たけし「新国立に石油まこう」鶴瓶「やめなさい」 ギリギリ トーク連発の「チマタの噺SP」取材会<全文書き起こし>

公開: 更新: テレ東プラス

落語家の笑福亭鶴瓶さんがMCを務め、ゲストにビートたけしさんが登場する年末特番「チマタの噺SP」が12月26日(木)23時41分から放送される。16日には都内のスタジオで番組収録が行われ、収録後には記者を集めての取材会が開かれた。

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たけしさんがゲストとして参加するのは5年連続。チマタの人々に今年気になった出来事を聞くVTRをきっかけに、旧知の仲である2人がギリギリトークを繰り広げる。16日に行われた収録では2時間しゃべりっ放しだった2人。取材会でも本放送と負けず劣らずの限界トークが飛び交った。

たけし 2019年は「今まで築き上げたものが全部なくなった」

ーーことしで5回目となるたけしさんとの収録を終えての感想を教えてください。

鶴瓶:1年間の憂さをオレに全部ぶつけはりましたね。何にもなくなったんやから、本人。嘘もついてないわ。何にもなくなったんやから、ほんまに。クラブも行ってないでしょ?

たけし
:女キライだもん。全然言うこと聞かないもん。バカバカしい。

鶴瓶:話を横で聞いてても面白いし、何でも言うからね。嬉しいですよね、全部言うてくれるから。2時間ですよ、2人で話して。

たけし:だからいつ始まっているか分からなくて、気がついたら「回ってます」って言われて。それで本題に入るのかなと思ったら、愚痴ばっかり言って終わっちゃった。

鶴瓶:愚痴が良いよね、本当の愚痴が。何やのそれはと思うくらい。まあ、可哀想な人やわ(笑)。でも、面白かったね。

ーー2019年はお二人にとってどんな年でしたか。

たけし:酷い年ですよ。今まで築き上げたものが全部なくなった。

鶴瓶:さっき言ってましたね、すっからかんで何にもないって。そんな歌作ったらよろしいねん。

たけし:もう年取って、早くくたばる歌しかねえな。いかに社会保障とか期待できないかという。

鶴瓶:何やろね、僕もそうですけど芸人はまだ生きている感じですね。いまだに浅草の芸人は。この間、BSの番組の収録中に、マギー司郎さんが「ゆーとぴあ」のにいさんに「5000万円早く返してくれよ」って土下座してんねん。マジでしたで。何を言うねんって(笑)

たけし:よく借りたな、しかし(笑)

鶴瓶:だから、そんなんですよ芸人って。芸人の世界ではパワハラとかから治外法権にしてもらいたいですよね。その代わりに情があるんだから。情かけてんのに今の人は通じないんでしょ。

たけし:知らないんだよ、師匠と弟子の関係を。

鶴瓶:珍しいですよ、どっちも師匠がおっての2人がテレビ界におるというのは。さんまもそうでしょ。みんな師匠持ちが根付いている。ただ、ヤクザとは付きおうとりませんよ(笑)

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ーー2019年に楽しかったこと、良かったことがあったら教えてください。

鶴瓶:僕はことし映画とドラマをやれて、長いことやってなかったから楽しかったですね。映画を見に行って一人で舞台挨拶をしてるんですよ。この間は北九州の映画館にすっと入っていて、場内が明るくなって振り返ったらお客さん6人やったんです。

たけし:いいね(笑)。アナ雪見たら倒れるよ。アメリカの凄さを見せつけられて。

鶴瓶:6人相手に、誰も舞台挨拶してと言わんのに舞台挨拶をして帰るんです。そんなんできるから面白いですね。

たけし:私は小説をやたら書いたんです。来年の直木賞、芥川賞はどう考えてもオレが2つ取らないとおかしいと言うくらい書いたんですけど。うーん、なかなか評判は良いんだけどね。選考委員にオレが悪口言っちゃった人がいたりね。あの人最近綺麗になったなと思ってるんだけどね、いまだに根に持ってるらしくてさ。

鶴瓶:何でそんないらんこと言いますねん。怒りますよ、その人。

たけし:あと何人か選考委員いるんだから、一人くらい怒ってもいいだろうと思ってるんだけど。どの世界も新しく出てきたものに対してはうるせえからね。

鶴瓶:いろんな賞を取りすぎたから、この人にはやらんでもええと思われてるかもしれまへんで。フランス語とか英語で書いて、向こうで出したら、向こうの賞を取れるかもわかりまへんで。

