ひねくれ女子と、見ていてムカつく男!? 渡辺大知×鈴木愛理スペシャル対談

公開: 更新: テレ東プラス

iturn_20190808_01.jpg
日本で一番不幸な男の物語、ドラマ24「Iターン」(毎週金曜 深夜0時12分放送)。会社員とヤクザの二重生活を送ることになった主人公・狛江光雄(ムロツヨシ)を取り巻く、義理と人情を重んじるヤクザの組長・岩切猛(古田新太)、冷徹なインテリヤクザ・竜崎剣司(田中圭)ら濃すぎる登場人物の中、狛江の赴任先の"クセの強い"若手社員2人も注目を集めている。

今回は、やる気がなく定時退社が当たり前の営業・柳直樹役の渡辺大知さんと、仕事も恋も興味がないマイペースな事務・吉村美月役の鈴木愛理さん対談をお届け。個性的な俳優が集結した現場は、まさに"怪獣大戦争"!? 撮影中に垣間見えた以外な素顔から、自らの「Iターン」(自分を取り戻す)体験談など、貴重なお話が飛び出しました。

iturn_20190808_02.jpg

オールスター勢ぞろいの"怪獣大戦争"!?

──今回の出演オファーを受けた時の感想は?

渡辺「脚本を読んで、奇想天外でありながらも、どこかありえそうな話で、絶妙なファンタジー感が面白いと思いました。登場人物全員がとにかく個性的で、この魅力的なキャラクターを、この役者さんたちが演じたら......。それぞれがバチバチに火花散らして、自分の出したい感じを存分に出したら、すごいことになるんだろうなと。ゴジラやキングギドラら総出演の"怪獣大戦争"みたいな(笑)。脚本を読みながら想像しただけでワクワクしました」

鈴木「私は、お芝居のお話をいただいたこと自体にビックリして、アゴが外れそうになりました(笑)。普段は歌のお仕事しかしていないので、こんなにすごい俳優さんたちの中に入って何ができるんだろうと不安になりましたが、私も25歳になったので、大きなチャンスだと感じて。せっかくお声掛けいただいたので、何もかも捨てる気持ちで思いっ切り飛び込もうと思いました」

渡辺「そのドラマがこれって(笑)。きっと鈴木さんだったらキラキラした恋愛ものとかできるでしょうし、オファーもあるでしょうけど。あえてこの作品を選ぶという鈴木愛理のパンク精神がすごい!(笑)」

鈴木「鈴木愛理も"怪獣"になりに行かなきゃと(笑)」

渡辺「怪獣大戦争に仲間入り(笑)。いや、この作品に鈴木さんを出演させようと思ったマネージャーさんもすごくパンクですよね」

鈴木「見るからにパンクですよ(笑)」

キラキラを消す練習って何!?

iturn_20190808_03.jpg
──渡辺さんは柳直樹役、鈴木さんは吉村美月役ですが、ご自身が演じたキャラクターについては、どう思いますか?

渡辺「脚本では、柳は無気力でマイペースな、ゆとり感漂う若者像として描かれていたので、やりすぎなぐらいやりすぎてみよう、と。でも、こんな若者って本当にいるよなとリアルに見えたらいいなと思いながら演じました。嘘っぽいのに嘘じゃない感じ。それぐらいの方が狛江さん(ムロツヨシ)を振り回せるんじゃないかなと」

鈴木「美月ちゃんは恋愛にも仕事にも興味がない女の子。監督からは、『普段ステージの上でキラキラとした自分を出す仕事をしていると思うけど、ドラマの撮影期間中はそのキラキラを消す練習をしてから寝てください』と言われて。『キラキラを消す練習って何!?』って思いました(笑)」

渡辺「そんなこと言われていたんだ(笑)」

鈴木「何をやったらいいのか分からなかったので、毎晩寝る前に黙祷していました」

渡辺「それで、キラキラが消えるの?」

鈴木「分かんないけど、キラキラを消そうと思って(笑)」

鈴木はひねくれている!? 渡辺はヒドイ男!?

──今回、初共演ですが、お互いの印象は?

渡辺「鈴木さんは......」

鈴木「今日は、ずっと『鈴木さん』って言ってますよね?(笑)」

渡辺「あっ、じゃあいつものように愛理ちゃんで(笑)。愛理ちゃんはかわいいんですけど、ちょっとひねくれたところもあるんです。普通に言ってしまいそうなセリフを、あえて崩して言っている感じがあって。すごく考えながら、楽しみながらお芝居をしているところが素敵です」

鈴木「ありがとうございます(笑)」

──ひねくれた感じというのは、美月を演じる上で意識していたんですか?

