ナゼ? どんどん小さくなる村が”プラスチックゴミ”で埋め立てしてまで住む理由:所さんの世界のビックリ村!

公開: 更新: テレ東プラス

世界には、日本人の概念・価値観が吹き飛んでしまうような想定外の人々が多数存在している。想像もつかないような生活、風習が受け継がれている世界...。9月27日(金)夜9時放送「所さんの世界のビックリ村!」では、世界の知られざる驚きの村を紹介していく。

そこで「テレ東プラス」では、今回の放送の中から、大迷惑なアレがお宝になるどんどん小さくなる村・ガーナ"の内容を先取りでお届けする。

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日本から飛行機で約24時間。降り立ったのは、ガーナ共和国の首都・アクラ。ギニア湾に面した西アフリカの貿易港として発展した都市だ。取材班が聞きつけた「どんどん小さくなる村」とは一体どういうことなのか...。早速、人が集まる市場で聞き込みを開始したところ、「トトぺ村ではないか」とのこと。どうやら、腕利きの漁師が魚を捕って暮らしているらしい。

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アクラから3時間ほど進むと、舗装のない悪路に。さらに30分程走ると、土手に視界を遮られ、ついに海まで見えなくなってしまった。

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そこで土手に上がってみると...。目の前に現れたのは、横幅100メートルほどの小さな村。これが、どんどん小さくなるというトトぺ村なのか?

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村男「そうです、(ここが)トトぺ村です!」。男によれば、この村は今も小さくなっているという。しかし、この村の何が小さくなってきているのか...。まずは村長から取材許可をもらう。

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彼がネネ・ガウィ3世村長(60)。村長に村を案内してもらう。

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海沿いにある古びた建物、今は砂で埋もれているが、実はこれ、かつて人が住んでいた家だそう。さらにある漁師がかつて住んでいた家は、今や100メートルほど沖合の海の中だという。一体、この村に何が起きているのか!? 

村長「30年くらい前から、海が迫ってきたんだ。どんどん家が海に飲み込まれ、村は半分以下になっちまった」。

そう! ここは海に陸を削られ、どんどん小さくなる村だったのだ! 30年ほど前から大波と砂が押し寄せ、一軒また一軒と家が砂に埋もれていったという。

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この村を上から見てみると、迫り来る海岸線と湖のような海域ラグーンに挟まれ、家々が身を寄せ合う奇妙な形になっていた。30年の間に村の半分以上が波に削られ、小さくなってしまったのだ。それでは村人たちは、どんな生活を送っているのか。

まず、洗濯はもちろん、生活には絶対に欠かせない水。かつては穴を掘ればすぐに出た真水も、今は塩辛くなってしまい食器洗いにしか使えない。実は2年前、政府により水道が設置され、使った分だけ料金を払う仕組みになっているとのこと。しかし1ヵ月以上水道が出ないこともざらなので、女たちはタライを頭に何度も往復し、家にある大きなタンクに貯めておくという。

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トトペ村の主な産業は塩作りで、雨季を除けば、ラグーンで良質の天然塩が採れる。この塩の売り上げが、村の収入の6割を担っているのだ。

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そしてもう1つの収入減が漁業。カタクチイワシの漁が家族を養うための収入源で、トトぺ村の男たちの仕事だという。

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漁を終え、家族が待つ村に戻るのは翌朝7時頃。魚は浜に集まった大勢の女たちが受けとる。そして彼女たちが向かうのは...ラグーンだ。

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「村が狭くてここしか干すところがないのよ」と嘆く女性。乾いたラグーンの土の上で魚を日干しするのも女たちの仕事。そして干した魚はチャーターしたタクシーに詰め込み、村から車で1時間ほどの大きな市場へ売りに行く。

稼いだお金で買うのは、ほとんどが野菜。他にも米やイモなど、農作物が中心だ。

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昔はあった畑も、今は村が小さくなってしまったことで無くなってしまったそう。それ故、市場や行商から野菜を手に入れるしかないのだ。

村が小さくなり、家が波と砂に飲み込まれても、決してこの村を離れようとせず日々の暮らしに一生懸命な村人たち。そんな彼らの村が、なぜ30年前から急に小さくなったのか、そしてこれからどうなってしまうのか。

10年前からトトぺ村を訪れ、海岸浸食の実態を調査しているガーナ大学のクワシ教授によれば、温暖化やダム開発の他、こんな原因があるという。

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「海の砂を大量に採取することによる海底地形の変化が考えられます」。

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急激な都市開発などにより海岸の砂が大量に採取されるように...。そのため、周辺の海底の形が変わってしまったのだという。その影響で波が高くなり、村を侵食していったと考えられている。そう! どんどん小さくなるビックリ村は、村自体が無くなる危機に追い込まれていたのだ。

そこでトトペ村では、村自体がなくなることを阻止するため、ラグーンを埋め立て始める。海岸の侵食によって家や土地を失った人たちはラグーンを埋め立て、次々と家を建てていったのだ。そしてその埋め立て方法が衝撃!

今、世界中で問題視されているプラスチックのゴミ問題。ラグーンにはなぜか大量のプラスチックゴミが集められている。

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村長「プラスチックは永久に分解しない。だから土地がしっかり固まるんだ! こういう大きなゴムタイヤなんかはとんでもないお宝だ」。海岸に流れ着いたゴミを集めるのが村人の日課だという。

どうやってこのプラスチックゴミでラグーンを埋め立てるのか...。そして、井戸も畑もある便利な隣村に行かず、なぜ村人たちは今もなおトトぺ村に住み続けるのだろうか?

気になる全貌はぜひ番組で確認してください! 他にも、閲覧注意なシーンが続々登場。この続きは、9月27日(金)夜9時放送「所さんの世界のビックリ村!」でチェックを。

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