この夏注目!バブルに湧く沖縄・宮古島&北海道・ニセコ:未来世紀ジパング

公開: 更新: テレ東プラス

7月31日(水)放送の「日経スペシャル 未来世紀ジパング」(毎週水曜夜10時)は、今世界から注目される日本のリゾートを取り上げる。外国人観光客が殺到し、バブルを思わせる土地の高騰を見せる沖縄・宮古島や北海道・ニセコの熱狂ぶり取材。世界を魅了する日本の観光地の価値に迫る。

"宮古島バブル"で笑う人、泣く人

東京から飛行機で約3時間、沖縄県の離島・宮古島。東洋一とも称される青く透き通った海に、ご当地料理の宮古そばやブランド牛・宮古牛、定番デザートのマンゴーなどグルメも充実。そんな魅力満載の宮古島で2015年に開通したのが、無料で通れる橋としては日本一の長さを誇る「伊良部大橋」だ。その絶景を目当てに写真を撮りに訪れる観光客が急増している。それまで年間40万人程だった観光客は橋の開通を境に増加し、去年ついに100万人を超えるまでに。

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観光客増加のもうひとつの理由が、外国人観光客の存在だ。この日巨大なクルーズ船でやって来たのは、那覇を経由してきた中国人観光客。実は、宮古島の観光客の約3分の1が、クルーズ船の乗客なのだ。次々とバスやタクシーで町へと繰り出していく。その賑わいぶりに、地元の運転手たちは「(売上げが)2倍は違ってくる」と笑顔を見せるが、良いことばかりではない。ビーチなどでの観光もそこそこに中国人観光客が向かったのは、「ドン・キホーテ」や免税店などの大型店舗ばかり。買い物を終えるとすぐに船へと舞い戻り、島内での滞在時間はわずか7時間という短さだった。地元の店で買い物する人は、ほとんどいないのだという。

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そんな中、今年3月には宮古島観光の起爆剤と期待される、ある施設がオープンした。国際線のターミナルを備えた「みやこ下地島空港」だ。5年前から休眠状態だった民間のパイロット訓練飛行場をリニューアルし、香港から定期便も飛ぶことになった。これまで国内線のみ、沖縄県外からは4路線にとどまっていた宮古島にとっては、悲願の国際線の就航。足並みを揃えるように宮古島には今、企業が次々と進出している。今年5月には小田急グループがリゾートホテルをオープン。さらに、楽天も宮古島に進出。島の至る所でホテルなどの建設ラッシュが起きており、その様子はさながら"宮古島バブル"だ。

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開発ラッシュに伴い島内の家賃も急上昇。1K、約30平米のマンションの家賃が月9万円と、東京都内の相場に匹敵する価格に。4~5年前の2倍近くまで高騰している。そんな宮古島に、世界からも注目が高まっている。ホテル世界最大手の「マリオット」がリゾートホテルをオープンさせた。ロケーションにこだわったラグジュアリーなホテルは、オーシャンビューの客室が1泊17万円と高額だが、常に予約で埋まっているという。今後も「国内外を問わず有力ホテルが進出すると思う」とホテルの支配人が語るように、島の熱狂ぶりはまだまだ続く...。

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外国人が殺到するニセコの現在、そして未来

近年外国人に人気のリゾートとして名高い北海道・ニセコ。冬には良質なパウダースノーを求める外国人スキー客が殺到。訪れる外国人観光客はここ10年で5倍以上に増え、年間27万人にも上る。そんなニセコに驚きの変化が起きていた。町を走るとそこはまさに建設ラッシュの真っ只中。アメリカの「パークハイアット」に、「リッツ・カールトン」など、北海道初の五つ星ホテルブランドが相次いで進出を決定。外国資本による不動産投資がさらに過熱していた。

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「ニセコ地区」の中でも、開発が著しいのが倶知安町のひらふ地区。町の不動産会社を訪ねると、オーストラリア人社長のサイモンさんは「ここの土地は下がらない。右肩上がりで上がり続けると信じられていて、高額な物件でも次々に売れていく」と話し、まさにバブルの様相を呈していた。分譲マンションを買っているのは、ほとんどが外国人。販売価格6億円ともいわれる物件は、オーナーが使わない間は貸し出されるが、その金額はスキーシーズンの冬には1泊70万円と驚きの価格になる。それでも予約が入るという。

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実際にニセコで土地を購入した外国人を取材すると、驚きの事実が。オーストラリアで会社を経営しているヤンさん夫婦が、ニセコを気に入り土地を購入したのは2年前。3100万円で購入した230坪の土地のうち100坪を1年後に売却したが、売却価格はなんと購入価格と同じ3100万円だったという。1年で元がとれた計算だ。しかもその土地は現在4300万円で売りに出されているという。ここでも"土地バブル"を目の当たりにすることに。

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この状況に地元住民の反応はさまざま。急激な開発で森林伐採が進むことに反発を覗かせる住民がいる一方で「日本人だけだったら限界があったのかな」と外国人の流入に理解をみせる住民も。倶知安町(くっちゃんちょう)では景観を守るために22mを超える建物は建てられない(一部を除く)など規制を設けてはいる。倶知安町の文字町長は海外からの投資の重要性を掲げながらも、「住んでいる人たちと外からのお客さん、リゾート開発がどう共生できるか」と課題を挙げた。

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番組では香港から直行便で宮古島を訪れるツアー客や、ニセコで地域との共生を目指す企業の取り組みにも密着。さらにシーズンオフのニセコでお得に長期滞在をする夫婦の暮らしぶりも紹介する。世界も注目する日本の新たな観光戦略を伝える「日経スペシャル 未来世紀ジパング」は、今夜10時放送。お見逃しなく!

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