鈴木「美月ちゃんの設定が原作とドラマでは違っていて。脚本の段階では"キラキラ女子"として狛江さんを振り回す感じでしたが、それだと物語の中で一人だけ浮いてしまうということで、撮影初日に"サブカル女子"に変わったんです」

──キャラが180度変わりましたね(笑)

鈴木「そうなんです。現場に入ったらワンピースとか全部なくなっていて、ロックバンドのTシャツとかが置いてあって、『私は何を演じるの!?』って(笑)。どうしたらいいのか分からなくて、渡辺さんに相談したりしました」

渡辺「僕は相談されても、『正直ちょっと分かんないです』としか言えなかったけど(笑)」

鈴木「え~、そんなことないよ。いろいろアドバイスしてくれたじゃないですか。渡辺さんは、こういう感じなんです(笑)」

渡辺「いや、ホントに大したことは言っていないと思うんですよ。ほとんど愛理ちゃんが自分でちゃんと考えていました」

鈴木「そんなことないです。渡辺さんにはいろいろお芝居の話を聞いてもらったので、それを頼りにしながら演じていました」

渡辺「愛理ちゃんは、嘘がなく素直に自分をさらけだせるところがすごい。自分が思ったことや感じたことを直球でやっている感じ。さっき、"ひねくれてる"という言い方をしたけど、"真っ直ぐ"という表現の方がよかったかも」

鈴木「訂正してくれて、ありがとうございます(笑)」

iturn_20190808_04.jpg
──鈴木さんから見た、渡辺さんの印象は?

鈴木「実は共演する前から無意識に渡辺さんの作品を見ていたんです。もちろん歌のイメージもありましたが、私の中では俳優さんのイメージが強くて。渡辺さんは人間味が深い方ですし、演技にもその感じが出ているなと思います。今回のドラマで一番セリフを交わすことが多かったのですごく刺激になりましたし、周りの方たちからも『ほぼ初めてに近いお芝居の相手が渡辺さんで良かったね』と言われました」

渡辺「今のコメントは世界中の人に聞いてもらいたいです(笑)」

──ちなみに、渡辺さんが出演された作品は何を見たんですか?

鈴木「最近見たのは、テレビ東京さんのドラマ『恋のツキ』です。見ていてムカつく男の人の役でした(笑)」

渡辺「あの時は『女性に対してああいう態度を取ったらダメだよ』って、いろんな人から言われました(笑)」

鈴木「私もテレビに向かって言ってました(笑)」

渡辺「僕は普段あんなヒドイ男じゃないですから(笑)」

鈴木「渡辺さんご自身は違います(笑)。今回現場でお会いした時も、当たり前ですが、『恋のツキ』の役とは全然雰囲気が違っていて。改めて俳優さんってすごいなと思いました」

渡辺が鈴木の秘密を暴露!? 実は家の中で......

──お二人は音楽をやっているという共通点がありますね。

渡辺「今度、愛理ちゃんのライブに行こうと思っているんです。すごく楽しみ。実はこの人、家の中で......」

鈴木「え、ちょっと待って! それ何の話?(笑)」

渡辺「家で歌を録音できるんですよ」

鈴木「なんだ宅録のことか(笑)」

渡辺「そういう機材を揃えて、家で歌っているんですよ」

鈴木「マイクがあるだけで、そんなにすごいものじゃないですから(笑)」

渡辺「家の中にブースというか、歌えるスペースを作って録音したりしているっていう話を聞いていて、本当に歌が好きなんだなと思いました」

鈴木「違うんですよ。歌手活動をしていく中で、『優等生っぽい』とか『安定感がある』と言われることが昔からの悩みで。おそらく、皆さん褒め言葉として言ってくださっているとと思いますが、自分の中ではそう思われるのがすごく嫌で、どうにかしたいなと思っていたんです。そんな時に、渡辺さんの歌を聴いて衝撃を受けました」

iturn_20190808_05.jpg
──どんな衝撃を!?

鈴木「ドラマの中で渡辺さんふんする柳が歌って、それを聴いた美月ちゃんが泣くというシーンがあるんですが、もうすごいんです。渡辺さんのあの歌を聴いたら自然と涙が出るようになってしまいました。それぐらい歌に力があるというか、言葉のように歌を紡ぐ方だなと。感情の出し方がすごくて、こういうものを私はやってみたかったんだと気付かされました。渡辺さんは、ドラマの打ち上げでカラオケに行った時も、めっちゃ歌ってました(笑)」

──カラオケではどんな曲を?

