松本まりか「いつも”死”と真正面から向き合い、日々を大切に過ごしてい ます」:死役所

公開: 更新: テレ東プラス

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この世を去った死者たちが訪れる"シ役所"を舞台にしたドラマホリック!「死役所」(毎週水曜深夜0時12分~)。次から次へと現れる死者に「お客様は仏様です」と対応するのが主演の松岡昌宏演じるシ役所の総合案内・シ村である。やがて明らかになっていく死の原因...。生きるとは? 死とは? 人間の普遍的なテーマを炙り出す極上のエンターテインメント作品だ。

そんなシ村を取り巻く職員たちも一筋縄ではいかない者たちばかり。生活事故死課のハヤシ(清原翔)や他殺課のイシ間(でんでん)...。そこで今回「テレ東プラス」では、自殺課に勤めるクールビューティー・ニシ川を演じる松本まりかにインタビュー。徹底した役作りで、原作ファンからも絶大な支持を得ている松本。前後編に渡って、役作りから彼女の仕事に対する思いまで...あますことなくお届けする。

"ニシ川が似てない"となると、ファンの方たちはきっとがっかりすると思った

──今回松本さんが演じるのは、シ役所・自殺課の職員・ニシ川。笑顔を一切見せない役どころですが、役作りについてお聞かせください。

「原作を読んだニシ川の印象はとても強烈なものでした。刺すような視線を持った魅力的なキャラクター。でも、原作の枠をはみ出したくなかったんです。今回は、ビジュアルを始め、いかに忠実にニシ川を演じるか...いかに近づくかということを考えました。最近の私の演じる役とニシ川はとても遠かったので、まずはウィッグをかぶってショートにし、アイラインやホクロもメイクさんに頼んでミリ単位の調整をしながら引いていただいています」

──細かい役作りをしているんですね...松本さんの女優魂が感じられます。

「実写化して"ニシ川が似てない"となると、ファンの方たちはきっとがっかりすると思ったんです。そんなニシ川は私も見たくないし、見せたくないなって...。しかもニシ川のOKラインってものすごく狭いんですよ。そこでまずは形から入ろうと思って、スタッフの方たちにたくさん協力していただきました。時間をかけて準備した分ご迷惑をおかけしてしまったと思います。でも、これだけはどうしても妥協したくなくて...」

──例えば、どのような努力をされたのでしょう?

「外見を整えた後は、漫画のセリフを抜き出して書き写し、まずはニシ川の言葉遣いを吸収しました。現場に入る前は、必ず漫画を読んでイメージトレーニング。でも、漫画のニシ川の表情にとらわれすぎてしまうと、撮影するときに動けなくなってしまうんですよ。いかに自分と原作のニシ川を繋げていくか...その作業はとても難しいものでした」

──そこまで入りこんで演じると、自分の中からニシ川が抜けなくなる時もあるのでは?

「意外とそういうことはないんです(笑)。実は『死役所』は『シャーロック』と同時に撮影していたんですけど、そちらで演じた女性はとても感情的で女性っぽい役。対してニシ川は女性を感じさせない役。ですから各々の現場に入る度、その役に入り込むという感じでした」

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──最近は、女性らしい役やセクシーな役どころも多かったと思います。

「そうですね。最近は、いかにも女子とか恋愛要素が入った作品が多かったです。でも今回はそれが一切なくて、それはそれで大変でした(笑)。女性らしい役ばかり演じていると、なんとなくそっち方面に私自身が寄っていってしまうんですよね...。なので、撮影の合間にふわっとした笑顔が出ちゃったり、女性っぽい表情をしてしまったり、そこを封印するのはかなり大変でしたね。素の私は、あまり女性らしい部分ってないんですけど(笑)」

──撮影現場の雰囲気はいかがですか?

「とても和気あいあいとしていて、すごく楽しかったですね。松岡さんが、いつもそういう楽しい空気を作ってくださるので。だからカメラが回り始めたとき、クールなニシ川になるのがちょっと恥ずかしくなったりします(笑)」

──最後に、ニシ川の魅力と作品の見どころをお聞かせください。

「原作を読んでない方は、彼女がいったい何をして今の状況にいるのか、ドラマでは口数が少ないため、彼女の壮絶な過去を理解するのは難しいと思いますが、そんなミステリーに包まれたニシ川を楽しんでもらえたらと思います。今を生きている人たちに必要な作品だと思っています。私自身、いつも"死"と真正面から向き合い、日々を大切に過ごしていますが、自分の生き方を改めて考えさせられるきっかけになるような力を持っていますので、ぜひご覧ください」
(撮影・取材・文/今泉)

【松本まりか プロフィール】
1984年生まれ。B型。2000年、ドラマ『六番目の小夜子』(NHK)で女優デビュー。2018年、ドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日)で注目される。SoftBankのCM・白戸家「お父さんスマホデビューする」篇にも出演。 11月8日(金)には、15年ぶりとなる写真集「月刊 松本まりか 汀」(小学館)が発売される。

そして11月6日(水)深夜0時12分放送! ドラマホリック!「死役所」。第4話の内容は...。

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シ村(松岡昌宏)が死刑になったのは自分の娘を殺したからだった。衝撃の事実に驚愕する三樹ミチル(黒島結菜)に、シ村は冷静に、成仏の期限まであと1日と告げる。条例にあるように"期間内に手続きしないと冥途の道を彷徨う"ことも。ハヤシ(清原翔)もニシ川(松本まりか)もイシ間(でんでん)も、これまでまっとうに生きてきたミチルは「一刻も早く成仏すべきだ」と口々に言うが...。

悩むミチルの前を、女の子がふらつきながら歩いていた。大けがを負って血まみれになった中学2年生の夏加(豊嶋花)だ。シ村が交通事故死課へ案内すると、大きな事故があったようで課員は大忙しの様子。代わりにシ村が申請書の手続きを始める。まだ14歳の夏加が短い人生を終えたのは、最初で最後のデート中のことだった。

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