キャンプ歴33年! ドラマのアウトドア監修も務めたスタイリストが直伝! 絶対持っておきたい道具&時短で映えるキャンプ飯ベスト3:ひとりキャンプで食って寝る

公開: 更新: テレ東プラス

自然の中、ひとりでテントを張って焚火を見つめ食事を楽しむ──。三浦貴大夏帆が隔週で主役を務めるドラマ25「ひとりキャンプで食って寝る」(毎週金曜深夜0時52分~)は、キャンプの醍醐味(だいごみ)でもある「食」をテーマにした物語だ。奇数回に登場する三浦は缶詰と簡単な食材でアレンジ調理を楽しむ大木健人を、偶数回に登場する夏帆は山や川などで自ら食料を調達する七子を演じる。

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日常とは違う景色や音を感じながらの食事は、何よりのぜいたくともいえる。そこで今回「テレ東プラス」では、本作のアウトドア監修を手がけたスタイリストの平健一さんに、簡単で仲間から一目置かれそうなキャンプ飯の作り方や、ひとりキャンプ初心者におすすめのキャンパー向け道具などについてアドバイスしていただいた。

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ひとりキャンプで揃えておきたい3つのギア〈道具〉は?

──作中にはパッキング道具やキッチン道具など、オシャレで気になるキャンプ用品が数多く登場します。それぞれ揃えるにあたり、こだわった点はありますか?

夏帆さんのパートに関しては、担当する冨永昌敬監督から「会社勤めの女性がキャンプをする感覚にしたい」との注文をいただき、おもにホームセンターなど、比較的どこでも手に入りやすいギア(道具)で統一しました。

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一方で三浦さん演じる健人は、アウトドア好きで雑誌で情報を積極的に集める男性のイメージ。洋服好きでありアウトドアオタクでもあるということで、ジャケットはチェコのブランド「Tilak(ティラック)」を採用しました。インナーは日本未発売の「パタゴニア」のフリース、パンツは「GRIP SWANY(グリップスワニー)」、靴は「hobo(ホーボー)と「ダナー」のコラボを選び、リアルさにこだわりました。

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ですからキャンプ初心者が見ても参考になると思いますし、熟練キャンパーから見ても「お、このブランドを使っているのか!」と楽しめるのではないでしょうか。

──"ひとりキャンプ"の楽しみ方もドラマのテーマのひとつですが、平さんはひとりキャンプをしたご経験はありますか。

基本的にはキャンプは多人数で行きます。でも、ここ数年でひとりキャンプする人口がずいぶん増えた印象がありますね。なんといってもひとりキャンプは、何も制約がないところが魅力的。集合時間や友達、恋人への気遣いから解放され、思う存分に自然を楽しみ、好きな時間に帰宅できる。僕自身はロケや撮影が多くてなかなかひとりキャンプには行けませんが、素晴らしい体験だと思います。

──では、さっそくひとりキャンプ初心者に向けて、揃えておきたいおすすめのキャンプ道具を3つ教えてください。

まずはランタンですね。「コールマン」の「2500 ノーススター」なら、ポンピングいらずで火もつけやすい。初心者にも扱いやすくお手頃です。ガスではなくLEDライトなら「ルーメナー2」でしょうか。携帯電話のような形で、4段階の明るさに変わります。防水・防塵でモバイルバッテリーの代わりにもなるので、被災時にも活用できます。

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次に、イスにもこだわりたいですよね。1話で渋川清彦さん演じる男性が使っていた「カーミットチェア」がおすすめ。アメリカの手製の折りたたみイスで、小さくたたむことができるんです。もともとはバイクツーリングのための携帯イスで、最近では座面を自分たちの好みの布に張り替えるのが流行しています。

最後は焚火ポンチョ。焚火を囲んでいて、火の粉で服が破れてしまったという話をよく聞きます。「グリップスワニー」の「ファイアープルーフポンチョ」をダウンやフリースなどの上から羽織れば、火の粉が付いても燃え広がりません。どうしても後回しになりがちなアイテムですが、せっかく高価なダウンを着込んでいても穴が開いてしまったなんてことになったらシャレになりません。最近では他のメーカーも積極的に焚火ポンチョをリリースしているのでぜひチェックを!

誰もが一目置く"こなれキャンプ飯"ベスト3

──さて道具が揃ったところで、欠かせないのがドラマの重要なテーマでもある食事。簡単なのに周りから思わず感心されるようなキャンプ飯を教えていただきたいです。

はじめに材料について。地産地消じゃないですけど、地元の食材を使うと話題も増えて盛り上がります。その地域への貢献にもなるし、キャンプ場付近のスーパーなら地元の食材は必ずと言っていいほど販売されているので、ぜひ使ってみてください。

【おすすめ1 簡単タコス(写真中央)】
これは誰でも作れる"モテ飯"のひとつです(笑)。 直径20センチほどのトルティーヤも最近ではスーパーなどで手軽に購入できますし。塩、胡椒とシーズニングソースを振った牛豚の合いびき肉(普通のひき肉でも可)を炒め、そこにトマト缶とサルサソースを絡めて、レタスと一緒にトルティーヤで巻いて食べる。見栄えも良くて、周りにも喜ばれます。ひき肉が面倒な場合はソーセージでもOKです。

