まさはる君も7歳に! 松本君が教える「シニア犬と暮らすための3つの心得」

公開: 更新: テレ東プラス

ワンちゃんの年齢、人間に換算すると何歳くらいか知っていますか? 犬種やサイズによって差異はありますが、最初の1年で17~18歳、その後は1年に4歳くらいずつ年をとるといわれています。ワンちゃんは、7歳頃からシニア期を迎えます。シニア犬には、どんなことを注意してあげればいいのでしょうか。

専門家が役立つ生活情報を提供する生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木午前9時26分~放送中)から、今回は「ポチたま」シリーズ(BSテレ東、テレビ東京)でもおなじみのグッドドッグライフプランナーの松本秀樹さんが登場。番組で、ラブラドールのまさお君、だいすけ君、まさはる君と旅をし、現在は7歳となりシニア期を迎えたまさはる君と暮らす松本さんに、「シニア犬と暮らすための3つの心得」を教えていただきました。

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【心得その1】「しつけ」ではなく「恩返し」

犬の平均寿命は14.2歳。12歳を越えたら、これまでたくさんの思い出と笑顔をもらったことへの「恩返し」の時期だと心得るべし!

「この子はここで完成だと思って、多少のミスは許す! 責任は全部自分で飲み込んで、のんびり寛容になること。すると、その子のまた違う面が見えたり、絆が深まったりしていく。老いていく姿が愛おしく感じる。我々犬バカは、老犬になればなるほどかわいいんです。僕は特にシニアのビーグルがかわいくて、きゅんきゅんしちゃいます」(松本秀樹さん、以下同)

「僕も『ポチたま』を始めて犬と接することで丸くなった。それまでは売れない芸人でトガってたんですけどね(笑)」と松本さん。シニア犬の失敗に怒っているパパさん・ママさんは、「あと何回散歩に行ける?」「何回ご飯作れる?」と考えると心持ちも変わるとアドバイス。感謝をもって寛容な心で、シニア犬にはしたいことをのんびりとさせてあげることが大事なんですね。

【心得その2】体力・筋力の維持はゆっくり長い運動で

若い頃とは違うゆっくりのんびりした運動で、体力・筋力の維持に努めるべし!

nanairo_20190929_02.jpg画像素材:PIXTA

1.お散歩のペースを少しずつゆっくりにしていく
「運動は瞬発系より持続系。ボールを投げて取りにいくような運動ではなく、ゆっくり歩くお散歩など、のんびり長い運動で体力維持を心がけましょう。いろんなところを衰えさせないように、かつ厳しくなくという、その子にあったバランスが大切」

2.足を拭く動作は筋力を鍛えるのに最適!
「お散歩から帰って足を拭くとき、7歳~10歳手前くらいまでのワンちゃんには、片足ずつ持ち上げて足を拭きながら、ワンちゃんを肩でちょっと押す。そうするとしっかりと筋力が使え、インナーマッスルが鍛えられます。4本の足をそれぞれ時間をかけて拭くだけで、適度な運動に!」

【心得その3】"この子は年をとっていっている"と理解すること

体力や能力はだんだん衰えてきている。"自分より年上の人と一緒にいる"と心がけるべし!

nanairo_20190929_03.jpg画像素材:PIXTA

「見た目はかわいいままなのでわかりにくいですが、年齢とともにいろんなところが衰えているんです。人間の年齢に換算してみると、いつの間にか自分より年上になっていることに気づきます。そうすると自然に『いつもは点滅信号で走っていたけど、これからは止まって次の青信号で渡ろう』と気遣いができるはず」

ただし、甘やかしすぎは逆に能力や体力を衰えさせてしまうことにつながります。

「加減が難しいところですが、そこは飼い主さんしかわからないところ。ドッグトレーナーや獣医さんは、その時の様子や検査の数値などで判断するしかない。パパさん、ママさんがしっかりその子の"いつも"を見ていて、いつもとの差を発見できるかどうかが大事です」

特に注意が必要なのは、小型・中型犬は9、10歳、大型犬は7歳。犬の厄年とも言われ、それまで健康そのものだったのに急に大きな病気にかかったりすることも。「そこを一緒に乗り越えてあげると、また楽しい日々が続けられるんです」と松本さん。では、"いつも"との違いは、どんなところに注意すればいいのでしょうか。

《老化のサインはここでチェック!》
◆床を歩くときの音
「若い時とは歩くときのリズムが違ってきます。上に跳ねる筋肉の衰えで、"チャッチャッ"という音のテンポが遅くなります。また"チャッチャッ"の中に"ズッズッ"の音が交じってきたら足を引きずっている証拠。膝、股関節、背骨、腰が悪くなっている可能性が高い。"ズッズッ"が始まったら、お散歩はゆっくりめにしてあげましょう」

◆話しかけたときや、おやつを出したときの反応を見る
年齢を重ねるにつれて体力も五感も衰えてきます。最後まで残るのは嗅覚と触覚と言われていますが、日常の様子からどの感覚が下がってくるかをチェックして、その子に合った対応を!

