31歳で単身ハリウッドへ! 国際派俳優を芸能界へ導いた神の言葉:先生、、、どこにいるんですか?

公開: 更新: テレ東プラス

先生と会いたい芸能人が自らの手で探し出し、ガチで居場所を突き止める「先生、、、どこにいるんですか?~会って、どうしても感謝の言葉を伝えたい。~」(毎週金曜夜6時55分放送)。今回は10月11日(金)の放送から、俳優・加藤雅也が芸能界に進む時に、背中を押してくれた恩師を探す模様を振り返る。

「お金を払ってでも勉強しろ」芸能界入りを悩む加藤への言葉

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俳優の加藤雅也(56歳)が、今、どうしても会いたいのは、35年前、大学のゼミでお世話になった助教授、蝶間林利男先生。

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比較的歳が近かったこともあり、「先生というより兄貴に近い感覚で接していた」という先生のイメージは「夏八木勲さん」。卒業後は、モデルの世界へ行くと決めた加藤。その時背中を押してくれたのは、先生の言葉だった。

「お前が成功するかどうかわからん。だけどお前の性格だと野垂れ死にするようなことは無いな」。

それなら芸能界に入ってもいいんじゃないか、加藤はそう思ったのだ。

そして今も胸に留めているのは、「この先成功して金が入ってくることがあれば、勉強しろ」という先生の言葉。「勉強も経験もしろ。家や車や宝石を持つのもいいけど、それはお前に何かあったら没収されるもの。お前の頭の中の知恵や知識は誰も没収することができないから、それを持ってカムバックしてこい」と。

先生の教えを胸に、25歳でモデルから俳優に転向した加藤は、31歳で単身渡米、7年間ハリウッドで演技を勉強した。

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先生と最後に会ったのは31年前、俳優デビューの頃。ご存命なら現在72歳になる。先生は今、どこにいるのか?

思い出の母校へ。31年ぶりの再会に襟元を正す

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情報を求め、母校の横浜国立大学へ。加藤は、昭和38年、奈良県に生まれ、高校時代は陸上のインターハイに出場。その後体育教師を夢見て横浜国立大学の教育学部に入学した。ゼミは、蝶間林先生のバイオメカニクスだ。

ゼミがあった建物の中を、記憶を辿りながら部屋を一つひとつ見ていく。だが、バイオメカニクスのゼミはもうなくなっていた。先生は数年前に退官し、現在は名誉教授。基本的に大学にはいないが、たまに来ているという情報も。火曜と木曜はテニスを教えに来ているらしい。

もしかしたらこの日も、先生がいるかもしれない。早速テニスコートに向かうと、到着するなり先生らしき人物を発見! 周囲から「先生」と呼ばれているのを耳にした加藤は、その人物の元へ。

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と、急に立ち止まり「ちょっと待って、ネクタイせなあかんぞ」と慌てて襟元を正し、スタッフから受け取ったネクタイを締める。31年ぶりの恩師との再会に、緊張している様子だ。

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改めてテニスコートに向かい金網越しに先生らしき人物を眺めていたが、思い切って「先生でしょ!」と声をかけ歩き出す。やはりその人物は先生だった!

「人間は死ぬまで勉強」今も教育者として活躍

現在72歳にして若々しい蝶間林先生は、週2回テニス部の指導に来ている。22歳からテニスを始め、日本代表や伊達公子のコーチも経験。現在は自ら教室を開き、テニスを通じて子どもたちのいじめ問題にも取り組んでいる。

大学時代の加藤はどんな学生だったのか? 先生に聞いてみると、「真面目ですよ。外れてない」と。先輩を立てる謙虚な学生だったと話してくれた。

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自分の持ち味を活かして芸能の道に進んだ加藤のことを、「全然不安はないと思ったよ」と先生。モデルを目指し、未知の世界に飛び込むことに不安があった加藤を一番理解してくれたのは、先生だった。

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「成功した時、勉強しろよ」という先生の言葉。それは、先生の父親の教えである「人間は死ぬまで勉強」によるもので、学生に伝えたいことだった。そして、教え子に対して一番大切にしていることがあるという。それは、上から押し付けるのではなく、好きにさせること。

「好きになれば必ずやるから。いかに好きにさせるかを我々は考えている。すると、やるなって言ったって練習するからね」

教育は英語でEDUCATION。語源はラテン語のEDUCEREで、意味は引き出すこと。教育は、叩き込むのではなく、引き出す。反対せずに導く。加藤もそのポリシーに、確実に背中を押されたのだ。

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「先生のアドバイスには助けてもらったし、本当に感謝です。勉強しろという、その言葉をずっと守っています」と加藤。先生に出会えて良かった、「こういう教師が増えてほしい」と言葉を続けると、先生は「老体にムチを打って頑張ろう」と笑顔で語った。

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あの言葉があったから今がある。人生の指針を示してくれた先生は、65歳で教授を退官し名誉教授に。そして今もなお、日々教育に向き合っている。

次回10月18日(金)夜6時55分からの放送は、元サッカー日本女子代表・丸山桂里奈がサッカーの奥深さを教えてくれた大学時代の恩師を訪ね、14年ぶりに怒られる!? そして、"泣き虫先生"こと鶴見辰吾は、地元山口で恩師の足跡を追うが......果たして再会することはできるのか?

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