【おすすめ2 トマトとモッツァレラのバジルパスタ(写真下)】
オシャレ系ならコレ! サラダスパゲッティをゆでて、ジェノベーゼソースと半分に切ったミニトマト、手で小さくちぎったモッツァレラチーズをトッピングし、最後にバジルを散らして完成です。サラダスパゲティはゆで時間1分タイプのものがおすすめです。

hitoricamp_20191107_06.jpg写真提供:見城了

【おすすめ3 ピーつくね】
ひき肉にスペシャルブレンド調味料「ほりにし」をまぶして、つくね状にして炒める。いい感じに火が通ったら、種を取り水にさらしたピーマンでくるんで食べる。ピーマンの肉詰めと違い、ピーマンのシャキシャキ感がそのまま残っておいしいですよ。ほりにしは比較的大きなスーパーなら手に入ると思います。最後に「ほりにし」もまぶしてもいいですね!

hitoricamp_20191107_07.jpg写真提供:平健一

あとは「肉のかたまり焼き」もおいしいですよね。一度フライパンで肉の表面に焼き色をつけて鉄串を刺し、遠火で30~40分、じっくりと中を焼いていきます。最後に火から下ろしてアルミホイルで包み、好みの焼き加減に調整する。手順は簡単だし、いわゆる"マンガ肉"みたいで写真映えもします。肉汁が表面から落ちてしまわないよう、味付けの塩コショウは焼く直前に。冷凍のものをそのまま焼くのではなく、1時間ほどクーラーボックスの外に出し常温に戻しておくのもポイントです。

キャンプ道具は災害時にも使えるから普段使いできるものがおすすめ

──これまで数多くのキャンプ道具を紹介されてきた平さんですが、最近のはやりの傾向はどんなものでしょうか。

TC(ポリコットン)生地を使ったテントが多くのメーカーから発売され、今後の主流になりそうです。定番のナイロン生地と違って風合いがレトロでいい感じなんですよね。やや撥水(はっすい)性に劣り重量もありますが、緑の中でのたたずまいは変えがたいものがあります。

──流行とは別に、ご自身でキャンプ道具を選ぶ際の基準はありますか?

まず、単純にカッコよくて面白いか。あとは普段も使えるかどうか。どうしても値は張りますが、人生はキャンプより日々の生活の時間が長いわけで、そういうギアは長い目で見たらオトクなんです。たとえば僕が使っている包丁は6万円しますが、家での料理にも使えばコストパフォーマンスはとてもいい。

──ここ数年でキャンパー人口が増え、キャンプ場でのトラブルのニュースを目にすることもあります。キャンプをするにあたっての注意点を教えてください。

よくあるトラブルが就寝時間での騒音ですね。非日常な空間で思わずはしゃぎたくなるのはすごくわかりますが、周りに考慮して声のトーンやスピーカーの音量は落としましょう。夏場の花火も要注意です。「手持ちはいいけど打ち上げはダメ」な場所も多いので。あとは直火問題もよく聞きます。最近では、直接地面で火を起こしてもいいキャンプ場はかなり減っています。禁止の場所かどうかを事前に確かめ、焚火台を持ち込んで楽しむようにしたいですね。

──近年、日本では自然災害も増えています。災害時、キャンプ経験は役に立つでしょうか?

小学校の必修科目にキャンプがあっていいのでは、と思うほどです。台風や地震で災害が頻発するなか、生きる力を養うのにキャンプはとても役立ちます。どうやって水を探すか、電源を取るか、寝床を確保するか...。寝袋やテント、バッテリーの使い方に慣れておけば、いざというとき命を守ってくれるはずです。

──では最後に、スタイリスト平さんならではの「ひとりキャンプで食って寝る」の見どころをお願いします!

まずは、焚火好きの方にはぜひ! 仕事が忙しく「最近キャンプに行けてない」というキャンパーの方はこのドラマで癒されてください。また、これからひとりキャンプに挑戦したい! という方にも観ていただけたらうれしいですね。最低限どんな道具が必要なのか、きっと参考になると思います。
(取材・文 森田浩明)

【平健一氏プロフィール】
スタイリスト。1980年 山形県生まれ 2001年文化服装学院スタイリスト科卒業。雑誌、広告、カタログなどスタイリングやディレクションを担当。アウトドアブランドのプロデュースや監修なども手掛ける。最近は自動車メーカーや企業案件も多い。

主人公の衣装や道具へのこだわりがわかったところで、ますます見逃せない!ドラマ25「ひとりキャンプで食って寝る」(毎週金曜深夜0時52分)、明日放送の気になる第4話の内容は?

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山菜採りのため、ひとりキャンプで山に訪れた七子(夏帆)は、キノコ狩りをしていたお婆さん・みさお(藤夏子)と出会う。触発された七子がキノコを探していると、足を痛め動けなくなっているみさおを発見。一緒に山に来ていたみさおの孫・久丸(坂東龍汰)がかけつけ、無事に救助する。テントに戻った七子が山菜とキノコを使って天ぷらと鍋を作っていると、そこに久丸がキウイを持ってやってくる...。

放送をどうぞお楽しみに!

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