筋肉×イケメンで建設業界にもの申す！　『建設男子写真集』生みの親・江藤社長が吠える！！

建設業界のなり手不足などを危惧し、一人親方を集めて制作が進んでいる「建設男子写真集」。6月からスタートした同プロジェクトを発案したのが、一級建築士事務所ACE（大阪市）の江藤聡社長だ。

「建設男子写真集」に込めた思いを江藤社長に聞いてみたところ、そこには業界に対する熱い思いがあったようだ。今回はその一部始終を紹介したい。

この業界の古い体質にメスを入れたい！だからオレは言う

「建設男子写真集」は"イケメンの一人親方"を写真集にするという、何とも斬新で、しかも世の中の筋肉好き女子を虜にするであろうプロジェクト。盛り上がった筋肉、浮き出た血管、引き締まった体のイケメンたちが50人もでてくるとあれば、話題にならないわけがない。

この写真集に対する江藤社長の思いとは、もっと根深いところに端を発していた。建設業界のなり手が少ないことへの危惧。それを解決するには業界のやり方、人間関係というところを、今の時代に合った形へと進化させなければならないという。

──率直に、この写真集を通じて伝えたかったことはなんでしょうか。

「ひと言で言えば『頑張ってる人に光が当たってほしい』んです、僕は。やっぱり建設業界って、孫請けの孫請けの......となるのでね、現場の人間はどうしても底辺を担うことになる。つまりクライアントからみて一番"下っ端"ですよ。みんながみんなそうとは言わないですけど、力関係でねじ伏せられることも多いですし、それじゃいかんでしょと。そんな多少の怒りも込めて、また現場の人たちへの感謝も込めて、この作品に取り組むことにしたんですよ」

──江藤さんのような思いのある方がトップにいたら、建設業界に風穴を開けられるのではないかと思います。しかしどうしてそのような考えに至ったのですか？

「父親が塗装業を営んでいたんですよ、ペンキで壁を塗る塗装職人。それで20代の頃から父親と一緒に現場で作業するわけですが......まぁ、そこで大人の世界というか、この業界のしがらみというか、人間関係の隔たりというか、そういうものを見るわけです。ゼネコンの営業さんがいて、工事課があって、そこから降りてきて現場監督がいて、下請けさん、二次下請けさん、その下の、下の下の......ってね。いや、お金いただいてお仕事させてもらっているのだから、そこには文句はないですよ。言いたいのはそういうことじゃない。全員がその案件の歯車であるはずなのに、自分の立場を振りかざして感情的に人間を扱うっていうかね。そこに憤りを感じるわけです」

──江藤さんがこの業界の嫌なところを変えていきたいと？

「思ってます！だっておかしいでしょ！？建設業界は男社会だったということもありますが、古くから親方と弟子のような関係性がありますので、"上の人の言うことは絶対"という風習があるんです。だから、ちょっとのミスでも鬼の首を取ったような言い方をするなんてことはザラですし。今の時代、それじゃあパワハラですよ。仕事って人間がいるから生まれる。だからこそお互いのことを尊重し合わなかったら、いいもんなんか作れっこないですよ。自分だけおいしい環境にいよう、自分だけ儲かればいい、そんな考え方、違うんじゃないかな」

──どんどんヒートアップしておられますが、おっしゃりたいことはよくわかりました。でも、江藤さんの強い口調も、すべて愛情からくる思いなんだということが伝わります。

「現場って、本当に大変なんですよ！？暑いし寒いし危険なこともあるし。そんな風に一生懸命頑張ってる人が報われないなんて、無しじゃないですか！だから、今回の写真集ではいっぱい光を浴びて欲しいんですよ。かっこいい姿、見てやってください！女性たちが喜んでくれたら彼らはますます頑張りますし、この業界のなり手だって増えますからね。上を目指すとか、大金持ちになるとか、そういう目標も大事だけど、やっぱり毎日楽しく過ごす！ってことが一番大事なんじゃないかな」