・聴覚が衰えてきている場合
「散歩中、いつもの交通量の中、いつもの音量で名前を呼んでも耳も体も動かない、反応が鈍い場合は、聴覚が衰えてる可能性が。視覚が大丈夫な場合は、指示を出すときこれまで以上に大振りにしましょう」

・視覚が衰えてきている場合
「白内障などを含め視覚が衰えてきている場合は、見えないぶんを声で補います。視界が狭くなっているので、急に手や物を出したり、触ったりしないこと! 恐怖を感じさせないよう、右目が衰えた場合は、見える方の左側からゆっくりと手や物を差し出す。散歩もワンコの視界を考えながら、障害物や速度に気を配ってあげるといいですね」

・嗅覚や触覚での合図を増やす
「聴覚や視覚が衰えても、嗅覚と触覚は鈍ってはくるものの最後まで残ります。なので、若いときから声とハンドサインに加え、触角での指示をプラスしておくといいですね。例えば、「おすわり」ならお尻の上を指でトントン、「ごろん」はお尻の右を指でトントン、「立って」は足の付け根を触って持ち上げる、など触覚での合図も加えて教えておくと、ワンちゃんにとってもストレスが少なくなります」

また、嗅覚が鈍ってくると、食欲がなくなってしまうことも。

「そういう場合は、大好きなお肉をゆがいた煮汁をフードにかけてふやかすなどして"臭いを増す"ことで食欲に繋がります。その子が食べたくなるものを用意してあげてください」

これからの寒い季節、ここに注意!

猛暑を乗り越えた後には、寒い季節がやってきます。これからの秋冬の時期、シニア犬はどんなことに注意すればいいでしょうか。

「人間と同じで季節の変わり目は体調を崩す子も多くなります。シニアは特に秋から冬の変わり目や真冬に要注意。換毛期に夏毛から冬毛へ、しっかり生え変わらせないと熱を蓄えることができません。そのためには暑さや寒さを体感させるお散歩が大事。室内で1年中ずっと同じ温度だと、毛が生え変わらず、代謝がおかしくなってしまいます。外気を感じて、これから寒くなるぞと、わからせてあげてください」

nanairo_20190929_04.jpg「ポチたまペット大集合!まるっとかわいい大型犬スペシャル」(BSテレ東)より

まさはる君も、現在7歳。「恩返しの時期に入っている」という松本さんは、お散歩も迷惑にならず安全な範囲内でゆっくり自由にさせているとのこと。嗅覚が衰え、草や木の匂いをかぐ時間が以前より長くなったりしますが、気が済むまでかがせてあげることも大事。

最後に、「ワンコ自身、自分が老いてることへの不安もあるだろうから、飼い主さんが寄りそって安心させてあげてください」と松本さん。老いの始まりも老いの症状もそれぞれ。小さな変化に気付けるのは飼い主さんだけなので、"この子のいつも"をどれだけ知ってるかが勝負! そのためには、若いうちから意識していろんな部分に目を光らせておきましょう。さらに、できれば1年に1度、シニアであれば半年に1度、健康診断に行ってきちんと調べてもらうことをオススメします!

取材協力:松本秀樹さん。タレントでありドッグライフコンサルタント。2000年に始まったテレビ東京系の番組「ペット大集合!ポチたま」に出演し、ラブラドール・レトリバーのまさお君、だいすけ君、まさはる君と日本各地へ旅をしたことをきっかけに、愛玩動物救命士、愛玩動物飼養管理士1級、ホリスティックケアカウンセラー、小動物飼養販売管理士などの資格を取得した。こどもとペットの未来をサポートする教育文化事業を行う一般社団法人「ナチュラルドッグスタイル」名誉理事も務め、ペット界ではカリスマ的存在。
オフィシャルHP

「なないろ日和!」は、様々な専門家が出演し生活に役立つ情報をお届けしています。毎週月~木曜9時26分からの放送をチェック!

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10月1日(火)夜7時から放送の「ポチたまペット大集合!まるっとかわいい大型犬スペシャル」(BSテレ東)に、"松本君"こと松本秀樹さんと、まさはる君が登場! やって来たのは山梨県山中湖にあるドッグリゾート・ワフ。ここで出会った大型犬は、元保護犬、車椅子姿、そして珍しい犬種と個性様々! さらに今回は高級ペットヴィラに宿泊! ここでは普段のまさはる君の行動を紹介。松本君がお風呂へ行くと......?? まさはる君はベッドで松本君の周りを寝ながら回る?? そんなまさはる君にとあるいたずらを!その時まさはる君がとった行動とは!?

もちろん松本君の料理に釘付けのまさはる君、自分のご飯をあっという間に完食するまさはる君の姿もしっかりお見せします(笑)。その他にも、かわいい大型犬の子犬から家中大型犬だらけの大家族、SNSで人気の大型犬、更に盲導犬のパピーウォーカーに1年間密着し、出会いから別れまでを描いた感動ストーリーなど、どこをとっても"大型犬"でお送りします!

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