幽霊になってあの世へ旅立ち!? 吉祥寺の”ゆうれい居酒屋”で自分のお葬式を体験してきた

公開: 更新: テレ東プラス

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夏の定番といえば幽霊やお化け屋敷だが、吉祥寺に"ゆうれい居酒屋"があるのをご存知だろうか。おばけ屋敷のような店内では、幽霊に接客してもらえるだけでなく、オリジナリティあふれるゲームが楽しめるという。

しかもこの店では、生前葬のような雰囲気の「棺桶体験」を実施しているそうだ。今回はその内容や体験者の感想もレポートしながら、"ゆうれい居酒屋"の魅力に迫ってみたい。

恐怖のロシアンルーレットで誰かが地獄行き!

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ゆうれい居酒屋の店内は、そのままずばり霊界をイメージしているという。明るい幽霊たちに接客されながら、から傘おばけをモチーフにした揚げ物、目玉のかたちの料理、食べられる昆虫など、エッジの効いた"霊界料理"が楽しめる。

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料理のほかにも店の名物になっているのが、「恐怖のロシアンルーレット」。ステップ1の「ちくわロシアン」から、ステップ3の「餃子ロシアン」まで、色々な料理を食べながらドキドキのゲームを楽しめる。

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幽霊たちが軽快なトークで上手く場を盛り上げてくれるため、お客さんたちは終始楽しくゲームに参加できる。「心の準備はよろしいでしょうか? 一口でお願いします、せーの! 南無〜!」の発声で一斉に食べ物を口の中へ。

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一つだけ混じっている激辛を食べたら、地獄行き。それ以外は天国行きで、人間界でいうところのチョコのような甘い味を楽しめるという。

ちなみに、この記事を見たと言えば、「恐怖のロシアンルーレット」のステップ1を全員分サービスしてくれるという。このお店の幽霊たちは、なかなか太っ腹だ。

「棺桶体験」をすれば長生きできる!?

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ロシアンルーレットで地獄行きになった人は、店の奥にある「リアル棺桶体験」へ。本物の棺桶を使って、生前葬のような儀式を体験できるそうだ。

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棺に入るだけなのかと思いきや、しっかりと死装束も用意。店員が服の上から手際良く着せてくれる。通常の着方とは逆の左前で着用するこだわりぶりだ。

店内に響くお経のBGMが徐々に大きくなり、お葬式のような雰囲気が高まっていく。体験者が"故人"になれるだけではなく、連れの人も葬儀の"参列者"の気分が味わえそうだ。

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「本日はご愁傷様です。それではまず、一緒に棺桶を開けていただけますか?」

そう幽霊に声を掛けられ、"参列者"たちは真剣な表情で棺の蓋を開ける。......この時、サプライズが用意されているのだが、それは実際のお楽しみということで。いや、本当に一同、驚愕させていただきました。

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いよいよ、履き物を脱いで、"故人"が棺桶の中へ。先ほどよりも体験する女性の表情が固くなってきた。

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「それではご遺族の皆さま、故人さまのお顔のまわりが華やかになるように、お花を想い出の数だけ手向けてください」

そう告げられて、"参列者"は「今までありがとう」「バッティングセンター楽しかったね」などと言いながら花を入れていく。神妙な雰囲気の中、時々"故人"がまわりの様子を観察しようと目を開けるものだから、「こわっ!」と驚きの声があがっていた。

棺の蓋を閉める前には、「故人さまの利き手が上になるように、手を重ね合わせてください」という呼びかけも。思わず居酒屋にいることを忘れてしまう。

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周りを見ると、「本当にこんな感じになっちゃうんだ......」と感傷に浸る人もいた。普通の葬儀と変わらない光景に、思わず「安らかなお顔ですね」と言いたくなる。

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最後に全員で「南無~」と一緒に手を合わせて唱和したところで、儀式は終了。その後、生前葬の良さについて店員が説明してくれた。

「本日体験していただいた棺桶体験ですが、一般的には『生前葬』として知られています。普通に生きていると、なかなか自分の最後や死を感じることはできませんが、ここでは気軽に体験できます。一旦"死"を体験することで、本当にやりたいことや、大事な人の存在に気付いくこともあるのではないでしょうか。それに、『生前葬を行うと長生きできる』といわれています。ただ、ここは霊界で皆さんは今死んでいるので、蘇ったらの話ですね(笑)」

訪れるお客さんの中には「縁起が悪い」と言う人もいるらしいが、生前葬の良さを伝えるとホッと胸をなで下ろすそうだ。

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体験イベントの終了後、体験した女性にインタビューしてみると、意外な感想を聞くことができた。

――"死に心地"はいかがでしたか?

「最高でした。まさか、こんなことになるとは思いませんでしたが、意外と棺桶の中の居心地は良いかもしれないですね。棺の蓋が閉まった瞬間に、木の温もりが感じられるというか、包まれているような感じを味わえるというか」

――それは意外な感想ですね。他の人が手を合わせたりしているのは、どのように感じていましたか?

「手を合わせてくれた人の中には、今日初めて会った人もいたんですが、私のことを想ってくれているような気持ちが伝わってきましたね。それに、外からお経も聞こえてきて、自分の葬儀ってこんな感じなのかなと、不思議な感覚でした」

――棺の蓋が開けられて、"生き返った"ときの気分はいかがでしたか?

「新しい空気が一気に入ってきて、新鮮な気持ちになりました。最近、色々と悩むこともあったんですが、『また頑張ろうかな』と前向きになれたような気がします」

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「本格的でびっくり!」「超楽しい!」「本当に旅立っていくんだなと思いました」などなど。"参列者"として参加した人たちも、皆さん楽しめたよう。初対面にもかかわらず、非日常的な出来事を共に体験したことで、一気に親密な関係になれたそうだ。

お化け屋敷のようなエンターテインメント性がありつつ、本格的な生前葬まで体験できる「ゆうれい居酒屋」。友だちと一緒に忘れられない想い出を作るには、ぴったりのスポットではないだろうか。

【取材協力】
幽霊居酒屋 吉祥寺 遊麗
住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町1-8-11-B1
電話番号:0422-41-0194
[HP]http://www.yurei.jp/
[Twitter]https://twitter.com/yurei2005
[インスタグラム]https://www.instagram.com/explore/locations/218467739/izakaya-yurei/?hl=bn

※この情報は、2019年7月時点のものです。最新情報をご確認の上、お出かけください。

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