芸人から”当たりすぎる占い師”へ。「Love Me Do」誕生秘話

公開: 更新: テレ東プラス

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長い人生の中では、迷い悩み自らの進む道を掴むことができない時もある。そんな時に救いの手を差し伸べてくれるのが「占い」だ。

悩める人々の道しるべとして、助言や気づきを与える占い師。その中でも恐るべき的中率を誇り、数多くの芸能人やスポーツ選手からも強い信頼を得ている注目の存在が、ラブちゃんことLove Me Doである。

過去にはサッカーの国際試合や人気アイドルグループの解散、個性派俳優の逮捕なども予言したという彼の占いは、なぜそんなにも当たるのか?占い師となった経緯や、占いの方法、占い師としてのスタンスなど本音を語ってもらった。

芸人としての限界と新しいキャラの模索

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──Love Me Doさんは芸人でありながら、占い師としても活動されています。何かきっかけはあったのでしょうか?

「渋谷公園通り劇場の正月公演だったと思いますが、大阪から来ていた中川家さんや千原兄弟さんの凄さを目の当たりにしたことですね。当時は吉本興業から芸人としてデビューして、2、3年が経った頃だったのですが、これは自分に芸人の道は無理なんじゃないかなと」

──そこまで強い衝撃を受けられたのですか。

「そりゃあもう、才能のレベルが全然違いました。でも、辞める勇気ってなかなか持てないんですよ。芸人の世界って一度入ってしまうと、本当に抜けられないものなんです」

──芸人の仕事とは、それだけ魅力的なものだということですね。

「なので、自分なりに試行錯誤しながら細々とですが続けていました。転機は2000年頃ですね。テレビでKABA.ちゃんがブレイクした時に、吉本の社員さんから『オネエキャラ、あるんじゃないか』と言われたんです」

──そういえば、2000年代前半は多くのオネエたちが活躍し始めた頃でしたね。

「私も小さい頃『オカマになりたい』なんて願望を抱いていた時代があったんですよ。でも、それだけじゃ今一つ弱い。よくよく考えたらオネエキャラの方って、タレント業とは別の仕事を持っている方ばかりだなって気づいたんです」

──確かにKABA.ちゃんは振付師ですし、IKKOさんはヘアメイクさん、元祖とも言えるおすぎピーコさんも服飾評論家と映画評論家ですね。

「そこで出てきたのが『占い師』という案でした。社員さん曰く『オネエに占い師を合わせれば最強だろう』って。実をいうと私は子どもの頃から霊感があって、そういう体験をちょこちょこしていたんです。中学時代も教室でタロット占いをしていて、もしかしたら向いているのかもしれないと」

──でも、改めて占い師としての勉強を始めるのは大変だったんじゃないですか?

「それが意外と上手くいったんですよ。新宿二丁目で働きながら、そこで占いをしていたんですが、たくさんの占い師の先生たちに出会うことができて、多くのことを学ばせてもらえました」

──それは凄いですね。強運じゃないですか。

「自分に向いていることをやっていると、その方向に風が吹くのだと実感しました。結果、日本にあるほぼ全ての占いを、一通り覚えることができましたね」

オネエキャラからサッカー芸人、そして占い師へ

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──Love Me Doさんは芸人・占い師という肩書きだけでなく、サッカー指導者のJFA公認指導者ライセンスをお持ちだそうですね。

「イメージ的にあまり表に出していないんですが、子どもの頃からサッカーをやっていて、芸人になってからはフットサルを始めました。これは吉本の社員さんから『これからはフットサルがくるよ』と言われたからでもあるんですけど」

──占いでも数々のサッカーの試合結果を的中されています。サッカーとは遠からぬ縁がおありなんですね。

「そもそも私が芸能界に入るきっかけとなったのは、まだプロサッカーが無い時代に、木梨憲武さんが『FCのりの』というフットサルチームの試合を番組で放送したことなんです。そうか、芸能界に入ったら、テレビでサッカーができるんだって(笑)」

──そういう発想で芸能界入りしていたとは意外でした。では、占い師として名前が知られる前は、サッカーキャラだった時代もあったのですね。

「オネエとサッカーの取り合わせが良かったのか、ナインティナインの矢部さんの『やべっちF.C.』の番組で日本代表とのフットサル対決に呼んでいただり、極楽とんぼの加藤さんのフットサルにも参加させて頂きました」

