エアコン、冷蔵庫、炊飯器の使い方に注意! 夏の電気代どうすれば安くなる?

公開: 更新: テレ東プラス

夏本番! 8月の水道光熱費の全国平均(2人以上)は1万9680円(※総務省統計局「家計調査」より)。猛暑が続く中、エアコンや扇風機の利用は欠かせませんが、気になるのが電気代。快適に生活しながら節約することはできないのでしょうか。

さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時26分~放送中)から、今回は節約アドバイザーの和田由貴さんに「夏の電気代を節約する方法」についてお話をうかがいました。

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光熱費節約のポイント

家庭のエネルギー源別消費は、電気が50%と半分を占め、以下、都市ガス20%、LPガス9.7%、灯油18.2%、太陽光ほか0.8%(※資源エネルギー庁「エネルギー白書2013」より)。電気代を制したものが、夏の節約を制す! ということで、まずは電気代の節約のポイントからうかがいます。

<電気代のポイント>
1.古い家電を買い換える
10年前の家電に比べると、省エネ機能搭載の最新家電は電気代も安くなります。買い換え時を検討する際は、使用中の機種と省エネ家電の電気代を比較できる環境省の「省エネ製品買換えナビゲーション しんきゅうさん」がオススメ。
https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/

2.家電の使い方を見直す
今回の記事をチェック!

3.電気の契約を見直す
契約会社やプランの見直しも検討してみましょう。

エアコンの電気代を節約する方法

nanairo_20190804_02.jpg画像素材:PIXTA

家電の使い方の見直しで、一番に考えたいのがエアコン。猛暑には欠かせないエアコンを、節約しながら上手に使う方法は?

【エアコン節約術1】設定は「ドライ」ではなく「冷房」
エアコンの設定は「冷房」より「ドライ」の方が電気代の節約になると思っている方も多いですが、これは間違い!

「ドライ(除湿)」運転モードには、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」と2タイプあります。「弱冷房除湿」は、湿度を目標値まで下げるまで「弱冷房」運転を続けるため、電気代は安くなりますが、除湿も冷房も弱い状態。「再熱除湿」は、温度を下げずに湿度を下げる機能で、一旦除湿した空気を再度温めてから室内に戻します。梅雨時や冬場の部屋干しで結露が出るような「寒いけど湿気が多い」状態に適していますが、「冷房」より電気代がかかります。

真夏の高温多湿の気候では「冷房」設定が、最も電気代の節約になります!

※除湿の機能はエアコンによって搭載されているものが異なるので説明書などでご確認ください。

【エアコン節約術2】温度は27~28℃
「冷房」設定でも、極端に低い温度にすれば電気代がかかります。推奨されているのは28℃ですが、暑い時期はもう少し下げて「暑くないかな」と思う程度の温度がオススメ。

ちなみに、経済産業省 資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬」の調べによると、夏場の「冷房」設定温度を27℃から28℃に、わずか1℃上げるだけで、ワンシーズン820円の電気代節約になるそうです。

【エアコン節約術3】風量は「自動」設定でつけっぱなしに
エアコンは、室温を急激に冷やす際に、最も電力を消費します。そのため、こまめにオン・オフするより、つけっぱなしの方が節電につながります。1時間程度の外出時には、エアコンを切るよりつけっぱなしで。

風量も自動
風量も「自動」設定がオススメ。室温を急激に冷やす際は強風に、適温になったら微風にと自動調節してくれるので、無駄がありません。

風向は、冷房→水平、暖房→下向き
「冷房」の際は、冷たい空気は下にたまるので、風向を水平にして部屋全体に冷たい空気がいきわたるように。逆に、「暖房」の際は、暖かい空気は上にたまるので、風向を下向きにして部屋の下まで暖かい空気が届くようにしましょう。

<エアコン節約術+α>
フィルターと室外機と掃除
エアコン本体のフィルターは2週間に1回掃除を。また、室外機は、吹き出し口をふさがないことや、ワンシーズンに1回掃除することで、節電に繋がります。

扇風機を併用
扇風機は電気代が安いので、エアコンと併用して活用しましょう。エアコンの吹き出し口から出た冷気が溜まる場所に扇風機を置き、空気を攪拌させることで部屋全体を冷やすことができます。また、部屋のエアコンをつける前に、室内から外へ向け扇風機をかけて熱い空気を追い出すことで、エアコンの節電に繋がります。

外からの日差しを遮る!
部屋の温度を上げないよう、窓の外側には簾などを、内側には遮熱カーテンなどをかけて工夫を。

キッチン家電の電気代を節約する方法

nanairo_20190804_03.jpg画像素材:PIXTA

夏の電気代で、エアコンに次いで大きな割合を占めているのが冷蔵庫でそして炊飯器のあの機能は、実はかなり電気代がかかっている!?

【冷蔵庫の節約術】冷蔵庫は「ゆったり」冷凍庫は「びっしり」
冷蔵庫は「ゆったり」、冷凍庫は「びっしり」収納が鉄則! 冷蔵庫に詰め込みすぎると全体に冷気が行きわたらず、また物を取り出す際もどこに何があるかわからないため時間がかかり、余分な電気代がかかります。冷蔵庫は余裕をもった「ゆったり」収納で。逆に、冷凍庫は隙間なく詰め込んだほうが冷却効率がアップ。冷凍庫は「びっしり」収納で。

ビニールのカーテンはNG
冷蔵庫の開閉時に冷気が逃げないよう庫内にビニール製のカーテンをつけるのは、実はNG。カーテンがあることによって物を取り出す際に時間がかかり、またドアポケットまで冷気が届かなくなるので牛乳や卵などが傷んでしまう可能性も。

【炊飯器の節約術】炊飯器の保温はNG!
炊飯器は、約10時間の保温をすると、1回炊飯した時と同じ電気代がかかります。朝に1日分を一度に炊いて保温しておくより、夜は炊き直した方が、おいしく節電もでき一石二鳥! あまったご飯はラップにくるむなどして冷蔵庫(冷凍庫)で保存し、食べるときに電子レンジで温め直しましょう。

暑い夏は火を使わない料理を
キッチンで火を使うと、室温も上がり、換気扇を回すとエアコンで冷えた空気も外に放出されてしまいます。夏は火を使わない料理をすることも節約に繋がります。カレーや煮物を作る際、火の通りにくい野菜は下茹での代わりに電子レンジで加熱してから煮込むと、火を使う時間が減ります。

その他、照明器具(LED、白熱電球)は使わない時はこまめに消す、逆にパソコンは1、2時間の休止ならシャットダウンするよりスリープを活用するなど、家電の電気代を節約する方法はたくさん。でもまずは、エアコン、冷蔵庫、炊飯器の節約から始めましょう。ちなみに、使用中以外は家電のコンセントを抜くという行動は、実はあまり節電効果はないそうです。

家電を正しく使用することは、節約はもちろん環境保護にも繋がります。今年の夏は、家電の使い方を見直して、電気代を節約しましょう。

取材協力: 節約アドバイザー・和田由貴さん。消費生活アドバイザーや生活アドバイザーとして活躍中。耐える節約ではなく、快適な節約を提唱。著書は「暮らしを見直す 夏の節電対策」(NHKまる得マガジン)、「適当!カンタン!楽しい! 和田由貴のシンプル節約術」(あさ出版) など。
オフィシャルHP:http://wada-yuki.com

和田由貴さんも出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時26分からのOAも要チェックです!

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