現代人の悩みを一刀両断! 「きらめく星のなったん」に聞く、「生きやすさ」を手にするコツ

公開: 更新: テレ東プラス

nattan_20191011_00.jpg
仕事は医療事務。好きなものは登坂広臣、ちびまる子ちゃん、格闘技。プロフィールだけを見ると、いたって普通の女の子。しかし、SNS上に記された言葉の数々に目を向けると、思わずドキリとさせられる──。

文才ギャルこと「きらめく星のなったん」が、SNSで話題沸騰中だ。彼氏の浮気に心を痛めている女性に対しては、「『彼氏に浮気された死にたい』の発想がいまいち分からん。『彼氏に浮気されたぶっ殺す』だろ戦え」とエールを送り、相手を思う気持ちの大切さを「自分がされて嫌な事は人にしない。ン? 相手が嫌がる事はしないが正しくね? 何が嫌かなんて人それぞれ違うだろ」の言葉で気づかせてくれる。

今回はそんななったんに、現代人の悩みとその解決方法について話を聞いてみた。

「不登校でもその先の人生に問題があるわけじゃない」

nattan_20191011_01.jpg
──現在は医療事務のお仕事をされているとのことですが、そもそもどうしてクリニックで働き始めたのですか?

「10万円を手に沖縄から東京に出てきた18歳当時は、明日のことも考えず遊んでいました。その結果、あっという間にお金が減って、なんとかバイトで食いつないでいたんですけど、やっぱり最低限生活が保障されて生命維持できなきゃ意味がないですよね。それで仕事を探すことにしたんですけど、わたしは朝が苦手だから、なるべくギリギリまで寝ていたいと思って、家から一番近くて仕事を募集しているところを探しました」

──斬新な仕事選びですね。

「わたしのSNSには、仕事に関する悩みもたくさん届くんですけど、家から近いことが条件で就活したわたしから言わせると、『そんなに一生懸命がんばってるんだから、自分のことダメだなんて思う必要ないよ!』って思いますけどね。でも、20代で『この仕事を一生やり続ける』って思ったら、不安になるのなんて当たり前。就職してみて自分には合わないと思ったり、他にやりたいことができたりしたら、その時点で辞めて次に行ったらいいんです。石の上に3年いる時代は終わったと思います。3年なんてもったいない。そう思って、はい次! って進んでいけたら、楽になると思う」

──恋愛に関する悩み相談も多いですか?

「多いですよ。『離れた方がいいと頭ではわかってるけど離れられない』、『浮気されて苦しい』、『不倫から抜け出せない』とか。不倫はしてる人もされてる人も少なくないですね。パートナーを裏切る人が一番悪いですよ。『されてる側』は一番の被害者。ふたりのことだから一概に『別れたほうがいい』とは言えないけど、その相手と一緒にいて今後自分は幸せになれるのかを一番に考えてほしい。『問い詰めた後、相手が本当に反省しているかどうか』、『話し合いの結果、相手がどう出るか』とかで、きちんと見極めてもらいたいですね」

──年上の方から悩みを相談されることもありますか?

「男女性別問わず相談が届きます。年配の女性の悩みで多いのは年齢のこと。『若い子がうらやましい』とか、『もうおばさんだから鏡を見るのがイヤになってきた』とか。そんなの気にする必要なんてまったくないのに。あとは『娘が不登校で困っている』っていうのもありますね。『いいんじゃない?』って答えます。『何が問題なんだろう?』みたいな」

──ご自身も不登校の時期があったのですよね。

「そうです。わたしの場合、いじめがあったとかではなく、集団行動とか集団生活が苦手で。協調性がなくて苦しかった。そういう学生時代を送ってきたからこそ、『不登校でもその先の人生に問題があるわけじゃないよ』と言える。悩みを送ってくれたお父さんから、『不登校の娘にあなたの本を読ませたらやる気が出たようで、娘が近所の保育園でアルバイトを始めました』なんて報告してくれたときには、とてもうれしかった。わたし自身、子ども時代に学校や街の図書館でたくさんの本を読んできたことで学んだことがたくさんあるので、自分が書いたもので子どもたちを勇気づけることができたら本当にうれしいです」

──自著の『待ち人来ずってなんなの 私から会いに行くからお前が待ってろよ』はSNSで応募を受け付けて、子どもたちにもプレゼントされていましたね。

「本を買えない子どもたちに配れたらいいなって思いが、ずっとあったんです。わたしの本を読んでくれた中学生から、『学校生活で息苦しさを感じていたけど、なったんの本を読んで、大人になってからも楽しく生きていけることがわかった』という感想をいただいたんですけど、そんな言葉をいただけてこちらが感謝の思いでいっぱいです。子どもたちにとっては、学校って一つの社会であって世界だから、その外に広がる世界に目を向けるのは難しいこと。外にどんな世界が広がっているかわからないまま就活時期を迎えて、社会に放り出されたとき教えてくれる先生もいない。パニックになるのも当然です。だからこそ、若いうちからたくさん本を読んで、いろんな世界に触れてほしいと思っています

「死にたい人に『生きて』というのは、生きたい人に『死ね』と言うのと同じ」

nattan_20191011_02.jpg
──子どもの問題に関して言うと、最近は虐待のニュースが多いのも気になります。

「報道があるとみんな児童相談所とか警察を責めたり、母親がクズだとか口々に言ったりするけど、問題はそれだけじゃない。社会問題ってわたしたち大人一人ひとりに責任がある。形だけの正義感を振りかざして誰かを責めるのは、正しいとは言えないと思うんです。たとえば母親が旦那さんから暴力を受けていたのなら、母子ともに救うことが必要だったはずだし。問題が起きたときに、一人ひとりが『自分には何ができたか』を当事者意識を持って考えることが大切です」

──著書の中で、自殺に関して「周りで支えてきてくれた人が悲しむことをわかっていてもなお、死が救いだと思った人のことを否定なんてできない。がんばったねと抱きしめたい」と書かれていたのも印象的でした。

「死にたい人に『生きて』っていうのって、生きたい人に『死ね』って言ってるのと同じかなって思ったんです。その人にとっては、この世界が地獄なわけなのだから。もちろん、遺された人が一番悲しいのは言うまでもないけど、その人の選択を受け入れるしかないときもあるのかもしれません」

──悩みの大小はあれど、悩んでいる人はたくさんいます。気持ちを前向きに保てないときはどうしたらいいですか?

「悩むことって決して悪いことじゃないのにどうしてマイナスに捉えられるのだろう。たとえば心が疲れたとき、海外だと、『ちょっと喉が痛いから病院行ってきます』と同じ感じで、『心が風邪ひいたから診てもらってくるね♪』って感じだといいますよね。でも、今の日本だと心を患っていることを明かしたことで、まだまだ色眼鏡で見られちゃう。わたしたち一人ひとりがもっと思いやりを持つことによって、みんながもっと生きやすくなるのになぁと思います」

【プロフィール】
きらめく星のなったん
Twitter
Instagram

PICK UP