原因は夫の実家の愛猫たち...猫アレルギー発症で夫婦の危機。解決策は?:主治医の小部屋

公開: 更新: テレ東プラス

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主治医が見つかる診療所」(毎週木曜夜7時58分から)は、皆さんが知りたい医療の疑問に、第一線で活躍する医師たちが優しく答える知的エンターテイメントバラエティ。病院の選び方のコツや今すぐできる健康法など、最新情報を交えて発信しています!

今回WEBオリジナル企画「主治医の小部屋」に寄せられた健康相談は、猫アレルギーを軽減させる方法についてです。症状のみならず夫婦関係に関わる難題ですが、さっそく同番組のレギュラー・中山久德医師に伺ってみましょう。

まずは病気だと理解してもらうことが大切

Q:30代女性です。主人の実家では猫を3匹飼っていて、帰省するたびにくしゃみ、鼻水が止まらなくなり困っていました。あまりに症状が激しいので病院に行ったところ猫アレルギーと診断されました。とはいえ親戚付き合いのことを考えるとそれを理由に帰省しない、というわけにもいきません。症状を抑えるよい方法があれば教えてください。

── 猫がいるから私だけ実家に行けない......とはなかなかいえない難しい状況にお困りのようです。

「切実なお悩みですよね。恐らくは家の中で飼われているのだと思いますが、義理のご両親はきっと猫好きの方でしょうから、猫を理由に行かないとなると不和の始まりになりそうな話です。

ただ、この相談者はすでに病院に行って検査をした結果、猫アレルギーと診断されています。アレルギー検査は、血液検査などでどういったアレルゲン(アレルギーを起こす原因)に反応するかを調べるものです。猫の場合なら剥がれた皮膚や毛などに反応したということだと思うので、猫が好きか嫌いかは関係なく、この方は病気として猫がいるとアレルギーを起こしてしまう体質なのです。しっかり診断がついている以上、まずは「病気なのだ」ということをご主人の実家には理解してもらわなくてはなりません。

アレルギーは何でもそうですが、アレルゲンがわかっていれば、それを避ける(遠ざける)のがいちばんの基本治療です。中にはダニやカビ、ハウスダストなどいくら部屋をきれいに掃除してもまったく原因をなくすことはできないものもありますが、動物であれば避けることも不可能なことではないと思います。」

── 猫に直接触らなければ大丈夫でしょうか。

「動物アレルギーは犬や猫、モルモット、ハムスター、鳥などのペットにみられることが多いのですが、接触してアレルギー反応を起こすというよりも、たいていは剥がれた皮膚や毛、糞尿などが原因です。少なくとも同じ部屋、同じ空間の中にアレルゲンとなるペットを入れないのが原則と考えたほうがいいですね。義父母にはそのことを説明して、帰省時だけ他の部屋に猫たちを移動してもらう、あるいは猫たちが入らない部屋で会うようにするなどしてみてはどうでしょうか。実際にそううまくはいかないという場合には、なるべく猫が来てもじゃれない、または猫とできるだけ距離を置くことも大切です。」

shujii_kobeya_20191113_02.jpg画像素材:PIXTA

帰省にこだわらず、旅行を提案してみる方法も

── くしゃみ、鼻水くらいなら花粉症と同じだと思われそうですね。

「くしゃみが出る、咳が出る、かゆくなるくらいの症状でもつらいですが、さらにアレルギー反応が怖いのは "アナフィラキシー" といって、息苦しくなる、血圧が低下してしまうなど生命に関わるような全身性の症状が起きる場合があることです。それを考えると、何かしらアレルゲンの接触によって症状が起きてしまっているようであれば、そこまでして行くべきかどうか判断の分かれるところです。

どうしても行かなければならない場合には、マスクをする、猫に触れたら手を洗う、手袋をする、目がかゆいようであればゴーグルをつけるなど、花粉症のときのような対策を講じておくと少しは軽減できます。あまり露骨にしたくないときには抗アレルギー薬を前もって飲んで、症状を和らげておくというのも一つの方法です。

ただ、薬を飲んでも抑えられないような症状が出るようでしたら、"家" にこだわらないという考え方も。例えば、会うのは実家近くの食事ができる店にする、どこかのホテルや旅館などに一緒に泊まりましょうと提案して、くつろぐ時間をつくるという工夫をするのもいいかもしれませんよ」

── 中山先生、ありがとうございました。

【中山久德医師 プロフィール】
1965年 東京都生まれ。1988年 早稲田大学商学部卒業 1996年 国立山形大学医学部卒業 東京大学医学部付属病院物療内科(現、アレルギーリウマチ内科)入局
東京大学医学部付属病院、東京都立駒込病院アレルギー膠原病科を経て国立相模原病院(現、国立病院機構相模原病院)リウマチ科医長
2012年 そしがや大蔵クリニック開業
内科総合専門医、リウマチ専門医、骨粗鬆症認定医

※この記事は中山久徳医師の見解に基づいて作成したものです。

今回お話を伺った中山先生が出演する「主治医が見つかる診療所~上手にとって10歳若返る!ミネラルの裏ワザSP」(11月14日木曜夜7時58分~放送)。

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