しづらいだろうな~"とはすごく思いましたよ。『お店はどうですか?』といきなり聞かれても、店長だったら困るだろうなとか思ったりしながら(笑)。それがどんな立場、人間だろうが、なるべくフラットに話しかけることを心掛けていました。

もっとストレートに本音を聞き出すことができれば一番いいんでしょうけど、初めてお会いしてインタビューするので、なかなかハードルが高かったですね。すっと本音を言える人もいるし、企業の中にいて言いづらい部分があるのだろうなと感じる時もよくありました。でも、新しい時代や夜明けを求めて戦っているという姿勢は皆さん一緒でした。今までやってきた俳優の仕事とは違う、新しい出会いと発見が沢山ありました」

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──実際に放送をご覧になって、「これはうまくいったな」と感じた作品はありますか?

「逆に"もっと何かできないかな"と思うことのほうが多かったですね。 "何かもう少し、番組としても応援できないか"と感じることは多々ありました。彼らの切実な部分をたくさん見てきましたし、何かそれを肯定的に伝えられないか...とか。

──特に印象に残っているロケはありますか?

「原発事故が起きた後、福島に行き、さらにその1年後、2年後...スタッフと一緒に足を運んだことはやはり心に残っていますね。『また来年も行けるのか...』と話していた事をよく覚えています」

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「少し前の回で紹介した『WOTA』の取材も...。台風被害の際、大活躍した屋外シャワーを扱っていて、100リットルの水で100回使えるというのが改めてすごいなと。皆さんの姿をドラマチックに感じます。レスキュー隊のような思いで"世の中の役に立ちたい"と思っている人たちがたくさんいるんだなと、頭が下がる思いでした」

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働くことは楽しい! くだらないことの中にこそ、何かアイデアがあると考えて欲しい

──この10年、日本では様々な変化があったと思います。特に印象に残っていることは?

「『ガイア』を通してものすごいスピードで変わっていく世の中を知ることができました。エネルギー問題から商業施設建設、東京オリンピックに向けてなど、いろんな時代の流れがあって、1年毎に違うムードを感じましたね。そしてそのムードは、人々にものすごく大きな影響を与えていく。僕たちの日常は、意外と時代のムードに大きく左右されてしまうものなんだなと。

そして今回、『ガイアの夜明け』を次の世代(松下奈緒さん)にバトンタッチするということもある種の時代。どんなビジネスも、これから出てくる若い世代の勢いをどんどん汲んで、やっていったらいいのではないかと考えます。難しいことは言えないですけど、働くことは気持ちがいいことなんだよ"と伝えていければいいのかなと思います」

──以前江口さんが、「もっと若い人に『ガイア』を見てもらいたい。働くことは楽しいことなんだよ、働くって嫌なことじゃないよ、もっと前向きなことだよ、ということを伝えたい」とおっしゃったのがすごく印象的でした。

「そうですね。自分もそう思ってやってきましたし、俳優は様々なことを乗り越えてまた次の場所に行けるわけで...。どこかで笑ってやっていきたいという思いもあります。あまり難しい顔をしていたらそんなにいい答えが出なかったりするじゃないですか。そういう意味でも、仕事仲間やコミュニケーションというのはすごく大事だと思うし、雑談の中からヒントが生まれることも多いですよね。くだらないと斬り捨てないで...くだらないことの中にこそ、何かアイデアがあると考えて欲しい。」

今はリモートワークもできるし、買い物も自分の足を使わずにできる。自分の言葉や意思を表現しなくても仕事が進んでいくことも多いですよね。でもそれでは、ちょっとつまらない。何年もそれを続けていくと、つまらない人生になってしまうのではないか、ということはすごく思いますね。学生だろうが企業に入ろうが会社を作ろうが、共に闘う仲間を作って自分の位置を高めていくのは大事。この番組をやらせてもらって、...そういう根本的なことを考えさせられました」

──ラストを迎える12月24日の放送では、江口さんの10年の軌跡を振り返ります。どんな内容になりそうですか?

「今まで僕が取材に出たロケ現場の中から、特に印象に残っているところをスタッフの皆さんが再取材してくれました。あの現場が今どうなっているのか...もう何ヵ月も前から準備してくれていたんだと思うと感慨深かったです」

──最後のロケはどこに行かれたのでしょう。

「一番身近にあり、変化を感じていたので『渋谷はどうですか?』と提案しました。渋谷は、何年か前に開発が始まった際もロケに行きましたが、新しい街に変わるまでのスピードがとにかく早かったですね」

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──24日の放送では、小型ビジネスジェット「ホンダジェット」の今にも迫ります。

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「すごいですよね。実際に、日本で小型ジェットを使って移動、そして仕事をしている人たちがいるということが驚きでした。たしかに、時間を買えるのであれば安い買い物なのかもしれない...とも思いました。日本にも、1分でも惜しんで仕事をしたい人がいるんだなと」

──最後の質問です。世の中がどんどん変わりゆく中で、江口さんが「ここはブレずに自分の中でしっかり持っておきたい」と思うことは?

「あまり深刻になり過ぎずに、これからをどう新しく生きていくか、楽しい人生をどういう風に自分で勝ち取っていくのか、というところはブレずにいきたいですね。今は何でも難しくし過ぎているような気がするんですよ。もっとシンプルでしょ、人間なんてそんなに変わりませんよと言いたくなる。ジェネレーションギャップだのコミュニケーション能力だの、人に興味を持ったり好奇心を持てば、そんなことは勉強する必要ないと思います。どんなに時代が変わろうが強く生きるには仲間が大事だよ、ということは今後もしっかり伝えていきたいと思います」

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(ジャケット¥230,000 ニット¥78,000 パンツ 参考商品 スニーカー¥67,000 すべてダンヒル TEL:03‐4335-1755 スタイリスト/Yoshiyuki Shimazu)

【江口洋介のインタビュー全編動画は、ビジネスオンデマンドで配信中!】

江口洋介が案内人を務める「ガイアの夜明け」ラスト回は、いよいよ12月24日(火)夜10時放送!

2010年1月からこれまで約500回にわたる放送の中で「視聴者と番組との橋渡し」となってきた江口がかつて見てきた「闘う現場」は今どうなったのか。「夜明け」はやってきたのか? 10年間の取材現場を精査し、2020年に向けた新たなニッポンの行方を見つめる。

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無料配信公式サイト「ネットもテレ東」では、インタビューでも登場した「ホンダ..."空"への挑戦!」(2015年4月28日放送)含む以下4作品を「ガイアの夜明け」傑作選として配信中!

●2015年4月28日放送「ホンダ..."空"への挑戦!~独占取材!ジェット機開発の裏側~」(配信開始:12月20日(金)昼12時、配信終了:2020年1月2日(木)夜10時53分)

●2015年9月22日放送「"外食革命は"輸出できるか?」(配信開始:12月21日(土)昼12時、配信終了:2020年1月3日(金)夜10時53分)

●2016月6月21日放送「新たな"プロ"の育て方」(配信開始:12月22日(日)昼12時、配信終了:2020年1月4日(土)夜10時53分

●2017年5月23日放送「"残業"やめられますか?〜15周年企画 ニッポン転換のとき 第二弾〜」(配信開始:12月25(水)昼12時、配信終了:2020年1月7日(火)夜10時53分

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