飲食店で繁盛するためには立地選びは重要なポイント。そんななか、立地はイマイチで座席数も少ない、そして狭い。にもかかわらず繁盛しているお店があります。それが「タイ家庭料理 チャーンタイ」。失礼を承知で「なぜ潰れないのか?」を聞いてきました。
クリーミーなグリーンカレーがまいうー
東京メトロ・新宿御苑駅から歩いて7分。ビルが立ち並ぶ一角に「タイ家庭料理 チャーンタイ」はあります。
大通りに面した場所にないため、人通りはまばら。初めて訪れる人は、ここにタイ料理屋あることに気付かず、素通りしてしまうことも。
店内ではタイ出身のママが一人で切り盛りしています。店内はカウンター6席と奥に3席があるのみ。ランチタイムは常に満席で、入店できないこともしばしば。
さっそくママ自慢の料理をいただきましょう!
今回は「グリーンカレー」をオーダー。
野菜たっぷり。鶏肉もぷりぷりです。
食べてみると、クリーミーな味わいの中にグリーンカレー特有の辛みがピリッ!
「ココナッツミルクと牛乳をたくさん入れてるから、まろやかな味わいだよー」
――野菜たっぷりですね。
「タケノコ、パプリカ、ピーマンに茄子を使ってるよー。仕事の合間に来るお客さんが多くて、みんな仕事疲れしている。だからお客さんには、野菜でエネルギー補給をしてお腹いっぱいになって元気になってほしいって思ってます」
――グリーンカレーのこだわりは?
「バイマックルー。これはみかんの葉を粉状にしたもので、グリーンカレーの香りづけに使ってる。うちで使用しているものは、タイにいる私のおばあちゃんの手作りで、市販のものより香りが強いんですよー」
お客の80%が常連客。その常連客が人を連れてくる
――今回の取材のテーマに話題を移してもいいですか。なぜこのお店は繁盛していると思いますか?
「お昼はいっぱいだけど、夜はそうでもないよ(笑)。まぁ、オープンした1年前に比べるとお客さんは増えたね」
――リピーターが多いようですね。
「そうだね。あとは常連さんが友達を連れてきてくれて、その友達が常連になって、また友達を連れてきてくれる」
――何割くらいが常連さん?
「約80%のお客さんが常連さんだよ」
――接客で気を付けていることは?
「私、おしゃべりだから、いっつもお客さんに話しかけてる。お友達だと思って喋っちゃうね。『お仕事、どうですか~?』とか『元気?』とか。だから、1人で来ても寂しくないと思うよ。私と喋れるから(笑)。お店を出たら、お客さん、笑顔になる。それでOK~。食べて、喋って、元気になる。これが一番だね」
たしかに!インタビュー中もママはずーっと笑っているし、こちらも楽しくなりました。
常連客にも話を聞いてみました。なぜこのお店に通い続けるのか?
「お昼にここに来ています。たまたまお店の横を通ってここの存在を知ったのですが、ドアが飲食店っぽくないので、最初は入っていいのかどうか迷いました(笑)。ただ料理を食べてみたら美味しくって、それ以来、週3は来ています。野菜がたくさん入っているので栄養が採れるし、お昼のセットにはデザートもついているので、コスパもいいです」(派遣事務・30代女性)
「このお店の近くにある会社で働いています。ママとはすぐに仲良くなりました。いつも一人で来店するのですが、ママが話しかけてくれるので、"ぼっち"で食べている気がしません。おかげで楽しく食事ができています」(編集・30代女性)
「毎日ここのグリーンカレーを食べていた時もありました。ちゃんと食材を選んで作っているなって感心しますね。ほかのタイ料理屋と比べると、味に品があって、初めて食べた時は『おおっ、美味しい』と驚きました」(飲食店・50代男性)
どうやらママのお店が潰れない理由は、常連客の心をガッチリ掴んだ料理と接客のようです。常連客を離さないことは商売の基本ですが、それを実行することは大変。やっぱりママは偉大だな~。
【取材協力】
「タイ家庭料理 チャーンタイ」
住所:東京都新宿区四谷4丁目28 三ますビル 1階
営業時間:11時30分~15時、18時~22時
定休日:日曜日、祝日
※この情報は、2019年11月時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください