アジア「巨大十字路」の正体に 香港デモの表と裏...総力取材!:未来世紀ジパング

公開: 更新: テレ東プラス

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9月18日(水)放送の「日経スペシャル 未来世紀ジパング」(毎週水曜夜10時)は、いよいよ最終回! 90分の拡大版でおくる。急成長する東南アジア経済から、アフリカが直面しているエネルギー問題など、世界で起きている最新事情を総力取材。想像を超えるスピードで変化する世界で、日本が直面する近未来を予測する。

アジアの消費を狙え!日本企業の挑戦

親日国として知られるベトナムには、現在約2000社の日系企業が進出。特に最近は、米中の貿易摩擦の影響で、生産拠点を中国から移管する企業が増えている。そんな日系企業からの依頼が急増しているのが、物流大手の「日本通運」。番組が取材した5年前から、将来に備え、東南アジア各国の物流ルートの調査を続けてきた。そして今、悲願だった新たなルートが完成。これまでは、船便で首都・ハノイからタイまでを周回し、2週間かかっていた行程を、陸送で3泊4日で運ぶことが可能に。これを実現したのがインドシナ半島を横断する「東西経済回廊」。この大動脈が繋がったことで、東南アジア間の陸上輸送体制が整った。

番組は、総距離1500キロにも及ぶ東西ルートでの輸送トラックに同行。東南アジアのインフラの発展ぶりを目の当たりにする。ベトナム国内は南北を貫く高速道路が整備され、かつて煩雑だったラオスでの通関手続は大幅に短縮。2015年に発足した東南アジア10カ国のASEAN経済共同体により、人や物の自由な行き来が実現していた。以前は崩落や横転事故が多発していたラオスの道路は日本の支援で整備され、沿道には日本式の「道の駅」も。タイとの国境近くには、コンテナの積み替えが可能な物流ターミナルを整備。その後、取材班はトラックと別れ、さらに西へ進むと、そこに現れたのはアジア経済の要地を東西南北に結ぶ巨大な十字路だった。

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「東西回廊」の終着地であるミャンマーは、急速な民主化が進んだ結果、経済成長率は6%台を維持、今東南アジアで最も発展が目覚ましい国だ。5年前は見渡す限り更地だった場所が、現在では経済特区となり、日本式の巨大工業団地に。

ここに工場を構える日系企業が、即席麺などの製造・販売を行う「エースコック」。1995年に進出したベトナムでは、すでにシェア50%以上を誇る同社だが、ミャンマーの即席麺市場は激戦で、シェアは業界4位。主にタイからの輸入品が市場で幅を利かせている。番組は現地市場の開拓を任された梶原伸介さんに密着。試食イベントや現地の家庭へのリサーチで手応えをつかんだ梶原さんは、逆転に向けた秘策を練る。

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さらに、日系スーパーでミャンマーに挑むのが「イオン」。今年5月、ミャンマー初の大型店をオープンした。ミャンマーでの合弁会社「イオンオレンジ」の熊谷美知雄社長は、現地で人気のバイクや洋服たんすを前面に出すなど、現地のニーズに合わせた売り場を仕掛ける。中でも人気なのは、日本で「三種の神器」と言われたテレビ・冷蔵庫・洗濯機の家電製品で、計画の3倍を売り上げるという。現地の平均月収の数倍もする家電が売れるのには秘密がある。それは、イオンが展開してきた分割払い。売り場の横にはローン窓口が併設され、顧客の囲い込みを狙う。「3年以内に必ず消費の爆発が起きる」と熊谷社長は先を見据えていた。

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中国が暗躍?アフリカをめぐる日本との攻防

赤道直下の国、アフリカ・ケニア。この10年でGDPが3倍に増えるなど、急成長を遂げたアフリカ経済の雄だ。首都・ナイロビに完成した「新ナイロビ駅」では、悲願だった新たな長距離鉄道「SGR」が発着する。実はこの近代的な鉄道と駅を造ったのは中国だ。習近平国家主席が掲げる「一帯一路」の目玉事業として、総事業費約4000億円の9割を中国が融資し、わずか3年半で完成させた。これまで12時間かかっていた首都・ナイロビと、第2の都市・モンバサ間を、なんと4時間半に短縮したのだ。

モンバサはかつてインド洋貿易の拠点として栄えた港町で、中心地が海に囲まれた小さな島になっているため、1日に20万人以上が利用するフェリーの大混雑が問題となっていた。

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混雑解消のため、巨大な橋の建設支援に名乗りを上げたのが、日本だ。モンバサは日本にとって、アフリカ支援の最重要拠点。2016年に完成したモンバサ港は、日本がODA=政府開発援助で267億円を融資した。日本の支援で大規模な拡張工事が続くモンバサ港からコンテナを運んでいたのは、「SGR」。そして今、日本が作った港と中国の鉄道の間でとんでもない問題が起きていた。中国から借りた借金が返せなければ、「モンバサ港を担保に取る」という密約がスクープされたのだ。日本の支援で作られた港はどうなるのか...。ケニア政府の担当大臣を直撃した。

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ケニアでは、人々の暮らしぶりも激変していた。一般家庭でも、テレビやDVDレコーダー、冷蔵庫からミキサーまで多くの家電製品が揃っている。

番組が取材した6年前、すでにケニアの経済発展に伴う電力不足が予想されていた。そこで、火山が多く、地熱エネルギーが豊富なケニアは電力の多くを地熱で賄うことを計画。日本の支援による地熱発電所で、一時は電力の半分を賄うまでになったのだが、現在では懸念していた電力不足が現実のものとなり、電気代が大幅に値上げされた結果、家計を圧迫する事態に発展していた。

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高まる国民の不満に、エネルギー省のトップが驚きの計画を明かした。必要な3万メガワット以上の電力を確保するため、代替エネルギーとして原発の導入を表明したのだ。2027年までに原発を建設する計画で、そのパートナーとなるのはここでも中国。中国は国産原発「華龍1号」の世界輸出を狙っており、ケニアでの導入を目指していた。最後の巨大市場・アフリカを虎視眈々と狙う中国。これに対し、日本はどう進むべきなのか。

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番組では、爆発事故から33年経ったチェルノブイリ原発の現在や、脱原発に舵をきったドイツの電力事情も伝える。さらに大規模デモが続く香港の最前線を取材、緊迫の現場をレポートする。激変する世界の情勢と日本の未来を占う「日経スペシャル 未来世紀ジパング」最終回は、今夜10時放送。お見逃しなく!

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