中野裕太「殺人鬼の映像ばかり見ていたので、ちょっとだけ病みました(笑)」謎の私生活も明らかに!

公開: 更新: テレ東プラス

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ゼロ係に最強にして最狂の敵が立ちはだかる!? シリーズ4作目を迎える金曜8時のドラマ「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~SEASON4」(毎週金曜夜8時)に、俳優・中野裕太が出演。

厄介払いされたメンバーが集まる杉並中央署の「なんでも相談室」、通称・ゼロ係を舞台に、空気は読めないが事件は読める"究極のKY刑事"・小早川冬彦(小泉孝太郎)と、男勝りで口の悪いベテラン刑事・寺田寅三(松下由樹)の"迷コンビ"が、ゼロ係のメンバーとともに、さまざまな難事件を解決していく。

本作で中野が演じる役どころは、連続殺人犯・神沼洋。"吸血鬼"の異名で恐れられるサイコパスという特異な人物で、死刑囚として投獄されている。ここ数年、ポルトガルや中国など海外に活躍の場を広げる中野は、果たしてどんな"凶悪殺人鬼"を演じるのか? また、どこか浮世離れした雰囲気が漂う彼の素顔とは? ドラマのスタートを前に、ご本人を直撃した。

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"繊細な心情のひだ"というものが感じられる役

――新レギュラーとなった「警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~SEASON4」で演じる役どころは、連続殺人犯・神沼洋。サイコパスという、日常では出会うことがないだろう過激な人間を演じるには、ご苦労があったと想像します。

「そうですね。おっしゃるとおり日本ではそうそういない、エクストリーム(過激・極端)な役なので、本を読むなり映画を観るなりして、できるだけ下調べしました。ドキュメンタリーやインターネットで実際の殺人鬼の映像を見たり...。その間は、毎日"何でそんなことをするんだろう?"とばかり考えていたので、ちょっとだけ"病み"ましたが(笑)」

――調べてわかったことは、どんなことですか?

「一括りにはできませんが、稀代の殺人鬼の多くは、人生のあるタイミングで...例えば、虐待などによって力を奪われたり、力を失った経験、または大きな挫折があって...。それで奪われたものや失ったものを取り戻したいと思っている。ほかにも異常なまでの性的嗜好があったり...。今回の神沼は後者の部分は描かれていませんが、誰もが挫折した経験や何かしらのフェティシズムを持っていると思いますので、自分の中にある神沼に近い部分を膨らませました」

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――本作で「警視庁ゼロ係」は4作目。完成された世界観に"異物""違和感"として参加する難しさもあったのでは?

「参加が決まった際に『晴れた日の静かな湖面を眺めていると、ふと雨粒が降りてくるというイメージ』とコメントさせていただいたのですが、まさにそんな感じです。何もないところに一粒、二粒と雨が落ち、やがて波紋が広がっていく...。難しくはありますが、湖面自体の景色は変わらない中、異物としての違和感が出せるよう、現場に臨みました」

――その違和感を出すべく、ビジュアルや動作において意識した部分は?

「声のトーンや目線は、現場で自然に出てくるものに任せています。今回はプロデューサーの方や監督さんとお話する時間をたくさんいただけましたので、"神沼のイメージの音楽はこんな感じです""こんな本を合間に読んでいようと思います"といった共有もさせていただきました。僕なりに神沼のテーマとして挙げた音楽や書物を想像することで、自ずと出てくるもの...それを大事にしたつもりです」

――下調べしていく中で、神沼に共感する部分はあったのでしょうか?

「どの役でも自分の中の一部を膨らませて演じますから、今回も自身の内面を掘り下げて...。もちろん僕は決して人を殺めたりはしせんが(笑)、それでも神沼という人間の中に理解できる部分はありました。ほかにも、"繊細な心情のひだ"というものが感じられる役でしたので、そのあたりは共感できました」

――ということは、シーズンを通して神沼の心情や連続殺人に至った背景も描かれていく?

