老舗せんべいメーカーの感動復活劇:カンブリア宮殿

公開: 更新: テレ東プラス

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11月21日(木)夜10時放送の「カンブリア宮殿」は、「従業員の幸せが第一。売り上げや利益は、その結果として返ってくるもの」と語る2代目社長・小松務が仕掛ける地方の菓子メーカー感動のサバイバル術、その全貌に迫る!

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青森・岩手地区の郷土食「南部せんべい」。伝統料理の「せんべい汁」にも使われる食材で、起源は500年前とも言われている。その「南部せんべい」の最大手が、岩手県二戸市に本社を置く「小松製菓」だ。人気の理由は、現代風にアレンジした商品の数々にある。サキイカをまぶした「いかせんべい」や、りんごチップスをのせた「林檎せんべい」など、同業他社を圧倒する200アイテムを品揃えがある。小松製菓は、こうした「常識にとらわれない」商品開発で売り上げを伸ばし、年商は約30億円。

そんな小松製菓の最大の特徴が、実は、「従業員の幸せ」にあるという。例えば、子供を幼稚園や保育園に通わせるママには、最大で月1万円の補助金を支給。一方、定年を迎える社員には、希望すればいつまででも働ける制度を整え、退職者が働ける場所まで作ったという。他にも「社員の誕生会」や「社員へのお歳暮」、退職者に年2回の「年金」を支給するなど、とにかく、従業員が喜ぶ仕組みが社内にあふれている。

なぜ、地方の菓子メーカーが、ここまで社員を大切にしながらも業績を伸ばしているのか?「従業員の幸せが第一。売り上げや利益は、その結果として返ってくるもの」と語る2代目社長・小松務が仕掛ける感動のサバイバル術、その全貌に迫る!

一番大事なものを忘れかけていた"倒産の危機"

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「従業員の幸せを追求する」という小松製菓の経営の根幹を作り上げた人物...それは、2代目社長・務の母、創業者の小松シキだ。8人兄弟の末っ子として生まれたシキは、早くに父や兄弟を亡くし、幼少期から丁稚奉公に出される壮絶な人生を歩んできた。そんな境遇の中でシキが生み出したのが「支えてくれる従業員を大切にする経営」だったという。

しかし、1990年代に入ると...アイデア商品をヒットさせてきた小松製菓に大きな転機が訪れる。母から会社を引き継いだ務は、バブル景気の波に乗って、新商品を続々開発。店舗は18店舗に増やした。

しかし、その投資の影響により、工場建設の借金や人件費がかさみ、赤字に転落、一気に倒産の危機にさらされたのだ。小松は「当時の私は"売り上げ主義"という病気にかかっていた。」と振り返る。そんな危機を乗り越えることができたのも...実は、社員を大切にする気持ちにあった。従業員と二人三脚で危機に立ち向かった感動の復活劇を徹底取材した。

伝統菓子を超えた大ヒット商品! 涙の物語

伝統を守りながら積極的な商品開発に挑み続けている「小松製菓」には、最近大ヒットさせた商品がある。それが、南部せんべいを細かく砕いて、最高級のチョコレートでコーティングした「南部チョコ」だ。

2009年の発売以来、これまでに250万個を販売。今では売り上げ全体の2割を占める、経営の柱に成長したという。企画開発を担当したのは、青谷耕成(40歳)。しかし、この成功の影には知られざるエピソードがあった。当時社長だった務から「1000万円分のチョコを今すぐ全部捨ててこい!」と言われたという。なぜ小松はそう指示したのか? そこには、伝統を守りながらも革新的な商品を生み出し続ける小松製菓の商売の根幹があった。

【ゲスト】
小松製菓 小松務

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