たけし:来年の「ル・モンド」にコラムだけど載るよ。ゴダールが世界の映画監督のエッセイを載せるってことで、原稿を送って、蓮見重彦さんにフランス語へ訳してもらってる。海外だと映画監督とか良い扱いなんだけど、日本にいるとね女にだらしないバカ野郎になっちゃうんだよな。おかしいなあ。

鶴瓶:事実ですからね、それは(笑)

たけし:金取られて終わっちゃって。離婚されるし酷い目に遭っちゃった。

鶴瓶:私も中国で賞を取ったのに全然売れませんね、ほんまに。

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ーーたけしさんは昨日終わった『いだてん』の方に出演されてました。落語というものに向き合った一年でもあると思うのですが。

たけし:基本的に子供の頃から落語が好きでね。ただ落語家のお弟子さんになるのは勇気がなくてね。朝晩掃除して、ガキを幼稚園にお出迎えとか(林家)三平師匠みたいになるのが嫌でね。芸事そのままで勝負できるのが夢だけど、やっぱり師匠とかの関係とかそっちの方に気を使ってね。大変だろうと思って、漫才の方に行っちゃったんだけど、基本的にNHKで(古今亭)志ん生をやってくれって言われたときは、本当に嬉しかったですね。

鶴瓶:志ん生の本を出した(たけしさんは2018年に「やっぱ志ん生だな!」を出版)。それで、その後ですから、うまい流れやね。気持ちよかったと思いますよ、本人もやっぱり。どれくらいのネタやりました?

たけし:「富久」をやって、あと「替り目」とか、マクラまでの小噺。基本的に東京オリンピックのオープニングの時に、志ん生さんが三越落語会で「富久」をやって、その時に三越も満杯だったと。(宮藤)官九郎ちゃんが、その志ん生の凄さとオリンピックを重ね合わせて作った話だから。志ん生さんの落語を聞きましたけど、これはかなわねえなと思ったね。

鶴瓶:普通の素人の人はわからないんですよね。往年の志ん生師匠は言葉が聞きづらいから。でも、やっぱりすごいですよね。

オリンピックの注目は陸上

ーー来年2020年は東京オリンピックですけど、お2人が期待されていることはありますか。

たけし:東京オリンピックで暑さで何人くたばるかですね。いかに酷いオリンピックだかというのと、オープニングが本当につまんなかったというのを期待したいですね。オレがやった方が絶対良かったのに。隈研吾のあの建物が崩れてくんねえかな。

鶴瓶:そら、話こんわ(笑)

たけし:土曜日にね、生で安住アナと新国立競技場に行くんだけど、あそこに行くとオレの家が見えるんだよ。前のオレの家が。みんな取られちゃってイヤになっちゃう。帰りに火つけて行こうかな。

鶴瓶:やめなさい。国立競技場には何の罪もない。

たけし:帰り道、石油まいて行こうかな(笑)

鶴瓶:木やから燃えやすいわ。よしなさい。でも、そんなに近いんですか。

たけし:神宮の花火大会なんて目の前で上がってるんだから。

鶴瓶:来年オリンピック見させてくださいとは言えませんの。

たけし:だって離婚したカミさんがいるんだよ。「また来やがった」って通報されるよ。

鶴瓶:それ、おもろいなあ(笑)

ーーオリンピックで注目している競技があれば教えてください。

たけし:やっぱり100M走とかああいうのは見たいよね。あとはよくわからない。陸上ホッケーとか、どうだっていいよ。だいたい競歩なんて意味がわからない。マラソンはさんざん走ってきてフラフラになってゴールしてるのに、ハナから歩いて帰ってきてる。

鶴瓶:歩き方があるんですよ。

たけし:阿波踊りみたい。五輪のときはもう台風が来てほしいね。

鶴瓶:アホか(笑)

たけし:日本の陸上でメダルというと400Mくらいか。日本のハイテクで何かないのかね。バトンが伸びるとか。

鶴瓶:バトンパスで日本は勝ってますからね。

たけし:他の国が落としてくれるように、油を塗っとくか。

鶴瓶:何言うてんのん(笑)。来年の「チマタの噺SP」はもうお客さん入れます。その方がいいです。もう無茶苦茶言いますからね。

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