──サッカーをするために芸能界を目指し、オネエキャラになり、フットサル芸人になり、そして今は占い師に。なかなかに紆余曲折ですね。

「2~3年前までは男性からサッカーキャラで認識されていて、よく街中で『やべっちFCのラブちゃん』として声を掛けられていました。でも、一緒に女性がいたりすると、その子にとってのラブちゃんは完全に占い師なので、カップル間でイメージの違いがあって面白かったです」

──今はもう、すっかり占い師の印象が定着していますよね。

「ですね。声をかけてくださる方の層も変わってきて、今は40~50代の女性がどんどん増えています」

四柱推命、風水、占星術、手相......Love Me Doが確立した独自の占い

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──ひと口に占いと言っても様々な種類がありますよね。Love Me Doさんはどのような占いをされているのでしょうか。

「人生を占う時には四柱推命を使っています。家を見る場合は風水ですし、人の心を読む場合は占星術。その目的によって使い分けている感じです。手相や人相学もやりますよ」

──殆どの占いの方法を学んだという話がありましたが、それをしっかり活用されていますね。最初にやり始めた占いは何だったのですか?

「手相ですね、新宿二丁目にいた頃に独学で始めました。ただ、やっていくうちにどんどん悩みが重いものになっていったんですよ。最初はライトなちょっとした相談だったものが、『自分の子どもが誰の子なのかわからない』とか。そうなってくると、とてもじゃないけど当時の占いではカバーしきれなくなってしまったんです」

──手相だけで占うのは限界があったのですか?

「というよりは、判断材料を増やしたかったんですよね。手相に加えて生年月日でも占うことができたら、さらに有効なアドバイスができるじゃないですか。ちょうどその頃にたくさんの凄い占い師の方と出会って、占いについて深く学べたことは、本当に良かったと思っています」

──Love Me Doさんに「凄い」と言わしめる占い師さんって、どんな方なんでしょう。

「世には全く出てこない人です。凄い才能を持ってはいるけれど、コミュニケーション能力が低い。そういう人たちはメディアで活躍ができないんです」

──逆にメディアで活躍できる占い師とは?

「コミュニケーション力が高い分、当てる技術は弱いと思います。占いで売れるコツって、相手を喜ばせることであって、事実を伝えることじゃないんです。私もそのせいで、何度もチャンスを逃してきてます」

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──今、物凄い正直な話をしていただいていますよね。

「結局のところ、本気で占ったって何の意味もないってわかっちゃったんですよね。良いことばかりではない、事実を受け止められる人は少ないんです。みんな『そんなことない、本当のことを教えて欲しい』って言いますけど、言ったら言ったで絶対に嫌な顔をされます。だからもう、対面で占うのは止めました」

──それじゃあ、今は1対1での占いはしていないのですね。

「たぶん私は情が深いんですよ。1人ひとりに魂を込めて占ってしまうと、翌日は起き上がることができないくらいパワーを使ってしまうんです。アスリートと一緒で、向き合うには若さや体力が必要です。自分でコンディション整えていかないと厳しいですよね」

──そんなに占いがハードなものだとは思いませんでした。だとすると、一日に何人もお会いして占っている占い師さんは、大丈夫なんでしょうか。

「そういう方たちはビジネスとして割り切れているでしょうから、大丈夫だと思いますよ。私の場合、生年月日、生まれた時間、生まれた場所まで聞いて占うという、その人たちの業まで背負うようなやり方ですから。占うとなると、相手とどうしても向き合ってしまうので、負荷がかかり過ぎちゃうんです」

──ということは、メディアに出演されている時は、相当疲れていらっしゃるのでは......。

「というか、テレビに出るために、日々エネルギーを貯めていると言っても過言ではないですよ。やっぱり自分の中では、最初の目的である『テレビやラジオに出たい』という気持ちが強いんです。コンディションは、そこを最優先にしていますね」

【プロフィール】
Love Me Do
吉本興業所属。占い師であり風水師、占星術家としても活躍中。愛称はラブちゃん。最新著書『月と風水~時間と空間を操る時空風水~』発売中。

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