「ただ単に殺人鬼では収まらないパーソナルな部分が描かれるところが、神沼を演じる上で面白いところだと思いましたし、そうした彼の心情も追々描かれていきますので、どうぞ楽しみにお待ちください! としか今は申し上げられないのですが(笑)。皆さんのご期待に沿えるよう、頑張って演じたいと思います」

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ベルイマンのモノクロ作品を観ながらパイプをくゆらすのが最高の時間

――この辺で、中野さんご自身のパーソナルな部分もお聞きしたいのですが...。

「ハイ、何なりとお聞きください(笑)」

――福岡県のご出身で、現在33歳。自身のバックグラウンドやルーツに、九州を感じることはあるのでしょうか?

「格別な思い入れはあります。僕自身は横浜にある中高一貫の学校へ進学して、高校の時には一年間アメリカへ留学もしていましたので、"九州で暮らした"という記憶は薄いのですが、家族は今も福岡にいるので...。小さい時も、県内で何度も引っ越したんですけど、福岡は僕の根っこの部分とダイレクトに結びついている場所です。引っ越しといえば、東京でも1、2、3...(と指折り数えて)何度もしていますね」

――大学時代はミラノ大学に1年間留学。失礼かも知れませんが、こうしてお話していても、どこかノマド感を感じてしまうというか...。ボーダーというものはあまり意識されないのでしょうか?

「(笑)そうですね。そのせいか僕、空港...とりわけ国際線の空港が大好きで。休みがあれば意味なく空港までドライブをしたりしています。おっしゃるとおり、どこか自分の中にそういうものはあるんでしょうね。ですから、物質欲も所有欲もないです。どちらかといえば、周りに還元したい方だったりするので」

――あるインタビューによれば、趣味はなく、お仕事以外は無味乾燥な毎日だと。

「やることといえば映画を観ることと音楽を聴くこと、あとは本を読んだりするくらい。でもそれは、ある種、仕事の延長ですよね。でも僕にとっては、生きていることの延長に仕事も遊びもありますから、すべて一緒くたなんですよね。だからあえて"趣味"と呼ぶものが必要ないのかも知れない。休日は、朝起きて本を読んで、映画を観て、思い立って空港に行って...。もしくは1人で山の中に入って静かに過ごすとか、そんな感じですかね」

――お酒は飲まれますか? 福岡の男といえば、お祭り好きの大酒飲みというイメージもありますが...(笑)。

「そのへんの福岡の気質はどこかしら受け継いでいると思います。父がまさにそんな人なので。ただ僕、お酒がほとんど飲めないんですよ。味は好きなんですけど、弱い。いいお芝居ができた日は、たまに缶ビールを半分ほど空けたりはしますが、それを話すと、家族が驚きますね。『えっ!? あんた、ビール飲んだと?』って(笑)」

――そうなると、自宅で映画を観る際はコーヒーですか?

「そうですね。あと冬はもっぱらパイプですね。イングマール・ベルイマンという監督の作品が大好きなんですが、ベルイマンのモノクロ時代の作品を観ながらパイプをくゆらすのが最高の時間です」

――同じ男としてしびれますね! ステキです。最後はお仕事の話に戻りまして...。近年は日本・ポルトガル合作映画『ポルトの恋人たち 時の記憶』や、中国映画『男たちの挽歌2018』(共に2018年)など海外作品を中心に活躍。日本のドラマへの出演は、おおよそ3年ぶりとなります。今後の目標をお聞かせください。

「とりわけ海外の作品にこだわっているということはないのですが、新たな転機と言いますか、自分にとって新しい何かが始まりそうな1年でワクワクしています。とはいえ、これからも自分らしく...とにかくいい作品に出会って、いい人と巡り会っていきたいです。"令和"という節目に神沼という今後の一つの転機になりそうな役と巡り会ったことも嬉しいですね。個人的に、昨年は静かに深海に潜っているような穏やかな日々が続いていて、今年に入って海から陸に上がったというような感覚がありましたので、この役をいただけたのは、すごくいいタイミングだなと思っています」

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