普通の家にあるアレが無くても、1000年先まで持つ! お宝アンティークだらけの木造古民家風住宅:スゴイ家

公開: 更新: テレ東プラス

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広島大学で建築学を学んだアンガールズ・田中卓志と、芸能界屈指の建築好きで知られる遼河はるひの2人が"疑似夫婦コンビ"としてスゴイ家を紹介する「突撃!隣のスゴイ家」(BSテレ東/毎週木曜夜9時放送)。10月17日(木)の放送では、1000年先まで持つ木造住宅の長持ちの秘密をご紹介。インテリアの参考になる、アンティーク家具も満載です!

伝統工法とアンティークがいっぱいの家

今回お邪魔したのは、都心から電車で約1時間半の神奈川県三浦市。最寄り駅は京急線の三崎口駅です。

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こちらが今回のお宅にお住まいの山田さんご夫婦。ご主人は日本の伝統的木造建築を専門とする一級建築士。住宅設計のほか、文化財の保存にも携わっています。

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海を望む高台に建つ山田邸。なんでも、普通の家にはあるものが無いそうですが、いったい何が無いのでしょうか?

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【夢のマイホーム参考ポイント】靴箱は外(軒下)に設置
玄関として使っている素敵な縁側のすぐ側には、靴箱が。外で靴を脱いで外廊下から入るお寺を参考にしたそうです。軒を深くしているので、雨でも安心!

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【夢のマイホーム参考ポイント】板の間に竹を仕込んで防犯対策
部屋へ導く長い縁側で、古き良き日本家屋を演出。板と竹を交互に並べる、茶室に使われる数奇屋建築の方式が使われています。歩くと音が出るので防犯対策にも。

玄関扉は、江戸時代に栃木の蔵で使われていた蔵戸。都内の骨董店で買えばウン十万円はするそうですが、たまたま田舎の骨董市で見つけて4万円で手に入れたとか。

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中に入ると、玄関ホールにあたる「待合」という畳敷きの空間が。最初にお客様を接待する場所で、ここからすべての部屋に行くことができます。さまざまな骨董品が置かれるなか、目をひくのは江戸時代の階段箪笥。実際に階段として使っていて、天井高も階段箪笥に合わせてあるそうです。

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待合から続くリビングは、33帖の大空間! 吹き抜けになっていて開放感も抜群です。特徴的な太い梁は、東京の五日市(あきる野市)の岩山から持ってきた新材に、ご主人自ら色を塗ったものだとか。編みこむように梁を組みたかったので、わざわざ曲がった木を選んだというこだわりよう。高さ7メートル、幅30センチ角のケヤキの特大大黒柱は、福島県から取り寄せたものです。

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続いてダイニングへ。木のぬくもりある食器棚は、昔の中学校で使われていた、ビーカーなどを収納する理科室用の棚で、骨董市で手に入れたもの。キッチンを照らす照明を吊しているのは、中国で買った滑車。

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ドイツやフランスなど世界のアンティークも散りばめることで、モダンな雰囲気を演出しています。

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【夢のマイホーム参考ポイント】愛犬用に土間下にエアコンを設置
山田家の一員、愛犬・光悦くんはロシア原産のサモエド。暑さに弱い光悦くんのため、彼のケージが置かれた土間の下部にはエアコンを設置。薪ストーブもあるので、冬の寒さ対策もバッチリ!

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【夢のマイホーム参考ポイント】鍵穴の無い勝手口
土間にある勝手口の引き戸は、江戸時代の商家で使っていたもの。鍵の代わりとなる寄せ木細工のような仕掛けが付いていて、外に鍵穴が無いのでピッキングされることはありません。鉄板も入っているので破られる心配もなし! 江戸時代の職人の知恵が生きているのです。

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さらに1階には、障子の戸がついたトイレと脱衣所・洗面所が。トイレには、京都の骨董市で買ったという趣ある手水鉢が。洗面台は、IKEAで購入した欧米で使われている大きくて深いキッチンのシンクを洗面ボウルとして活用しています。

【夢のマイホーム参考ポイント】洗濯機を風呂場に置いて家事を効率化
そういえば、脱衣所によくある洗濯機がありませんが......なんと洗濯機は風呂場にありました! 残り湯を使いたいときに、浴槽から近いと便利なので置いているとのこと。

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【夢のマイホーム参考ポイント】防湿・防虫効果の高い桐で衣類を守る
寝室と障子を隔てて、広々とした8帖のウォークインクローゼットも。壁が桐で作られているので、部屋全体が防虫効果の高い桐箪笥のようになっています。昔の知恵を取り入れつつ、今の暮らしに合わせた設備ですね!

これで1階はすべて見せていただきましたが、普通の家にあって、この家に無いものはわからずじまい......。2階にヒントがあるのでしょうか?

木造なのにアレが無くても長持ちする秘密

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階段箪笥を上がった先は、ご主人の仕事場。和小屋組みという日本の伝統工法で作られています。和小屋は施工が簡単で、増改築もしやすいそう。

「この家で、何が無いかおわかりになりましたか?」とご主人。実はこの家、釘やボルトなど金物をいっさい使っていないのです! そのため金属によるサビや腐敗も防げます。

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世界最古の木造建築物・法隆寺と同じ、金物を使わず木を組み合わせ、楔を打って強くする伝統工法を採用。丈夫さが実証されていることから「1000年持つって言っても間違いでは無いですね」と田中。

金属を使わない工法のほかにも、長持ちさせる工夫が!

長持ちさせる工夫1:最近は塞いでしまうことが多い縁側の下は、木造住宅の大敵である湿気を防ぎ、乾燥状態を保つために抜いてあります。乾燥させることで、シロアリ被害も防止。

長持ちさせる工夫2:より丈夫な家を目指して昔の建て方を参考に。現代の一般的な建築では、コンクリート基礎と土台と柱を接着していますが、昔の木造建築は柱が石の上に載っているだけ。家と地面が切り離されているので、地震の際に揺れを逃がすことができるそう。

優れた先人の知恵が詰まった、1000年先まで残せる木造住宅。その全貌と気になる建築費は、放送でご紹介します。

このほか、「親しき仲にも礼儀あり」なアイデアが光る、ある人が幸せになるスゴイ家もご紹介。10月17日(木)夜9時からの放送をお見逃しなく!

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