鈴木「忘れもしません......全開で歌っていた、あの『SWEET MEMORIES』は(笑)。キーも原曲のままでしたからね」

渡辺「愛理ちゃんの中に何かが残っていてくれたら、それだけでうれしいです。ちなみにドラマで歌っている曲は、村下孝蔵さんの『初恋』です」

鈴木「あれは最高です。絶対音源化するべきですよ」

ポジティブ&ネガティブで壁を乗り越える!

iturn_20190808_06.jpg
──ドラマ24「Iターン」は、"I"(自分を)"ターン"(取り戻す)物語です。お二人は、自分を見失いかけたという経験は? また、そういう時は、どのように自分を取り戻しますか?

鈴木「私は基本的にポジティブな性格。だけど、15年間アイドルをやってきて、2年前、アイドルの卒業と大学の卒業が重なって、今まで自分が積み上げてきたものが一気に全部終わってしまったんです。それからしばらく表立った活動をしていなかった時期はすごく怖かったです。8歳から芸能界にいたので、周りの人たちが活躍している姿を見ていたら地下33階ぐらいまで落ちた気分になって。

でも、その時に『私はこんなに落ち込むことができるんだ。まだまだやれるぞ』と思えたんです。今まで見えてなかった小さな幸せや家族のありがたみ、そして他人と比べてもいいことなんてないと気付きました。自分が落ち込んでいる時は他の人たちが輝いているけど、自分が輝いている時は他の人たちが落ち込んでいるのかもしれない。そういう思考回路が生まれて『落ち込むことも大切なんだな』と考えられるようになりました。落ち込めることも幸せだと思えたら超幸せ! ポジティブなことに変わりはないけど、ネガティブも悪くないなと感じました」

渡辺「視野が広がったんだね」

鈴木「電線に止まっているスズメは、めっちゃ頑張ってるなって思えたりするんです」

渡辺「素晴らしい! 愛理ちゃんのエピソードだけでいいんじゃないですか(笑)」

──いえ、ぜひ渡辺さんのエピソードもお願いします!

渡辺「僕は壁にぶち当たってばかりなんですよ。それこそ、今回出会ったムロ(ツヨシ)さんや愛理ちゃんもそうですし、古田(新太)さんと田中(圭)さんにも違う作品の時に弱いところを見せているんです。でも、そういう時は周りの人たちの姿を見て、知らないうちに乗り越えているようなところがありますね。

それと、いろんな映画や音楽に触れてワクワクしてきた身としては、少しでもそういうエンターテインメントに恩返しをしたい。その思いが一番のモチベーション。自分が好きなものや大切なもののために一生懸命やっていれば、自然と壁を乗り越えているような気がします」

iturn_20190808_07.jpg
渡辺さん演じる柳直樹が主人公、鈴木さん演じる吉村美月も活躍するスピンオフ「犬たちの午後」が、ひかりTVにて配信中。かわいいと話題のチワワの"昌三さん"と、スナック来夢来都のめぐみ(森田望智)が連れてきたトイプードル・コニーちゃんを巡り、大騒動に!? さらに、柳と美月とめぐみの恋の三角関係も描かれる!? こちらもドラマ本編とともにお楽しみください!

詳細はこちら!

狛江は部下・美月に誘われ舞い上がり...

8月9日(金)深夜0時12分放送の第5話は? サラリーマンとヤクザの地獄の二重生活を送る狛江光雄(ムロツヨシ)。新規の仕事を取るため難攻不落の大手銀行へ営業に行くと、なぜかそこで竜崎(田中圭)と遭遇し......!

iturn_20190808_08.jpg
第5話
上司(相島一之)から、新規の仕事がなければ阿修羅支店は閉鎖と言われ、難攻不落の大手銀行に営業へ向かう狛江(ムロツヨシ)。銀行で竜崎(田中圭)が支店長といるのを目撃してしまう。しかも、そこに岩切(古田新太)も現れ一触即発に......。そんな中、狛江の心のオアシス、部下の美月(鈴木愛理)から相談があると言われ、舞い上がる狛江。一方、柳(渡辺大知)はスナック来夢来都のめぐみ(森田望智)に夢中で......。

【番組公式Twitter】@tx_Iturn
【番組公式ホームページ】https://www.tv-tokyo.co.jp/iturn/

PICK UP