年収1000万円のエリートサラリーマンが、52歳で”スマート農業”に転身した結果...

女性87.6歳、男性81.09歳（※平成29年簡易生命表厚生労働省調べ）と、毎年更新している日本人の平均寿命。"人生100年時代"となった今、長い人生を楽しく生きるために40歳代から知っておきたい「移住」「開業」「再就職」などの情報をお届けする「カンニング竹山の新しい人生、始めます！」（ＢＳテレ東毎週日曜夜9時）。

「テレ東プラス」では、7月28日（日）放送の内容を、先取りでご紹介します！

トマトの美味しさの秘密は......近未来型農業

今回紹介する「新しい人生の先輩」は、大倉淳伸さん。現在56歳の大倉さんは、千葉県でトマト農家を営んでいます。大倉さんが育てているトマトは千葉県内のデパートで売られており、お客さんからも「甘くてどこかなつかしい味」と大人気。大倉さん自身も「トマトの味がちょっとでも美味しくなるように心がけている」と語ります。

大倉さんがトマトを育て始めたのは4年前。それまでは、年収1000万円稼ぐエリートサラリーマンでしたが、52歳で早期退職。退職からわずか3年で、人気のトマト農家になりました。

もともとサラリーマンだった大倉さんがわずか３年で美味しいトマトを作れた理由、それは...今話題を呼んでいる"スマート農業"。水も温度も全自動で管理されており、初心者でも簡単に始められるため「農家の後継者不足解消に繋がる」という、近未来型の農業。これによって、農業未経験だった大倉さんでも短い期間で美味しいトマトを作ることができたのです。それでは、大倉さんが会社を辞め、新しい人生としてトマト農家を始めて"いいね！"と感じたポイントとは...。

【いいね！ポイント①】毎日妻の愛情弁当を食べることができる

妻の佐知子さんが作ってくれた朝ごはんを食べる大倉さん。佐知子さんは、大倉さんが農家に転身してからというもの、健康を考えて毎日お弁当を作り、大倉さんも「自営業をやっていると家族の支えが感じられる」と話します。その支えが大倉さんの原動力になっているよう。

大倉さんの実家は何代も続く農家。広い土地にビニールハウスを4棟作り、そこでトマトを育てています。もともとあった場所を利用しているので、土地代はもちろん無料。

大倉さんの親戚を始めとした若いスタッフたち4人で、作付けから収穫、梱包まですべて行なっているそう。この日メインになるお仕事は、熟したトマトの収穫。トマトは収穫してからも熟成が進むため、真っ赤になるちょっと手前で収穫するのがポイント。

大倉さんの栽培方法の特徴は...。トマトをコップ一杯程度の小さなスペースで栽培し、ストレスを与えることで実に栄養を集めて甘くします。そして驚きなのが、機械の管理システム。水や養分の管理から苗木の送り出し、さらに、24時間室内の温度・湿度を測定まで行ないます。

例えば、気温が上がるとハウスの屋根が開き、トマトにとって最適な26度を保つように自動調節が始まります。そのため、年間通じて常に最高のトマトを作り続けることができるのです。

機械に任せることで素人でも手を出しやすく後継者不足解消も望めるスマート農業ですが、気になるのはそのお値段。ビニールハウス建設の費用だけでも3000万円以上かかりますが、大倉さんにはその資金をすぐに工面できる秘密がありました。"いいね！ポイント"はまだまだ他にも！

残業なしで家族との時間が急増

【いいね！ポイント②】残業がなくなった

大倉さんは、専用事務所兼休憩所で愛妻弁当を食べ、午後からも収穫作業が続きます。この日収穫したトマトは約40kgで、午後5時頃にはすべての仕事が終了。「残業はできないんですよ」と語る大倉さん。

【いいね！ポイント③】家族が身近になった

帰宅したら家族で晩ごはん。大倉さんのトマトは毎晩食卓に並びます。大倉さんは、「サラリーマンをやっているときは、家族は自分の仕事の内容がわからないじゃないですか。だけど、トマトを作っているとわかりやすいでしょ？こういうトマトを作ってるんだって（家族が興味を持つようになり）、家族が身近になった」と嬉しそうに話してくれました。