「マグロが消えた...」大間の漁師がピンチ...追跡取材で見えた激減の謎:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。12月3日(火)の放送では、クロマグロが減少の一途をたどる中、漁師の奮闘を追跡。さらに、マグロの絶滅危機から脱したスペインの成功例から日本のマグロ復活への道筋を探る。

マグロはなぜ消えた!? 漁獲規制の裏側で、ずさんな管理の実態が明らかに....

老若男女問わず日本人に親しまれているマグロ。毎年行われる初セリの模様は新春を告げる風物詩となっている。今年、市場最高値となる3億3360万円を付けたのは青森県大間のクロマグロ。ところが大間のマグロ漁が、いま危機的状況に直面していた。

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去年11月。マグロ漁の最盛期を迎えた大間で、ベテラン漁師・泉徳隆さん(66歳)は、2ヵ月以上もマグロが釣れない状況が続いていた。ここ数年、大間ではマグロの群れが激減。漁師たちは借金をしてまでも、マグロ一匹でも映る高性能の探知機に切り替えるなど対応を迫られていた。この日は40隻ほどが漁に出て、釣れたマグロはわずか4本。大間では、マグロの水揚げ量が前年から6割も激減しているのだ。

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日本近海のクロマグロの数は、乱獲などによって激減。1995年には6.7万トンあったクロマグロの資源量は2.1万トンに。そこで水産庁は罰則付きの漁獲規制を去年から始め、漁法ごとに漁獲枠を設定。30キロ以上のマグロの場合、「一本釣り」などには1475トン、「まき網漁」には2倍以上の3153トンの枠を振り分けた。この漁獲枠をめぐり、"一本釣り"と"まき網"が対立。大間の一本釣り漁師たちは、一回の漁で大量のマグロを獲る"まき網船"に与えられた枠が多すぎる、と不満の声を上げる。

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今年7月初旬。まき網船の一大拠点、鳥取県・境港のセリ場を訪ねると、約600本のクロマグロが並んでいた。実はクロマグロは6月〜7月、産卵のため日本海に集まる。産卵のために水面に集まったマグロを"まき網船"が獲って、境港に水揚げしているのだ。

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クロマグロの資源量が危機的な状況にあるなか、「"まき網船"が産卵期のマグロを大量に獲ったら問題だ」。6月、全国のマグロの一本釣りや"はえ縄"の漁師が、漁獲枠の見直しを求めて東京に集結した。漁師たちは、"まき網船"を操業する企業の親会社へ直談判を試みる。さらに番組は元まき網船の乗組員に接触。まき網船で行われている、ずさんな実態が明らかに...。

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スペイン式「まき網漁」でマグロが復活

スペイン・バルセロナのとある人気レストランで開かれていたのは、マグロの解体ショー。美食の街・バルセロナでもマグロは大人気。実は、地中海のクロマグロも乱獲により絶滅の危機にあったが10年ほどで急速に回復しているという。そのヒントを探るべくスペインへ...。ところが、そこでもあの"まき網船"が産卵期のマグロを獲っていた。いったい何が日本と違うのか?

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マグロ漁が解禁になったこの日、同行した船で行われていたのは、日本と同じまき網漁。産卵のために地中海に集まるマグロを狙い、群れを見つけたら大きな網で囲っていく。ここまでは日本と一緒。しかし水中では網からマグロが逃げていた...。一体どういうことなのか。

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また、まき網船の中や水揚げの現場に必ずいるのが、国際機関の監視員。一匹一匹カウントして厳格に漁獲量を管理していた。こうした厳しい漁獲規制を2007年から始めたことで、10年ほどで地中海のクロマグロの資源量が急回復したのだ。さらに、国際機関の調査員は番組の取材に対し、日本のマグロ漁の大きな問題点を指摘する。

日本人が大好きなマグロの現状から、食の未来を考える「ガイアの夜明け」は今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!

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