「ほら、アレ、なんだっけ」は脳のSOS? 冴えわたる頭脳のために始めたい脳ケア5つ

公開: 更新: テレ東プラス

nocare_20191114_00.jpg画像素材:PIXTA

「うーん、名前が思い出せない」「あれ、また忘れちゃった」......こうしたことが頻繁に起きるなら、それはもしかしたら脳からのSOSかもしれない。働き盛りのビジネスマンたるもの、ウッカリやボンヤリをなくして、冴えわたる優秀な頭脳を持っていたいもの。

でも、どうケアすればいいんだろう? 脳を格安で検査してくれることから人気に火がついた「メディカルチェックスタジオ 東京銀座クリニック」で、上手なブレインケア術を聞いた。

104歳の脳は「美しかった」――脳は"血流"が命!

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「先日、104歳の女性が診察にいらっしゃったんですよ。検査で頭の中をのぞいてみたら、とにかくきれいで感動しましたね! その年までお元気ということは、やっぱり脳も美しく保たれているんだ、と......」

そう話すのは、「メディカルチェックスタジオ 東京銀座クリニック」院長の知久(ちく)正明先生だ。

この「メディカルチェックスタジオ」は1万7500円(税別、相場は3〜5万円程度)という破格の値段で脳の検査ができるとあって、ビジネスマンの間で人気を博す画像検査専門のクリニックだ。検査では、MRIで脳の中を撮影、3人の医師、AIの補助的診断チェックを経て、結果がオンラインで送られてくる。開業以来2万人以上が受診している人気ぶりだ。2万人のうち2割は「所見あり」だというから、脳の中が怪しい人は意外と多い。

さて、脳が「美しい」とは一体どういうことなのか。

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「ざっくりいうと、脳は"血流"が命。当院の脳ドックでも、最も慎重にチェックしているのは脳内の血管。加齢とともに血管がクシャクシャになったり、腫れたり、歪んだりすると、脳内の血流が悪くなり、結果として病気などの異変が起きます。その点、先ほどお話しした104歳の女性の脳は、ご高齢にも関わらず血管がきれいで、血流も良かったんですよ」(知久先生)

なるほど、脳をすこやかに保つには、脳内の血が滞りなく流れていることが重要なのか。
ただ、この104歳の脳はやっぱり特殊なケース。一般的には、加齢とともに血管が衰えるのは仕方がないこと。脳梗塞、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、認知症といった病が高齢者に多いのはそのためだ。脳ドックの受診も、これまで50代以上の人を対象に推奨されてきたのだが......。

「実は、若い世代でも脳にリスクを抱えていることがわかってきているんですよ。たとえば、脳内の検査をすると画像の中に白いシミのようなものが映ることがあります。このシミは脳の血流の低下を表しており、『大脳白質病変』といって明確な病気ではないのですが、将来、病気につながる予兆なのです。これを放っておくと無症状のままだんだんシミの範囲が広がり、ある日突然、認知症や脳梗塞といった何らかの病気となって現れるんです」(知久先生)

nocare_20191114_03.jpg▲「大脳白質病変」の症状段階

この大脳白質病変は、健康な状態をグレード0とした場合、グレード1は10代から始まっているケースがある。これを未病のうちに対策できれば、高齢になってから病気になるのを防げる可能性があるという。

nocare_20191114_04.jpg▲年代別脳白質病変

つまり、若い世代であっても脳リスクは存在するということ。高齢になるのはまだまだ先でも、将来のために日頃から脳をいたわりながら過ごすのが理想といえそうだ。

ブレインケアに効果的な5つの習慣

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では、いつまでも元気でクリアな脳を維持するためには、日頃からどんな脳ケアを行えばいいのだろう?

「ぜひ明日の脳のために、今日から次の5つのことを意識してみてください。どれも特別なことではないのですが、忙しく働く世代はおざなりになりがちかもしれませんね」(知久先生)

□6時間以上ぐっすり眠ろう
睡眠は人体に備わった最大のダメージケア。6時間以上は確保するのが理想的。ぐっすり眠ることで脳も冴えわたる

□運動は有酸素運動がベスト
無酸素運動による体への負荷はストレスにつながり、自律神経を狂わせる恐れがあるため、できればゆったりと呼吸しながらできるヨガや散歩といった有酸素運動を取り入れて。

□お風呂に浸かって血行アップ
寒い季節ほどしっかり湯船で温まって、脳を含めた全身の血流をテコ入れ。良質な睡眠にもつながるはず。

□食事の後はゆったりとリラックス
食後は副交感神経が働く時間だから、動き回らずに体を休めるのが◎。スペイン人の食後のお昼寝(シエスタ)は実はとっても合理的なのだ。

□タバコを吸う人は本数を減らそう
ニコチンは、脳を含めた全身の血流を阻害する。実際、脳の病気にかかるのは愛煙家が多いとのデータもある。健康な脳のためには、できるだけ本数を減らしていこう。

□楽しいことでストレス発散
過度なストレスは自律神経を狂わせる要因の一つ。副交感神経が働かなくなると、血の巡りが悪くなる。好きなことを見つけてストレスをしっかり発散して。

nocare_20191114_06.jpg画像素材:PIXTA

睡眠時間が足りない、ストレスがたまっている、食事をとる時間がなかった......こうした生活習慣は脳に悪影響を及ぼす。脳内の血行を滞らせて、脳に栄養が行き渡らなくなり、結果的に忘れ物が増えたり、人の名前が思い出せなかったり、いつもゆううつな気分で落ち込んでしまったりする。

「えーと、あれ、なんだっけ、ほら」と言いかけたら、あるいは、ストレスフルな毎日で脳の疲れを感じたら。ちょっとリラックスして、脳を含めた全身の血のめぐりに意識を向けてみよう。結果的に、いつまでも若々しい健やかな体づくりにもつながるはずだ。

【取材協力】
メディカルチェックスタジオ 東京銀座クリニック
住所:東京都中央区銀座1丁目2-4サクセス銀座ファーストビル 2F
電話番号:03-6263-2570(代表)

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