煮込みは45分! レンジで時短&意外なダシで、家の「おでん」がおいしくなる

公開: 更新: テレ東プラス

寒くなる季節の楽しみの1つであるおでん。最近では飲食店のほか、コンビニでも本格的なおでんが楽しめるようになりました。買ってくるおでんもいいけれど、おうちでおいしいおでんをつくるにはどうしたら良いのでしょう?

さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時26分~放送中)から、料理研究家の堀知佐子さんに「おでんをおいしくつくるコツ」をうかがいました。

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おでんの具の下ごしらえ

まずは、具材の下ごしらえ。大根などの根菜は、身の部分までしっかり皮を剥き、十字に切り込みを。コンニャクのように表面がつるんとしているものにも、切り込みを入れます。その理由は......

「おでんに限らず、"表面積を大きくすること"が料理をおいしくする秘訣。材料は大きめに切り、切込みを入れることで、味が染み込みやすく、短時間で調理することができます」(堀知佐子さん、以下同)

おでんの出汁のポイント

おでんの出汁の基本は、昆布+かつお節。その他、タラなど魚のぶつ切り、鶏の手羽などの骨付き肉(髄液が出るよう骨に切り込みを入れること)などを入れて、お好みの味に。基本的に何でも出汁になりますが、おいしくするためにはポイントが!

「かつお節、煮干しなどの動物性の出汁と、昆布、シイタケなどの植物性の出汁を掛け合わせることがポイント。身近な組み合わせを楽しんでみてください」

堀さんのオススメは、おつまみの「さきいか」を入れると、いい出汁が出るそう。植物性の出汁は、トマトや塩昆布もお試しあれ。

おでんの煮込み時間

nanairo_20191201_02.jpg画像素材:PIXTA

おでんは煮込めば煮込むほど美味しくなる......わけではないんです! 長時間煮過ぎると、素材の旨みが全て出てしまい、どの具材も同じ味になってしまいます。

素材の味を楽しみたいなら煮込み時間は45分!
煮る順番は、大根、コンニャク、牛すじ、昆布など"煮崩れないもの"から入れて30分ほど煮て、つみれ、厚揚げ、さつま揚げなどの練り物を入れて15分、はんぺんは火を止める直前に加え汁をかけて温めます。45分で完成!

「おでんに限らず煮物一般に言えることですが、味が染み込むのは一度温度が下がったとき。味をよく染み込ませたければ、具材が柔らかくなったところで火を止めて温度を下げ、再加熱するといいですね」

レンジで時短&味がよく染み込む!
「大根などの根菜は柔らかくなるまでに時間がかかるので、レンジで下処理をしておくといいですね。レンジ加熱により野菜から水分が出るので、その分、出汁を吸っておいしくなります」

目安としては、大根300gあたり600Wで3分程度加熱し、おか上げ(ザルなどにあげて水気を切る)してから、他の具材と一緒に煮込みましょう。

お店のおでん、家でできる!?

店の「トマトのおでん」、家でも作れないかな? ジャガイモは煮崩れして、卵はパサパサで口の水分持っていかれるんだけど、どうすればいい? そんなおでんの悩みにお答え!

トマトだけでじっくりコトコト
「お店で出しているおでんのトマトは、冬場は一般には流通しない種類のものなので、家庭で作るのは難しいですね。どうしても作りたい場合は、トマトを湯むきして、他の具材とは別にトマトだけをかつおの出汁で煮ます。60℃くらいでじっくり時間をかけて煮ることがポイントです」

ジャガイモはメークイン
「おでんのジャガイモは煮崩れないメークインを使用するのが鉄則。また、ジャガイモは60℃くらいで一旦火を止めてしまうと、でんぷん質が固まってしまい、その後どんなに煮ても柔らかくなりません。ジャガイモも先に別の鍋で煮て柔らかくしてから、おでんの鍋に入れるのがオススメです」

卵は別鍋で半熟に
「卵は煮すぎると固くパサパサになってしまいます。別の鍋で半熟にした卵に、おでんの出汁をかけて食べるのと、おいしくいただけます」

最後に、堀さんオススメの具材や変わり種について聞いてみると、「おでんの具材は、中でバラバラにならなければ、なんでもいいですよ」とのこと。バラバラになってしまうものでも、「油揚げに納豆を入れて巾着にするとおいしいですよ」と目からウロコの解決策が。

冬の定番「おでん」も、ポイントを抑え、工夫次第で楽しみ方が広がります。この冬は、新たな掛け合わせによる出汁や、簡単アレンジした具材で、自分好みのおでんを探してみてはいかがでしょうか。

取材協力:堀知佐子さん。管理栄養士、調理師、抗加齢医学会正会員、食生活アドバイザー。アンチエイジングをテーマにしたレストラン「ル・リール」オーナー兼シェフとして、健康とおいしさが両立した料理を提供。京都の料亭「菊乃井」がデパートに提供するお惣菜の開発も手がけている。著書に「少ない調味料とポリ袋でできる もみもみ 焼くだけレシピ」(家の光協会)、「今日から変わる! 若返り食生活」(きずな出版)など。

堀知佐子さんも出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時26分からのOAも要チェックです!

(取材・文/ササキノノカ)

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