10月14日(月)に放送した「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」(毎週月曜深夜3時55分〜放送)では、相模原市の中古タイヤ店で出会った永野さん親子のおうちにお邪魔しました。
お父さんの栄一さんは地元スーパーの社員で、娘のさやかさんは調理師専門学校の1年生。鮮魚コーナーで働いていた栄一さんが、さやかさんに魚のおろし方を教えながら一緒にお料理することもあるそう。
お母さんのかおりさんは8年前に他界。栄一さんとかおりさんは先輩の結婚式で出会い、その8ヵ月後に結婚しました。
この日も栄一さんに教わりながらタチウオをさばくというさやかさん。栄一さんから「初めてにしては......」とお褒めの言葉をもらえました。また、さやかさんの得意料理・アジのなめろうも作ることに。しかし、アジのおろし方は栄一さん的に30点だそう。それでも「味は美味しい」と言ってもらえたさやかさん。
かおりさんの病名は肺がん。40歳のときに病が見つかり、闘病したのち44歳で亡くなりました。そして今年の春、8年前に亡くなったかおりさんからお手紙が届いたといいます。どうやらかおりさんが闘病2年目に未来の家族に向けて書いたようです。
封筒には、栄一さん、お兄ちゃん2人とさやかさん、かおりさんのお母さんそれぞれに向けた手紙が3枚入っていました。栄一さんへのお手紙には、仕事を頑張る栄一さんの姿を尊敬していたことや闘病中にケアしてもらったことへの感謝、そしてもうすぐ訪れる"夫婦2人きりでの生活"に対する前向きな言葉が綴られていました。
この手紙が家族のもとに届く頃、つまり手紙を書いたときから10年後も自分はまだ生きていて栄一さんと仲良く暮らしていると信じていたようです。これを読んだ栄一さんは、「生前の姿がダーッと蘇ってきて...家族のことを考えてくれていたんだなというありがたさと、力及ばずというか最後は役に立てなくて悪かったな...」そう語り、ハンカチで涙をぬぐいます。
さやかさんへのお手紙は、「素敵なお姉さんになったでしょうね...」から始まり、さやかさんと触れ合って幸せを感じたという思い出や、大人になるさやかさんを楽しみにしながらも「良い悪いを自分で見極め、一線を引くことが大事」と親として心配する言葉が書かれていました。
亡くなる前は自宅で闘病生活を過ごしていたかおりさん。容体が変わり救急車で搬送されるとき、急に土砂降りの雨が降ってきたそう。病院に運ばれた次の日の朝、呼ばれたときにはもう亡くなっていたといいます。「もっとちゃんとしたことを話せばよかったなってそれは覚えています」と泣きながら答えるさやかさん。
さらにさやかさんは、「人のことを一番に考える人。すごい優しいお母さんで。怒られた記憶がない」と語ります。栄一さんも、「頑張り屋さん。闘病のときも『痛い、つらい』は一切言わなかった。絶対に痛かったはずなんだよ。あんなに痛み止めを出されてたんだから...」と話します。
さやかさんは、かおりさんが闘病中に書いていた日記を見せてくれましたが、栄一さんはこの日記を見る勇気がありません。ノートには、最初に検査に行って肺に影を見つけた日から、病気や治療のことが克明に記録されていました。口には出さなかった本音が綴られている日も多いようですが、「食べること、家事ガンバレ!」と自らを鼓舞するような言葉も添えられています。そんな気持ちで家のこともこなしていたなんて、当時まだ小さかったさやかさんは、知る由もありませんでした。
この日は栄一さんと仲良くおでかけをしていたさやかさんですが、「家族が家にいた頃はお父さんはあんな感じじゃなくて、絶対2人で出かけるなんてありえなかった」と話します。かおりさんがいなくなり家族みんなが団結するようになってから、コミュニケーションが増えたそう。今のさやかさんにとって栄一さんは「いなくなられたら困る」存在。
さやかさんは、かおりさんが見られなかった自分の花嫁姿を、いつの日か栄一さんに見てもらいたいといいます。栄一さん、さやかさん、これからも家族みんな仲良く過ごして、お母さんを安心させてあげてくださいね!
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