「日本は遅れている」インド人の生活を激変させたカード:未来世紀ジパング

公開: 更新: テレ東プラス

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8月21日(水)放送の「日経スペシャル 未来世紀ジパング」(毎週水曜夜10時)は、成長を続ける大国「インド」を取り上げる。日本式コンビニチェーンのインド進出の舞台裏や、IT企業が集結する"インドのシリコンバレー"に密着し、世界も注目する発展の秘密を探る。

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コンビニ不毛の地・インド初出店の舞台裏

1日に約7万人が生まれ、今も人口が増え続けているインド。数年後には中国を抜き、人口世界一になると予測され、高い経済成長率も維持している。そんな巨大市場を狙って近年日本企業の進出も加速。「無印良品」が店舗を増やしているほか、カレー専門チェーン「CoCo壱番屋」も来年の進出を発表した。そんなインドでいまだ浸透してしない業態が、日本ではおなじみのコンビニ。外資規制が厳しいインドではコンビニがほとんどなく、一定の所得がある層が増えているにも関わらず、気軽に買物できる場所が少ないのが現状だ。

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コンビニ不毛の地に挑むのは、日本企業「インパクトホールディングス」。社長の福井康夫さんは元々セブンイレブンの社員だったが、15年前に独立。インドや中国で小売店のコンサルティングなどを手がけてきた。今回、インド全土で2700店舗を展開するインド最大のコーヒーチェーン「カフェ・コーヒー・デイ」と手を組み、コンビニ事業を仕掛けることに。既存のカフェの店舗を改装していく戦略で、なんと1年間で425店舗のスピード出店を目指すという。

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福井さんの前に立ちはだかるのが、コンビニの王者「セブンイレブン」。インドのスーパー大手と組んで今年インドに出店、3年で500店舗を目指すと発表した。今後は日本のコンビニがライバルになると将来を見据える福井さんだが、最大のライバルは別のところに...。

インドでは「キラナ」と呼ばれる、いわゆる街角の売店が1400万店舗以上存在し、店頭で軽食販売や小分け販売に対応するなど、現地の人々の暮らしに根付いているのだ。こうした地域密着型の店に対抗し、インド人に人気のスナック類で勝負をかける福井さんは、現地スタッフの意見を取り入れ、オリジナル商品の改良を重ねていく。

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だがオープンを2日前に控え、想像もしてなかった出来事が。パートナー企業である「カフェ・コーヒー・デイ」のトップ・シッダルタ会長の突然の訃報が飛び込んできたのだ。逆境の中「店をオープンすることがオーナーの遺志を継ぐこと」と前を向く福井さん。不休の準備はオープン当日まで続いた。店には、日本のコンビニでもおなじみの冷凍食品に菓子パンなどが並び、日本のカップヌードルは現地に合わせたカレー味を用意した。商品はある程度揃ったものの、肝心の弁当やホットスナックが届いていない。消費の文化が全く違うインドで、日本式コンビニは受け入れられるのか。巨大市場での戦いに密着した。

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「日本は遅れている」 成長を続けるIT大国の秘密

インドで世界中から注目を集めているのが、第3の都市・ベンガルール。その最大の特徴は、マイクロソフトやグーグルが開発拠点を設けるなど世界的なIT企業が集まっていること。「テックパーク」と呼ばれる建物が約40ヵ所も存在し、大手企業のみならず、ベンチャー企業も続々集結。まさに"インドのシリコンバレー"といえるこの地を、番組ナビゲーター・鎌田靖が訪れた。

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ベンガルールの街中で目にするのが、鮮やかな水色のバイク。実はこれ、インド発の自転車と電動バイクのライドシェアサービス。世界最悪と言われるインドの渋滞と、それに伴う深刻な大気汚染の解消につながるとして、わずか1年で4都市に拡大、急成長を遂げている。手掛けているのは設立からわずか2年で、スタッフの平均年齢が25歳の「ユールー」。今回、テックパーク内にあるオフィスにカメラが入った。

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「ユールー」のミスラ会長は、すでにベンガルールはシリコンバレーと肩を並べていると話し、インドのIT企業が急成長している理由を挙げた。それは、「優秀な人材」「豊富なデータ」「大きなマーケット」と3つのコンビネーションを挙げた。さらに「日本は遅れている」と流暢な日本語で話すミスラ会長は、日本のある問題点を指摘する。

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インドのデジタル化の土台となっているのが、インド版マイナンバーカード「アドハー」の普及。番号だけでなく、指紋や虹彩、顔認証など生体認証で登録するシステムで、戸籍がないインドにおいて身元を確認できる初めての制度だ。驚くことに、登録が義務ではないにも関わらず、開始から10年で13億人全員の登録が来年にも完了する見込みだという。登録することでガスを買うための補助金を受け取ることができたり、食料配給の手続きが不要になったりするなどし、所得が低い層にも定着している。13億人ものデータベースが完成しつつあるインド。巨大IT大国の成長は続く。

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番組では、優秀な人材を獲得するため、インドの大学で日本企業をPRするユニークな仕掛けや、インドの貧困層を救う病院経営も紹介。激変する大国の今を伝える「日経スペシャル 未来世紀ジパング」は、今夜10時放送。お見逃しなく!

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