上司に「了解しました」「すみません」はNG? 今さら聞けないビジネスメールのマナー

公開: 更新: テレ東プラス

「明日10時集合ね」「了解!」 家族や友達とのメールではOKでも、ビジネスにおいてのメールでは同じ言葉使いが失礼にあたることも!?

さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時26分~放送中)から、今回はマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに「ビジネルメールのマナー」についてお話をうかがいました。

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ビジネスメール 3つのマナーチェック!

普段、何気なく使っている言葉も、ビジネスの場では相手によって失礼にあたる場合も。以下の3つの事例で、あなたのマナーをチェック!

【マナーチェック1】上司からのメールに、「了解しました」はOK?
「賛否両論ありますが、上司など目上の方、お取引先、お客様などには『かしこまりました』、または『承知いたしました』を使いましょう。メールでの『追伸』も、手紙のマナー同様、目上の方に対してはNG。

もちろん、マナーは『相手の立場にたち、相手様が心地よく思う言動を行うこと』ですから、例えば、『かしこまりました』を使用したときに、『そんなかしこまりすぎる言い方しなくてもいいよ』と言われれば、その限りではありませんね。これは全てにいえること。もっとも大切なことは、上司の好みや意向にしたがうことであったり、それを知りうるコミュニケーションだと思います。

ただし、社外の方に対しては、やはり、これらの情報を知っておき、使用することをおすすめします。

また、文章に『!』を多用するのも控えましょう。とはいえ、一方で、気心が知れた上司やお取引先なら、感情が垣間見えて安心感を与えることも。"TPPPO"=Time(時)・Place(場所)・Person(人・相手)・Position(立場)・Occasion(場合)により変わってくるので、相手との距離感を考えて使いましょう」(西出ひろ子さん、以下同)

※「TPPPO」は、西出博子さんの登録商標です。

nanairo_20191027_02.jpg画像素材:PIXTA

【マナーチェック2】謝罪のメールは「ご迷惑をおかけしてすみません」でOK?
「『すみません』は、御礼の『すみません』もあれば、『ちょっといいですか?』と伺いの『すみません』など、多様性のある言葉です。したがって、なるべく使用しないほうが誤解を与えませんから好ましいですね。

私の場合は、『この度は大変申し訳ないことでございました』と、「申し訳ない」の正しい言葉を伝えたあとで、『大変申し訳ございません』と誰もが聞き慣れている言葉を重ねてお詫びの気持ちを伝えます。怒りで気分を害していても、相手から謝罪されると心の扉は開くもの。気持ちを伝えることが大切です。

また、こちらに落ち度がなくとも相手が誤解して怒っている場合は、実は謝罪する必要はありませんが"負けるが勝ち"で一歩引き、相手を不快にしたことに対してのお詫びとして『失礼いたしました』(※『申し訳ございませんでした』ではないところがポイント)を使います。ただ、こちらが引き続けると相手が増長してしまう可能性もありますので、ビジネスには限度も必要。私は3回までは我慢しますが、それ以上同じことがつづけばしっかり伝えるようにしています」

【マナーチェック3】休日申請で「お休みをいただきます」はOK?
「休みは当然の権利だから『いただきます』ではなく、『お休みします』を使うべきとの意見もありますが、これはご自身の心持ち次第。他の表現も同様ですが、文法的には間違っていても、その人の謙虚な気持ちが伝われば相手は悪い気がしないと思いますよ」

相手の気持ちを慮ることがマナー。感情が伝わりにくいメールでは、より一層「TPPPO」を考慮して、お互い気持ちよく仕事をしましょう。

取材協力:西出ひろ子さん。マナーコンサルタント。ヒロコマナーグループの代表として、人材育成やマナー研修、コンサルティングなどを行うウイズ株式会社の代表取締役会長などを務める。ドラマ、映画での俳優陣へのマナー指導なども行っている。著書は「気くばりメールはじめました!」(インプレス)、「運のいい人のマナー」(清流出版)など国内外で85冊以上。近年は、マナー評論家、マナー解説者としてメディアからの取材依頼も多数。
オフィシャルHP
「ファストマナースクール」

西出ひろ子さんも出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時26分からのOAも要チェックです!

(取材・文/船桂子)

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