取得するのは10人に1人...男性の育休はなぜ浸透しないのか:相内ユウカにわからせたい!

公開: 更新: テレ東プラス

23歳の新人バーチャルアナウンサー「相内ユウカ」が経済報道番組ワールドビジネスサテライト(毎週月~金曜 夜11時)放送後、キャスターを捕まえて「重大ニュース」や「わかりにくかったニュース」について、ゆる~く質問攻めを繰り広げる、YouTubeオリジナルコンテンツ「相内ユウカにわからせたい!」。

10月29日(火)の配信では、「男性の育休(育児休業)」をテーマに山川龍雄キャスターが相内ユウカに解説した。この日、政府が国家公務員の男性職員に、原則1ヵ月以上の育休取得を促す方向で検討していることが明らかになった。政府が率先して取り組みを進め、民間企業などで育休が取得しやすい環境を作るのが狙いだ。なかなか浸透しない男性の育休。その背景とは──。

男性の育休取得率は10人に1人

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山川:男性の育休取得率は、6.16%(厚生労働省調べ 2018年度)です。10人に1人にも満たないが、これでも増えてきた方です。

ユウカ:これで!?

山川:国は2020年までに男性の育休取得率13%を目指していたけど、どうも実現できそうにない。そこで危機感から「まずは自分たちが率先していかなければ」と男性国家公務員の育休義務化を促したわけです。

ユウカ:忙しい霞が関(官庁街)の人たちがちゃんと育休を取得できるのかなぁ。

山川:ちなみに約6%という数字も少ないと思いますが、もっと衝撃的なのが取得期間。取得した人のうち、「2週間未満」が7割超です。

ユウカ:それって育休っていえるの? なんでこんなに浸透しないのかな?

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山川:あるアンケート調査によると、男性が育休を取得しなかった理由の1位は「取得しづらい雰囲気」。上司の理解がないなど、いろんな理由を含んでいると思います。2位は「制度が整っていない」。社内で育休を取る仕組みができていないということでしょう。3位の「仕事が忙しい」は、実際に仕事が休めない場合に加えて、自分が休めば誰かが迷惑するかも、という負い目もあると思います。日本人は真面目ですよね。4位は「給料が心配」、5位は「妻や両親がいる」という理由です。

ユウカ:これが現状ということね。

山川:でも、有給のような形で育休が取れる日数でいえば、日本は世界的に見てもかなり恵まれています。他の国は収入減少が前提で育休を取るのが当たり前ですから。それでも日本人が取らないのは、文化や価値観の違いに起因するんじゃないかな。

男性の育休の先にある「男女平等」

ユウカ:そう聞くと、育休を取得するメリットが男性には見えにくいよね。

山川:家庭側なら「子どもと触れ合う時間が増える」「家事・育児への理解が深まる」「夫婦仲が良くなる」というメリットがあります。僕が言える立場じゃないけど、若い人たちにはなるべく育休を取ることを勧めたい。会社は定年までだけど、家族とは一生の付き合いだから。最期を看取ってくれるのは家族ですよ。

ユウカ:自戒の念を込めてそう思うのね。でも企業側にも育休のメリットはあるんでしょ?

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山川:育休によって人員配置が難しくなるなどネガティブに捉えがちだけど、もちろんあります。企業のイメージ向上によって良い人材も増え、離職率も低下する。また、休むのが当然になれば、働き方の効率化も進みます。企業側にもちゃんとメリットがあると感じてもらいたいですね。

ユウカ:うん。

山川:育休にはいろんな意見がありますが、突き詰めれば男女平等の実現につながると思うんですよ。入社試験では女性が上位に並ぶのに、面接を重ねた結果、男性を多く採用する会社がいまだに多い。なぜか。「子どもができて辞めてしまうかも」「長い産休・育休は、人材配置上困る」ということが暗黙にあるからです。だから採用の段階で女性が不利になっている。

ユウカ:男性が育休を取ればそれが解決するってこと?

山川:極論ですが、男性が何ヵ月も育休を取るのが当たり前という前提になれば、会社もいろんな仕組みを変えざるを得ないわけです。

ユウカ:でもさ、育休を取ったことのない人が企業の上にいるわけで。どうやったら意識が変わるの?

山川:「俺たちの時代は...」と言う上司は必ずいますよ。だから全部の意識を変えるにはやっぱり会社のトップの采配です。そして、上司の評価に部下の育休取得率を反映させるような"手本"となる企業が出てくれば、他の企業も追随するのでは。この循環を作るしかないです。

ユウカ:大企業は徹底してほしいな。

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