現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」（毎週火曜夜10時）。11月5日（火）の放送では、消費税増税から1カ月、増税による家計負担を少しでも減らそうと模索する消費者と、増税を商機と捉えて試行錯誤する企業の思惑に迫る。

みんなで並べば半額に!? それぞれの"節約の秋"

10月6日、増税後初めての週末。開店と同時に人が詰めかけていたのは、愛知県にある衣料品店「オーバヤシ」。増税後の客足減少を防ぐために、ある仕掛けを始めたことで客が集まっていたのだ。その仕掛けとは「グループ割」。店内に客が50人集まれば、なんと全品5割引となる期間限定のスペシャルイベントだ。社長自ら「あと15人くらいお願いします！」と声をかけ、客の数を数える中、家族総出で来店したり、見知らぬ客同士が声をかけ合ったりしては来店に導くなどし、大幅割引ために列をなしていく。

半額になれば財布の紐が緩み、衣料品や日用品を大量に買う人が増えるという店側の狙いがある。その一方で、客側もあらかじめ増税後の大幅割引を狙っていたり、店ごとの特典を調べたりと、お得な買い方を冷静に見極めていた。

9月下旬。増税を前に家族会議を開いていたのは、千葉県に住む冨士さん一家。子どもが増え、家や車を買い替えたいと思っていた矢先の消費税増税。「2%でも積み重なると痛い」と話す妻の越代さんは家計を支えるため、働きに出ることを決意する。

2週間後の日曜日。家族を自宅に残し、スーパーで食材を選ぶ越代さんの姿が。越代さんが選んだ仕事は調理師の資格を活かした料理の出張作り置きサービス。「シェアダイン」という会社が手がけている。予算の範囲内で買い物をし、依頼人の自宅台所で調理する。依頼主のリクエストに合わせ、具体的な食材やメニュー選びは、越代さんに任されることに。育児に専念していた生活から一転、収入を得ることの大変さを痛感する。

一方、この作り置きサービスを依頼したのは、3人の子供を持つ佐々木さん。夫婦共働きで外食が多いため、増税を機に節約を考えていた。9月の外食費は、焼き肉やハンバーガーなど9回で、約4万5000円。対して作り置きサービスなら、ほぼ同じ回数分の食事が、サービス料と食材費込みで2万円程と半額以下でまかなえる。

早速準備を始めた越代さん。次々と料理を作る手際の良さに、依頼主の佐々木さんも興味津々。越代さんは調理をしながら、「パラパラに作るポイントがあって...」とチャーハンの作り方など調理方法もアドバイスしたりもする。買い物代行から始まり、約3時間の間に、炊飯器で作ったポトフや鮭の漬け置きなど10品、5人家族の4日分のおかずが完成した。

味も好評で、佐々木さんは、作り置きサービスは節約にもなると大満足。この日の越代さんの時給は約2000円。3時間で6000円の収入になった。新たに仕事を始めたり、外食を控えたりと、それぞれの家庭で大増税時代を生き抜きぬく"家計防衛戦"が始まっていた。

現金主義の頑固オヤジも一転！キャッシュレス決済の今

消費税率の引き上げに伴い実施されているのが、キャッシュレス決済によるポイント還元。中小の店舗で買い物をすれば、来年6月まで最大5％の還元が受けられるとあり、これを機にキャッシュレス決済の利用を始めた人も多い。

川崎市に住む久寿米木勝さんもそのひとり。「今のままで別に困ってない」とキャッシュレスに消極的だったが、増税を機に子供たちに説得されてスマホ決済を始めることに。

半信半疑で近所のドラッグストアへ行き、スマホ決済を体験。キャンペーンのポイント還元が当たると、早くもスマホ決済にはまった様子。1日平均10億円が還元されるなど急速な広がりを見せる一方で、多くの決済事業者が乱立している状況に戸惑いの声もある。

増税を商機と睨むスマホ決済サービスのひとつが、中古品を売買できるアプリ「メルカリ」が展開する「メルペイ」。

増税前の駆け込み需要もあり、順調に利用者数を伸ばすが、若者や高齢者層への浸透は今ひとつ。そこでマーケティング責任者の山代真啓さんは、まだ現金利用者が多い東京・巣鴨でスマホ決済のやり方を一から学べる講座を仕掛けることに。商店街の一角で、スタッフが登録の仕方から丁寧に教える。ただ、なかなか登録できない高齢者も。多くの人にわかりやすくするという課題も抱えている。

番組では、増税後も消費税廃止を訴える「れいわ新選組」の山本太郎代表の活動にも密着。大増税時代を生き抜く人々の暮らしに迫った「ガイアの夜明け」は今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく！

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