「今はもう誰も信じてない」 親の借金、イジメ、女性の手ひどい裏切り...屋久島の森で40年間一人で暮らす未確認日本人:ナゼそこ

公開: 更新: テレ東プラス

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世界で活躍する知られざる日本人を取材し、ナゼそこで働くのか、ナゼそこに住み続けるのかという理由を波瀾万丈な人生ドラマと共に紐解いていく「世界ナゼそこに?日本人~知られざる波瀾万丈伝~」(毎週月曜夜9時)。「テレ東プラス」では、毎回放送した感動ストーリーを紹介していく。

何もかも手作り! 屋久島の森で40年間一人暮らし

日本にも、ナゼそこに? と思わずにはいられない、究極の秘境で暮らす人々がいる。今回は本当にいるかわからない、未確認日本人を大調査! 今回は、1993年に世界遺産に登録された鹿児島県の離島・屋久島の森の中で、40年間一人で暮らしている仙人のような日本人に注目。空港で聞き込みをしたところ、仙人は京都から移住し森の中に住んでいるとのこと。

鹿も出没する山道を迷いながら進み、「仙人に怒られたことがある」という女の子の案内も得て森の奥へ進むと、見るからに怪しい草木のゲートが。これが仙人の家の入り口なのだという。確かに奥の方に家があり、半裸の男性が!

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スタッフが「仙人の方?」と聞くと、「誰がやねん!」と笑うこの男性が、40年間森で一人暮らしをしている仙人こと菊池亨さん(67歳)だ。

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菊池さんは、廃材で手作りした家で、11匹の猫と生活している。ガスはなく、水道は昔の島民が利用していた水路を利用。トイレはバケツ、風呂は露天の五右衛門風呂で、台風で飛ばされてきたカーブミラーの洗濯板で服を洗う。畑ではキュウリやカボチャなど10種類以上の野菜を栽培し、お茶も豆腐も服も手作り。足りないものは浜辺で拾い、キャットフードなどはホームセンターで調達。月3万円の年金でやりくりしている。

黒電話はダイヤルが錆びて動かず受信しかできないが、自分からかける人もいないので構わないという。「できれば誰にも会いたくない」と、人との交流を避けるように屋久島の森で暮らして40 年。聞けば、元々は京都生まれのお坊ちゃんだったそうだが、なぜ京都から移住し、屋久島で暮らすことになったのか?

借金で荒れる家を飛び出し、虚しさから屋久島へ

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1952年、京都に生まれた菊池さん。父は会社を経営しており、家は裕福だったという。しかし壮絶なイジメに遭い、ストレスで笑顔が完全に消えてしまう。その反動で、今は作り笑いをしてしまうという。そして14歳の時には父の会社が倒産。多額の借金を背負った父の元に暴力団が来て暴れ、寝られなかったそう。しかも父は祖母に借りた金も返さず、祖母が金について聞くと父は逆上。祖母は倒れて帰らぬ人となってしまった。

「もうこんな家にはいられない」と、高校卒業後に家を飛び出した菊池さん。20歳で焼き物店に就職し一人暮らしを始めるが、アパートを借りるためになぜこんな苦労をして金を貯めなければならないのかと虚しくなってしまった。人と関わらずにお金に縛られない生活をしたい......。そんな時、屋久島の土地が安く売られていると聞き、27歳の時に今住んでいる土地を80万円で購入して、森の中に移住したのだ。

自分で作った焼き物を売って生計を立てる自由な生活。「これからの人生、幸せな日々が送れる」と思っていた矢先、またしてもどん底へ落とされる出来事が! 詳しくは明かせないが、人生で初めて信じようと思った、屋久島で出会った女性から手ひどい裏切り行為をされてしまう。

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「もっともっと人が嫌いになって、今はもう誰も信じてない」
完全に心が壊れてしまった菊池さんは、島民との交流を断ち、家族とも連絡を取らなくなった。思い出しただけでも涙が止まらないという。

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「本音を言えば寂しい時もある」と漏らす菊池さん、最近"人の大切さ"を感じたことがあるという。子どもの時の友達から電話があり、ずっと電話に出なかったことを怒られたそう。「お前が何を言おうと友達だろ」と言ってくれる、本当の友達。ずっと一人だと思っていたが、自分を想ってくれる人もいるのだ。

屋久島の森の中には、幾多の苦労はあったものの、長年憧れ続けてきた自由な暮らしを楽しむ一人の日本人がいた。

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次回11月18日(月)の「世界ナゼそこに?日本人~知られざる波瀾万丈伝~」は、夜8時から2時間の「ニッポンの秘境スペシャル」。沖縄・西表島のジャングルで、なんと18年間もたった一人で0円生活を送る"仙人"を発見! 海辺にバケツや鍋のドラムセットや発泡スチロールのイカダなど、漂流物で遊具を手作りし、人生をエンジョイ。しかし、その裏には娘4人を苦労して育てた波瀾の人生が......。

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